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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第29話

今日は東門から入場。

貴族専用門からだともはやステータスカードを出すことなく入場している。

ライチが頭の上に乗ってるのでスラリンは右肩の上でポヨンポヨンしてる。

毎回ではなくたまに変わっているので、スラリンとライチに何かのルールがあるのかもしれん。


そのまま歩いて、まずは冒険者ギルドに向かう。

買い取り窓口では置けない量なので冒険者ギルドの裏門から入場。

裏庭横にある大物専用の買い取り窓口からオークと森林狼を20頭ずつ売った。

あんまり一気に売って金を貰っても使い道がないしな。

魔石も含めた1頭丸々なので4枚の金貨を貰ったので1頭あたりは銀貨5枚。

総額400万Bとなった。

……今日中には使いきれないな。


ぞろぞろと歩いて冒険者ギルドの裏門から出てジャリストンの町を散策。

屋台は相変わらず串物ばかりだが美味しいので次々購入する。

昼食は人数が多いので個室がある店で広めの個室を借りて食べる。

俺はステーキとハンバーグの満腹セット。

ユーとミーはハンバーグ2枚のダブルハンバーグセット。


エイスとフーローとライチは俺がアイテムボックスから出した生肉……最近はオーク肉がお気に入りみたい。

スラリン・スラゴン・スラミーはそれぞれの飼い主の魔力。


セットには食後のドリンクが付いていたので俺はアイスコーヒー。

ユーとミーはマンゴージュースを飲んでる。

エイス達は食後の昼寝。

スラリン達は袋に戻って寝てる。


ドリンクを飲み終わっても起きないのでいつものように浮かせて運ぶ事にする。

料金を払ってそのまま散策。


アニーにグレタとお茶でも一緒に飲む時間の余裕があるのか念話魔法で確認したら……


グレタは代行ではなく正規の領主の引き継ぎになるので勉強する事が多く、かなりドタバタしてるようだ。

それに加えて元々エッシェンバッハ辺境伯家から派遣されていた領主代行をサポートしていた執事が高齢の為に引退するとのことで、代わりの執事選びに難航してしまいそちらの引き継ぎも今現在行っている最中でかなり遅れていてバタバタしてる。


アニーはハイエルフとして3千年以上生きてきてる。

領主の知り合いも今でも数多くいてグレタにアドバイスぐらいは出来るのでコツなんかを教えてサポートしてる。

だからこそ朝御飯の時間を龍の森で俺達とわちゃわちゃしてリラックスしてから仕事で必死になって頑張ってるんだと。


なので日中はしばらく余裕がないらしい。


それならば仕方がないと諦めて俺達だけでジャリストンをブラブラする。

雑貨屋や屋台を巡り、またオープンカフェで鳥達に囲まれて(たか)られるという楽しい時間を皆で笑って過ごす。


夕焼けが近付いてきたので暗くなる前に、一度東門からジャリストンの外に出て、夕焼けでオレンジ色に染まるジャリストンの美しさを堪能してから龍の森の住処に帰った。


今夜の晩御飯は俺の夜の特等席で食べる。

今夜は見事なまでの満月。

バーベキューで肉や野菜を焼いて(むさぼ)り食う。

食後は皆でまったり。

シートと大きくなって貰ったスライムを置いてそれぞれが好きな場所で(くつろ)ぐ。

ユーとミーが熟睡して寝てしまったので住処の枝のベッドに転送した。

俺は時々アイスコーヒーを飲みながらエイス・フーロー・ライチ達と寝そべりながら満月を眺める。

もちろんスラリンの上で。

湖面に映る満月と空の満月を楽しみ、深夜になり爽やかになってきた風を感じて大自然を満喫する。

皆でわちゃわちゃ楽しむ夜も好きだし、こうやって一人大自然を満喫するのも楽しい。

エイス達も熟睡してるようなので住処の枝のベッドに帰る。



そんな感じで1ヶ月程過ごした。

今は夏真っ盛りで龍の森の散歩は日の出と共にしてる。

今頃が一番早い時間に出発して歩いてる。


アイテムボックスのオークと森林狼は増え続けたが……

バーキットのオーク達はようやく落ち着きをみせて草原では遭遇しなくなった。

レオンに貸した収納袋はまだ貸しっぱ。

レオンがオーキッドの領主を辞めた時にもう一度考えれば良いだろう。


グレタはようやく領主の仕事にも慣れ始め時間的な余裕もうまれた。

俺もユーとミーがリッチさんのダンジョンで訓練してる午後は時々グレタとお茶してる。

グレタも俺との会話にも慣れてきて敬語がほぼなくなって冗談も言うようになってきた。


念話魔法が使える魔道具をグレタに渡しているのでアニーが闇奴隷関係の仕事がまた忙しくなってきた今は、グレタの毎朝の移動は俺が転送魔法でジャリストンと龍の森を送り迎えしてる。


昨夜は闇奴隷の販売業者を摘発するのにアニーの手伝いで協力。

領主の貴族ぐるみで犯行グループを形成してるので少人数で突入したかったらしく俺が手伝う事になった。


アニーの突入終了に合わせて俺が国王を含めた近衛騎士団20名と国軍100名を転移魔法で移動。

アニーが暴れまわってる事に気付いた領主が軍を連れてアニー達を包囲。

そこに転移して逆包囲に成功。

関係者の根こそぎ逮捕に成功した。


内外にいるハイエルフに犯人グループの貴族達以外の領軍が全て白旗をあげ、大騒ぎする貴族達を逆に拘束して差し出す事態になり意外と簡単に済んで楽な逮捕劇となった。


とはいっても夜通しの逮捕劇だったので昨夜はほとんど寝てなくてそのまま朝の散歩に行ってる。

グレタを転送魔法で龍の森に呼び寄せると俺の寝不足を心配して朝食を作ってくれることになった。


「グレタの手作り料理には期待してるよ。」

「そんなに期待しないでよね。ピザ窯があるのを見てて自分が食べたくなっただけなんだからね。」

ツンデレ?

「大丈夫大丈夫。具はこんなもんで良いのか?」

「大丈夫かどうかやってみないとわかんないけどね。生ハム、トマト、ピーマン、チーズ……後はジャガイモかな。」

「はいジャガイモ。」

「じゃあ、後は座って待っててね。」

「はいはい」


何日か前にアイテムボックスに死蔵されてたピザ窯に気付いて住処に置いた。

それをグレタが見ててくれて手料理でピザを焼いてくれることになったのは嬉しい誤算。

このピザ窯は薪も炭も使わない、魔力を使った火力で焼いている。

内蔵された魔石で火魔法を作り出して焼いている。

横に大きめのハンドルがつけてあり、ハンドルを回す事で火力の調節が可能。

ピザ窯の説明をしてから後はおとなしく待ってる。

テーブルの上にはサラダとスープとジュースを置いて、エイス・フーロー・ライチに双子と一緒にエサをあげなから。

出来上がりと共に言われた言葉で赤面してしまう。


「はい、出来上がり。たっぷりの愛情を込めました。」

「お、おう。」

「……冗談なんだからね。」

「お、おう。」


グレタも冗談と言って赤面してる。


そんな2人を見てニマニマしてご馳走さまですという顔をしても決して邪魔をしない双子。

頭の上でなぜかポヨンポヨン跳ねるお互いのスライム。


グレタもスライム枕ゲットに成功した。

朝だけしかも短時間しか魔力を流してないので双子よりもだいぶ日数はかかったがしっかりゲットした。

引き継ぎが終わり正式に新たな領主となって家名が代わり……

グレタ・フォン・ジャリストン子爵になったので旧家名のカラマンリスから取ってマリスという名前をスライムにつけたグレタ。

俺は領主就任記念でグレタに手作りの槍を送ってる。

ハイエルフなので人間同士の戦争に介入する事はまずないだろうが、惚れた女性が傷つくのは見たくないという心理が働いて隠した性能がてんこ盛りの槍。

ただひたすら頑丈で切れ味もほとんど変わらないシンプルで使いやすい槍の見た目になってるが、ハイエルフか能力の高いエルフとか魔族が見れば一目瞭然な手作りの槍に仕上げてある。


魔力や体力の自然回復力を大幅にあげたり、騎乗時にも馬への負担が少なくなるスキルなんかを隠してつけてある。


領主ともなれば何人かの部下を連れて戦地に駆けつけないと行けなくなるからね。

式典とかには使いにくいシンプル過ぎる槍だけど戦地では大活躍できるように仕上げた。

生き残る為の槍。

グレタは振り回した後にかなり喜んでくれたのでプレゼントして良かったと思った。


ちなみにピザはめちゃくちゃ美味しかった。

やはり愛情に勝る調味料はないらしいとノロケてみる。

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