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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第42話

・・・ベルトランド視点・・・




「じゃあね。縁があったらまた会おうね!」


そう言ってホープラーはレジで料金を支払い去っていった。

彼の後ろ姿を見送った後もしばらく見続けていた。

ヨハンと目が合うと我慢出来なくなって声をかける。


「ヨハン……凄いなアイツ。」

「あぁ、ベル……ありゃ正真正銘の『バケモノ』だわ。」

「戦場で敵として一番会いたくないな。即座に白旗あげる自信があるし。味方だったらどこまでも頼もしい。」

「わかるわ。初めて見たときの師匠もエグかったけど、アイツと比べたら師匠に説教されるな。私は獣人だからな。古龍と比べるんじゃないって。」

「いや、師匠がこっちの大陸にきたら私も会わせろって説教されそうなんだが。」

「それは覚悟してる。ただ、ホープラーも言ってたように縁がありゃ会えるだろ。」


ヨハンが言う通りまさしく正真正銘のバケモノだわ。

ニヤニヤしてる笑顔なのに内側から発するプレッシャーがヤバい。

周囲にいたギャラリーには気付かれてないし、ワシ自身近付いて初めてわかったんだけど。

強さの桁が違う。

何らかの強烈な魔道具ですら押さえ込めないほんの僅かな隙間から溢れちゃう凄さは近付かないとわからない。

ドラゴンを鎖で無理矢理押さえ込んで封印してるような……そんな、鎖っすか? そりゃ無理ッス! ってなプレッシャー。

ワイバーンとかの下龍ならなんとかなるけどな。

古龍に鎖?

頭おかしいだろって感じ。


ホープラー自身が目立たないようにするために魔道具を装備して押さえ込んでいるんだろう。

実際、2メートルぐらい離れたらプレッシャーはかなり薄まった。


それと、小汚ないオッサンを吹き飛ばした時も殺さないように最大限注意して丁寧に腹パンしていたのも違和感有りすぎる光景だったし。


「ヨハン、だけど面白いヤツだったな。」

「それは完全に合意するわ。しかもたぶんこの店に初めてきてたみたいだな。アイスコーヒーの『大ジョッキ』を頼んでたし。」

「だからこの大ジョッキがここに置いてあるのか。プクククっ」


これはこの店の初見殺しなんだよな。


この店でアイスコーヒーを頼むとジョッキで出てくるんだ。

初めて来たお客は周りのテーブルを見て、この店はこんだけの暑い日だからアイスコーヒーの大があるんだと『大ジョッキ』を注文して後悔するんだよ。

でも本当はアイスコーヒーを頼むと普通のジョッキサイズのアイスコーヒーが出てきて、大ジョッキのアイスコーヒーを頼むとメガジョッキで出てくる罠なんだよ。


ちなみにワシとヨハンは最初にやってる。


いくら安くて美味しいと言えどキツイ。

バカデカイアイスクリームも付いてくるからより凶悪なんだよな。

時間がかかるだけで、コーヒーもアイスクリームも美味しいから文句も言い難(にく)いからな。


ホープラーの顔も特徴のあまり無いのでほとんど印象に残って無いのは、彼が装備していた魔道具の仕業なんだろう。

ただ……ホープラーの持ってる雰囲気は独特のモノだったので会えばわかるだろう。

できるなら師匠が新大陸にやってくる前にホープラーと再会して仲良くなっておきたいものだ。


ホープラーをもう少し引き留めておけばと、もう少し後に合流する嫁に説教されずに済んだのに……

この時は気付いてなかった2人はニヤニヤ笑ってた。

後悔は先にはたたない。




・・・ベルトランド視点終了・・・




そろそろお昼頃なんだが、朝食が遅かったし量もあったのでまったく腹が減ってない。

小汚ないオッサンとの争いは腹ごなしにもなってないから、郊外に出て魔獣狩りをする事にした。

門からの出入りが出来ないから結界を使い徐々に存在を消していって街角の暗がりから空へ飛び立つ。


ラハティカンナス獣人国の首都は外壁が取り壊されてる最中。

海側を広げて漁港と繋げて巨大な湾岸都市となる。

三国同盟の巨大湾岸都市とはかなり場所は離れているが、首都も作り替えて首都機能を備える巨大な都市になる。

首都郊外にある川を利用して用水路をいくつか作り、農業と畜産業を育てていく計画だと聞いてる。

農地や放牧地を魔獣から守るための外壁を川の堤防を利用して取り囲む計画。

ここまで巨大な都市となると莫大な予算がかかるが、旧デバッケルフラート教国が数百年は溜め込んでそのまま残した金銀財宝を利用する予定なので、時間は数百年掛かるだろうが予算の心配はいらないようだ。


だから川の内側の魔獣を狩り尽くさないと計画が進まない。

草原、丘、林を含んでいるので魔獣の巣も数多く点在している。

俺のアイテムボックス内にはオークは沢山あるので、牛肉(ミノタウロス)と鳥魔獣を中心に狩りを進める。


空から観察していると魔獣の群れが沢山いて、魔獣を掃討するにはかなりの時間を要するだろう。

ミノタウロスの群れを発見。

急降下して群れの先頭に殴り込む。

ミノタウロスは平均身長250センチほどの筋肉質で、平均体重は150キロは越えてるだろう。

長毛の毛皮なので服は着てない。


丸太を振り回して攻撃してくる。

フィールドの魔獣でダンジョンのミノタウロスではないので、斧などの武器やシールドやアーマーなどの防具は装備してない。

どこかで拾った丸太やこん棒を振り回すだけ。

一抱えもある大きな岩を持ち上げて攻撃してくることもある。

落ちてる石を投げるという遠距離攻撃が時々ある。


ブモーブモーと大騒ぎする群れの先頭のミノタウロスの丸太攻撃を避けながら、ミノタウロスの左膝に左足のローキック。

丸太が空振りして泳ぐ上体。

踏み込んで踏ん張ってる左足内側から膝を壊されて崩れ落ち、下がったミノタウロスの頭頂部を掴んで左側頭部の角の下に右膝を突き込んで殺害。

殺害したミノタウロスをアイテムボックスに入れる。


一瞬の出来事に周囲を取り囲もうとしていたミノタウロスの集団の動きに躊躇がみえ僅かに遅れる。

その隙に腰の小太刀を抜き打ち包囲網の薄い場所へ走って飛び上がる。

俺の素早い動きに驚愕しているミノタウロスの頭を切って殺害。

殺害したミノタウロスの肩に足をついてさらに飛び上がって包囲網を脱出。

もちろん殺害したミノタウロスはアイテムボックスに収める。

空中で一回転して身体を半ひねりして群れに向き直りながら、着地する前に小太刀を納刀した。


そのままバク転を3回して距離を取り背中に背負っていた弓を装備した。

弓の代わりに革製の矢筒を背中に背負って準備完了。


戦いの興奮に笑いが止まらない。


たまに飛んでくる石を避けながら矢を放つ。

至近距離に接近されたら弓をアイテムボックスに仕舞い、小太刀でミノタウロスをさばいてまた距離を取っていく。

笑いながら移動しながら矢を放ち小太刀で切り捨て、転がっているミノタウロスの死体をアイテムボックスに入れる。


時間をかけて戦闘を楽しんだので、全てアイテムボックスに入れ終わるまで30分ほど。


それからストレスを発散するために2つのミノタウロスの群れを襲撃した。

どこかに販売する予定もないのでこれだけあれば当分牛肉には困らないだろう。


貯まったストレスも発散できたし。


他の冒険者グループとは会わなかった。

というより、誰もいないところまで飛んで移動したから誰とも会えないんだけど。

俺は狩人で冒険者ごっこしかしてないから他の冒険者に邪魔されたくないし、こっちからも邪魔をしないようにしなければ。


牛肉が大量補給できたから今夜はソロキャンですき焼でもしようかな。


ラハティカンナス獣人国の首都に宿泊する予定なんだけどって……

そういや、宿をとるのを忘れてたわ。


急いで首都に戻り宿を探す。

もちろん門は通らないから空から侵入。

日が傾き始めた夕方になったので暗がりは多くなり侵入しやすくなってる。


ステータスカードを出したくないので高級宿にいって金貨で黙らせるか、最底辺の宿で我慢するしかないだろう。

……最底辺の宿なら金を使って売春宿の方が良さそうだけど。

彼女が出張中に売春宿はヤバすぎる。

元から行く気無いけど。

ハイエルフになってから性欲は日本人の時に比べるまでもなくかなり薄くなってる。

エルフそのものがほとんど性欲無いらしいけど、ハイエルフはそれ以上だって汽水湖の森のハイエルフのパシーも言っていた。


高級宿がダメならソロキャンだなと決めて首都を歩いてると早速ヨハンとベルに遭遇。

縁があったみたいだな。

嫁2人の荷物持ちをさせられてた。


でも何で荷物持ち?

浮気でもバレたか?

作者からのお願いです。


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是非ともよろしくお願いいたします。

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