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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第35話

これだけ人の良いグレタにここまで思わせるなんてよっぽどなヤツラなんだと考えさせられた。

宗教が権力に絡むだけで面倒なのに、デバッケルフラート教国は宗教が国の全ての中心にあって批判することさえ許されない絶対的な存在となってる。

国を支える人々が狂信的でないと国が成り立たない。

狂気が支配してる国。

この国とはかかわり合いたくないと拒絶したくなる狂気がある。

だからアーリンドル王国もリンタネンキュトラ共和国も宣戦布告を選択したんだろう。


殺伐とした話はそれまでにして、カフェデートに切り替えた。


窓を大きく開くと鳥達が雪崩れ込むように次々とやってくる。

残してあった食べカスを啄(ついば)んで飛び去っていく。

さわられたいヤツは手や腕に身体や頭を擦り付けてくるし、俺やグレタの服を引っ張ったりして遊んでくる。

袖や襟首から服の中に入り込もうとする小鳥もいるし、テーブルの上で必死になって鳴いて俺達に何かを訴えているかのような鳥もいる。

騒がしいのだがそれが可愛い。

グレタと2人で微笑んでしまう。


このカフェはコーヒーは少し大きめのマグカップで出される。

紅茶はカップ2杯分のポットに入って出される。

ハーブティーはカップ2杯半ぐらいのポット。

俺は喉が渇いていたのでハーブティーを頼んでグレタは紅茶。

粗相する鳥もいるのでクリーン魔法を連発しながらのティータイム。


ハーブティーが無くなる頃になってようやく落ち着いた。

カフェを出てのんびり散歩しながら気になった店に2人で入店。

本屋で新たな本を何冊か購入して、雑貨屋ではお互いに小物をプレゼントした。

屋台では相変わらずの串物を堪能する。


ジャリストンでなぜ串物を売る屋台が多いのかグレタに教えて貰った。


包み紙などでくるまれたりしてると、食べる時に手の上に鳥が乗ってきたりして食べにくいからだって。


串物だと手に乗ってきても食べ物との距離があるので食べやすい。

グレタも鳥と共存するジャリストンだからこその進化と教えて貰ったようだ。


確かにな。

あいつら串物を食べてる時に手に乗ってきて反対側から啄んでくるからな。


自由過ぎて始めはびっくりしたとグレタも笑ってた。


うん。

グレタも笑顔が似合う。

笑顔だと周囲を明るくさせる。

まぁ、惚れてる男の独断と偏見。


デートを終えると領主の館に送っていく。

領主な館の中に入ってからグレタを連れて龍の森の俺の住処に転移魔法で移動する。


今夜はうちで晩御飯を一緒に食べる予定だし。

リッチさんも住処に皆を連れて転移してきてくれた。

今日はシジミの味噌汁は決定してるのでシジミの味噌汁に合うおかずを出す。

鳥の唐揚げを大量に取り出して上からタルタルソースをかけて少し酸っぱいタレを合わせてチキン南蛮風のおかずとシーザーサラダを合わせた。

アニーもシジミを食べる為にやってきた。

アニーとグレタはシジミの味噌汁を美味しいとおかわり。


シジミの味噌汁は揚げ物と合うんだよな。


リッチさんもシジミの味噌汁は絶賛してる。

双子は揚げ物に合う味噌汁として記憶してたようで、チキン南蛮風の唐揚げを大量に食べて美味しそうにシジミの味噌汁をすする。


日が沈み今日は新月の日なので満天の星。

空一面に星が輝いてる。

皆で龍の岩山の山頂に転移さて360度の満天の星を満喫する。

山頂は既に雪世界なので保温の結界は必須だが、最高の星空を満喫できる場所。

アニーとグレタとリッチさんは星見酒と雪見酒をダブルで堪能してる。


しばらく楽しんだ後に住処に帰る。

住処でも皆で露天風呂に入って木々の隙間から見える星空を楽しむ。

グレタとアニーは露天風呂で引き続き星見酒を楽しんでたようだ。


お風呂の後にアニーはグレタを連れて領主の館に転移していった。

そのまま2人で酒呑んでのガールズトークを楽しむらしい。

リッチさんもダンジョンに帰った。

ウナギの骨チップスが気に入ったようで、大量に渡したら喜んでくれた。


俺達はそのまま寝る。


それから25日ぐらい。

パシーから貰ったウナギは遊びにきたパシーからも絶賛されてウナギの蒲焼きを沢山焼いてから渡した。

他のハイエルフに自慢するって。


その日の朝の散歩。

龍の森の中心部の世界樹に囲まれた範囲は温度が年中一定で木々も色づかないから季節感ゼロ。

しかし龍の森の外縁部には時々雪がちらつく冬の世界。

地面には霜柱が立って散歩してるとザクザクと音をたてる。

頬を撫でる風は冷たくなり頬っぺたと耳をピンクに染める。


エイス、フーロー、ライチ達には全然関係ないようで元気一杯に走り回る。


俺が投げた枝やボールやフリスビーを全力で追いかける遊びは、既に遊びの雰囲気を越えて競技のようだ。

凄いスピードで投げて猛ダッシュで追いかけてる。

彼女達が楽しんでるので止められない。

俺も楽しいし。


しかし今日は予定があるので遊びはほどほどにして住処に帰る。

今朝はグレタとアニーは住処で朝食は食べてない。

ラーフィーから頼まれてたお客さんがジャリストンに既に昨日から滞在中。

少し海の天候が悪くて遅れていたが……ようやくリンタネンキュトラ共和国から大統領代理と通商団がやってきた。


なので昨日からグレタは接待。

アニーはリンタネンキュトラ共和国から旧ダーリングアストリー帝国とデバッケルフラート教国を監視してる。

何かを仕掛けるタイミングとして、同盟締結前にするのが最高だし。


リンタネンキュトラ共和国が世界に先駆けて奴隷反対政策を掲げてから、アニーはリンタネンキュトラ共和国に何かと肩入れしてる。

ハイエルフとしてはあまり好ましい事ではないようだが、他のハイエルフもアニーの行動を咎(とが)めないので黙認されてる。

リンタネンキュトラ共和国がハイエルフのアニーを利用して他国を侵略することがあるなら他のハイエルフも何か言ってるだろう。


なぜ今回の三国同盟にハイエルフが介入してるのかというと……


デバッケルフラート教国は表向きは奴隷反対と言ってるが裏では異教徒を奴隷として扱ってる。

正確には教国の全国民が異教徒は奴隷として扱ってるが奴隷制度は教国には存在してない。

教本にも真逆の事が書かれてるので教国側は一切知りません、そんな事は誰も認めてないのでその本人を勝手に罰して下さいと教国上層部は完全放置してる。


ハイエルフを完全に舐めてる事がずーーっと続いていて、アニーによるとハイエルフ達の会議でデバッケルフラート教国はもはや絶滅対象として扱う事が決定してる。


教国の上層部は我らこそが神の代理人なのでハイエルフも我らの為に働きなさいという上から目線らしくて会話になんないんだと。

アニーは既に何人もの上層部の人間を無礼討ちしてるけど、かわりに上層部に選出された人間もまったく思想が変わらない狂人の集団だと……とうとう匙を投げた。

全国民が幼少期から刷り込まれきてるのでどうにもならないようだ。


アニーが匙を投げた事で元々デバッケルフラート教国は滅ぼすべきだと提案してたハイエルフの意見に全員一致で賛成になった。

ついでだから三国同盟を締結させて宣戦布告させてからハイエルフも宣戦布告。

デバッケルフラート教国に対して神に助けてもらえとハイエルフの集団で国中を蔦で覆い尽くし徐々に命を奪っていく計画になってるとパシーに教えて貰った。


パシーはデバッケルフラート教国は国民全てが今更どうにもならないと訴えていたが他のハイエルフ達に止められてた。


今回の絶滅作戦の立案者。

どうせなら神は自分達を見捨てたと絶望させてから滅ぼすべきと作戦を立てたみたい。


教国の国民は汽水湖の森や海に平気でゴミを捨てる国民性らしい。

海流の関係で汽水湖の森の湖に流れ込んでくるからデバッケルフラート教国に転送魔法で送っていたが全然変わらない。

パシーも無礼討ちしてるけど意味がないと言ってる。

国の全てが狂ってるから教国そのものどころか、教本すら本人達に破らせてから滅ぼさないと意味がないと宣言されたよ。


龍の森とアーリンドル王国の善き隣人の関係とは真逆の関係だな。


外洋に出ていたり他国にいるデバッケルフラート教関係者も全員本国に転送してから蔦で封印。

他国に入り込んでるスパイも送り込むようだ。

スパイの選別に苦労した何人かのハイエルフにアニーが後程手作り料理でご馳走するらしい。


それは羨ましいわ。

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― 新着の感想 ―
[一言] こうやって邪魔な国が簡単に滅ぼせてしまうのはいいようでちょっとだけ怖いなぁ
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