第13話
ユーとミーの問題はほぼ解決したので教室の中に戻ると、双子が質問攻めにあっていた。
ラーフィーとミクリーが太鼓判を押していたように、今の王族にはハイエルフ関係者を利用しようとしてる輩はいないようだ。
王と宰相とハイエルフに連れてこられた双子の子供なんだから『最重要のお客様』だと子供ながらに理解してくれている。
質問攻めとはいえ和気あいあいのホンワカした空気。
俺も自己紹介してから、私塾には通わないがダンスとテーブルマナーの授業はこれから3人とも参加するからよろしくねと挨拶しておく。
俺も一緒だと聞いてユーもミーもはしゃいで喜ぶ。
ここらへんは年相応のお子様だな。
生徒達もニコニコしてる。
俺も質問攻めにあう。
森での生活やドラゴンとの会話。
ドラゴンの知られざる生態等々、普段聞かれない質問で時々答えに考え込む時もある。
ラーフィーとミクリーも質問してくる。
子供が聞いてもヤバくない質問を選んでるから、俺も丁寧に答えて龍の森での生活スタイルなんかを紹介していく。
他の教室にいた上級生達やまだ学校に通う前の子供も集まってきて、質問もわちゃわちゃしてきた。
基本みんな良い子なのがわかるから丁寧に答えていく。
みんなが見た事ない恐竜の話はイメージしやすいように木彫りでミニチュアを瞬時に作って教えてあげたので大喜びしてくれた。
木彫りと言っても俺は彫る必要がない。
木材に魔力を流すとイメージした形に変形する。
その魔法を教えてと懇願されたが……
これは魔力は使うがハイエルフ特有の技なので魔法ですらない。
なので教える事は出来ないというと、みんなあからさまにガッカリしてた。
……なぜか双子も一緒に。
すると双子よりも小さい……生徒の中で一番小さい女の子が机に並べたミニチュア人形を欲しがったのであげる。
それからは生徒全員の希望する形の木彫りを作ってあげた。
男の子はやはりドラゴンが多い。
次は肉食恐竜。
女の子は小鳥や犬や猫が多い。
最後に全員の自画像代わりのミニチュア彫刻をあげる。
好きなポーズで良いよというと、男の子達は武器を取り出してポーズを決めて、女の子達は絵を描いてドレス姿の自分を要求。
みんなでわちゃわちゃ楽しんだ。
ラーフィーに子供の扱いが上手いと誉められたので反論しといた。
「僕まだ13才だからほとんど同年代だろう。」
「「「「うそ!」」」」
子供達が最後に一番の大声をあけて遊びの時間は終了した。
教師がみんなやってきて次の授業が始まるから解散。
教室を出て5人で歩きながら話は続く。
「前から思ってたけど、ホープラーのその姿で『僕13才』はもはや詐欺だろう」
「僕に文句を言われてもね。ハイエルフの種族の特性だから。」
「ミクリーの言うとおりだよ。俺はホープラーの『僕』ですら違和感あるわ」
「とりあえず15才の成人を迎えるまでは『僕』でいこうかなと思ってただけで、そんなに深い意味はないし。むしろ自分でも無理があるとわかってやってる。」
「「わかってるんかい!」」
同時にツッコミを入れられて少し嬉しい。
王城を出て中庭にいき庭園の横にある東屋で座って雑談を続ける。
ユーとミーには自由にして良いよと言うと2人はバラバラに。
ユーは男の子らしく中庭の訓練場で近衛騎士団の訓練を眺めてる。
時々ウエストポーチから双剣を取り出して、近衛騎士団達とイメージで戦ってる。
ユーの後ろには少し離れて執事が立って警戒中。
ミーは女の子らしく庭園に行って様々な花を眺めて匂いを嗅いだりして楽しんでる。
周り終えるとユーの隣に行った。
もちろんミーの後ろにも別の執事が控えてる。
双子は俺ソックリな格好をしていて目立つので間違いはないだろうが、何かあってからでは手遅れになるので仕方ない事だろう。
時々二人で模擬戦をしてお互いに脳内イメージトレーニングとして近衛騎士団と色々と戦ってるんだろう。
俺は時々双子を眺めながらラーフィーとミクリーの3人で雑談。
東屋にメイドがきてコーヒーを入れてくれた。
双子には執事から携帯用なテーブルと椅子が用意され紅茶を楽しんでる。
「しかしながらホープラー、凄い子供を育て上げたな。戦闘力と魔法学に関して言えばこの国だと彼らを上回る人を探すのは難しいぞ。子供ではいないよ。」
「魔法に関してはリッチさんに感謝してる。めちゃくちゃ子供好きで早く仲良しになるために頑張ってたもん。」
「そんな子供好きで有能な家庭教師が王家にも欲しいよ。なぁミクリー、どっかにいない?」
「いたら侯爵家で囲いこんでるわ。有能な人材の宝庫になること間違いないし。」
「ただ、戦闘力に関しては彼ら……『金虎獣人』の種族特性だぞ? 金虎獣人は戦闘の限界値が天井知らずだしな。」
「あぁ、ステータスカードを見てビビったよ。あの伝説の覇王の種族だし。王家としての我が儘が言わせてもらえば……うちの息子か娘の嫁か婿したいわ。」
「それで私塾に呼んだんじゃないの?」
「それは『あわよくば』だな。王族としては……チャンスだけでも欲しい。」
「まぁ、僕は自由恋愛なら許すけど。政略結婚は無理だよ。」
「それが聞きたかった。親として複雑だけど……無理はない範囲で。」
「だけど王家としては諦めきれないレベルなんだよね。覇王の血は何代も残るのは事実だから。」
「それも伝説の一部。ホープラーはどう? 侯爵家は熱烈大歓迎。」
「なんだよそれ。ってか、王家と侯爵家で政略結婚なんて産まれる前から決まってるんじゃないのか? ……俺も自由恋愛ならね。」
「是非とも頼むよ。ホープラー達なら先約なんて即座に取り消すわ。」
「確かに即座に取り消す。んでもって言わせてくれ『甘いぞ、若造。お前に娘はやらん! 帰れ帰れ』って。」
「先約即座に取り消すのに、やらんって意味不明じゃん。」
「娘を持つ父親として一度ぐらいは言いたいわけよ。言いたいだけで即座に籍入れるけどね。」
「全面的に同意だわ。一度は言いたい台詞だな。」
「言いたいだけなのかよ。娘持ったことないからわからんわ。だって……」
「「「僕13才」」」
ピッタリ揃ったので爆笑した。
ラーフィー達も爆笑してる。
俺のニヤリとした顔を見て合わせてくれた。
「やっぱりどう考えても詐欺だわ。無理がありすぎる。」
さらに爆笑された。
気付いたら近衛騎士団が訓練を終えて挨拶にきた。
挨拶ついでにユーとミーの双子と模擬戦がしてみたいらしい。
双子もやりたいと目で訴えてる。
「うーーーーーん、まだ無理だ。まだアンデッドとしか戦闘経験してないからな。対人戦を教えてないから……後1年待っててくれ。でも楽しみにしてくれてありがとう。」
流石に止めた。
まだアンデッドのみの戦闘経験じゃ許可できない。
むーんと少し沈んで悔しがる双子の頭をワシャワシャ撫でてなだめる。
うーん、出来ればやらせてあげたいとは思うけど、寸止めとかフェイントとか対人戦スキルを一切鍛えてないので、対人戦のスペシャリストの近衛騎士団には全く通用しないだろうな。
スピードや体さばきだけでは。
ステータスにそれほど差がない相手では翻弄されて終わる未来しか見えない。
まぁ、半年たてばそこそこイケるね。
1年後なら良い勝負になるだろう。
覇王の血は伊達じゃないから。
2年後になればもはやステータスは雲泥の差になり対人技術も追い抜いて、もはや彼らでは3対1でも相手にならないと思う。
だから今は我慢して欲しいな。
双子の悔しそうに唇を尖らせてる顔を見ながら頭を撫で続ける。
作者からのお願いです。
少しでもこの作品を面白いと思っていただけたら↓の好評価とブックマークの登録をお願いいたします。
皆様の応援が作者の励みになります。
是非ともよろしくお願いいたします。




