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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第12話

私塾の件は明日からとお願いしたら、明日は休みで明後日からだと言われたので了承。

今日はまだ授業してるのでみんなで見学することにした。


ミクリーを先頭にして王宮を抜けて王城に5人で向かう。

初等部の教室に入ると魔法学の勉強中。

内容はまぁ……王族だからレベルは高い方なんだろう。

5・6才ならこんなもんなのかなって。

ところがミクリーから小さな声で耳打ちされてビックリした。

「この魔法の授業、ホープラーは信じられないかもしれないけど……王立学校では『中等部の2年目』ぐらいで習うんだよ」

「えぇ? ……あぁ、授業の邪魔をして申し訳ない。」

余りの驚愕に思わず大きな声が出た。

この程度の魔法授業、ユーとミーは魔法を教え始めてから2ヶ月後には終わってたぞ。


つまり4才になる前。


こら無理だわ。

ラーフィーやミクリーが入学を断る理由も理解できるわ。

ユーとミーには退屈過ぎて寝ちゃう程の低レベル。

しかも俺が変な声を出した事で授業を受けている6人が振り返ったのを見たが、全員ユーやミーよりも年上。


しまったな。

ユーやミーが思ってた以上に優秀だったのか。

比較対象がいなかったので仕方ない。


子供だから吸収が早いんだろうとリッチさんと次々と先に進めて教えてたよ。

英才教育どころじゃなかったかもしれない。

ユーとミーはすでに知ってる授業内容に興味は無くなっていて、教室の中を興味深そうにあちこち眺めてる。


困ったな……こりゃ浮くわ。


その事で相談があるとユーとミーを教室に残して、俺はラーフィーとミクリーの2人に部屋の外に連れ出される。


ラーフィーとミクリーの2人に相談されたのは……

「魔法学のレベルを上げて欲しい」

だった。

難しいお願いだったから正直に答える。


「悪いけど俺って高度の魔法は直感と才能でやってる部分が多くて、人に理論的に説明するのが苦手なんだよね。低クラスの魔法ならなんとかなるけど。」

「じゃあ、どうやってユーとミーに教えてるの?」

「リッチさんにフォローしてもらってるんだよ。」

「「リッチさん?」」


ここでリッチさんの説明をラーフィーとミクリーにする。

龍の森の中にある洞窟、アンデッドダンジョンの主で不死(ノーライフ)(キング)

そのリッチさんと仲良くなって、ユーとミーにツーマンセルで教えてると正直に話した。

リッチさんは魔法学を理論的に説明するのが得意。

逆にリッチさんは格闘系が直感と才能でやってて、理論的に教えるの苦手。

俺は逆に格闘系は理論的に説明出来る。


冷静に考えるとこのツーマンセルが良かったのかもしれん。

どちらかが理論的に説明してフォローするから理解深く、より高度な勉強が出来てるのかも。

教えられてる方も『直感派』『理論派』のどちらにも対応出来てる。


流石にダンジョンマスターのリッチさんにここまで来てもらうのは無理。

リッチって生命力が弱い魂を強制的に吸い込んじゃうんだよね。

ユーとミーは慣れるまで俺が結界で保護してたし。


ここでミクリーが面白い事を言い始めた。


「今のホープラーの話だと生徒に『直感派』『理論派』がいる以上、教える側も二種類の教師が必要となる。これって教育革命じゃね?」

「ミクリーの言いたい事がわかるわ。確かに俺も学校にいるとき同じ授業でも理解しやすい人と理解しにくい人がいたし。」


2人がめちゃくちゃ盛り上がってる。

ミクリーに言われて俺も理解出来た。


確かに生徒の事を思えば直感派と理論派の説明があった方が、授業に置いていかれる生徒は確実に減少すると思える。

生徒も科目によってどっちの派閥なのか探る事が出来れば、分かりやすい方が理解が早くなるだろう。


これは実験が必要な話。

教える側の派閥分けは簡単だな。

理論的に説明出来るかどうかすぐに判別できるだろう。

生徒側は難しい問題になるだろう。

理解できるかどうかはやってみないと全くわからない事。


まずは教師を派閥分けして反対の派閥の教師が必ずフォロー出来る体制を構築。

生徒には理解出来なかった時に反対の派閥の教師に習ってみる。

『追加授業制度』

この私塾で実験してみる事になった。

教師を追加することになるので来月から。

まずは魔法学と格闘系授業で。


それとは別にこの私塾では食事の時間も『テーブルマナー教室』となっていて、貴族には必須の食事のマナーを学ばされるらしい。


それはすまん。

ユーとミーに全く教えてない分野。

俺もリッチさんも全く知らない。

森では必要ないから。

これは出来ればユーとミーには学んで欲しい。

むしろ俺とリッチさんが双子から教えてもらおう。


それでラーフィーとミクリーに相談されたのは……王候貴族はナイフとフォークがない食事が苦手。

ってよりも出来ない。


……つまり戦場での野戦食。

もしくは森や岩場でのサバイバル食は王族は一切経験してないので、戦場では色々な不都合や農民兵等からかなりの不評をくらってるらしい。


いわゆる……お貴族様の食事問題。


確かに戦場で天幕広げてフルコースの食事って無駄でしかない。

野戦食は兵士が持ち回りで誰でも出来るように簡単に作れるように食べやすいように全てがマニュアル化されてるが、お貴族様の食事の為に連れてきてるシェフや執事はまだ最悪、戦闘要員に出来るという意味で理解できるが……毎日毎食フルコースの食事の為にメイドを複数連れてきてるのは無駄でしかない。

メイドは戦闘要員じゃないんだから守るべき対象が増えるお荷物。

作戦本部の天幕はどの兵士でも理解できるが、毎食フルコースの食事をするためだけの数多くの天幕や食材なども人力や馬で運ぶこの世界では無駄な荷物だろう。


アイテムボックスや収納袋があるが……その無駄が無ければもっと沢山の荷物が運べるという矛盾。


農民兵からすればこの無駄な荷物がなければもっと沢山の食材が運べてもう少し野戦食もバリエーションがあるんじゃね?

という疑問を覚えるだろう。

毎回の食事の度に。


まぁ、ワンマンアーミーどころか『一騎当千』や『万夫不当』すら生易しいレベルでドラゴンの群れすら圧倒できる武力を持つハイエルフからすれば意味わからん討論。


だけど貴族の言い分より農民兵の言ってる事の方が理解できる。

戦場の無駄は何のため?

って感じだろう。

食事の時間やティータイムの時間は戦争しないとかバカの極みだな。


それならば、貴族同士で殴りあいして勝ち負け決めろやって思って当たり前だし。

勝った方が今年の税金を総取りで。

農民は農業の専門職であって兵隊としての訓練なんかしてない。

そもそも農民や土地や国を守るための貴族や軍人だろう。

この対立の先にあるのは『革命』

ボードゲームごとひっくり返すしかない。


というよりも天幕の下でフルコースの食事するよりも野原でBBQした方が万倍旨いけどな。


俺がそんな話をしたらラーフィーとミクリーは顔をしかめた。

この2人は外で食べるBBQの美味しさを知ってて、フルコースの食事より美味しいと思ってるクチだな。


サバイバル術を教えるのは簡単。

龍の森に転移魔法で連れていって何もない状態で過ごせば良い。

俺はアイテムボックスの恩恵があるから、どこでも同じ生活しちゃうけど。

無いなら無いで魔法のゴリ押しすれば森の中なら何年でも生きていける。

それがハイエルフ。


せっかくなご指名で悪いけどあまり参考にならないと思うから、サバイバル術の専門家の狩人とかに聞いた方が為になるとラーフィーとミクリーに伝えた。


ハイエルフだしなと納得してくれたので助かった。


それとユーとミーの教育問題についてだけど、例え王城の私塾といえどレベル差があって無理だという結論になった。

ただ、テーブルマナーの授業と社交ダンスは受けた方が良いので俺も一緒に3人で受けることが決まった。

まぁ、時々だけどね。

テーブルマナーは食事の度に授業があるのでほぼ毎日だが、ダンスは月に5回……毎月5の倍数の日『5・10・15・20・25』月末の30日は忙しくて無し。

イベントがなければ日付は決まってるので、その日にテーブルマナーも一緒に受けることが決まった。


代わりに王城の裏のさらに奥にある森林での食事会の開催することが決まった。

獲物を自分で狩りして自分で食べる。

……ラーフィーやミクリーも参加する。

「自分が食べたいからじゃね?」

と俺が聞いたら、ラーフィーもミクリーも同時に目を反らせたのでビンゴだな。


ソロキャンの達人と自称してる俺のキャンプ遊び授業だな。

ダラダラ過ごして終わらせてやるが、食事だけは飛びっきりのを用意してやる。


戦場でフルコース料理なんか絶対に食べたくないと駄々を捏ねまくるぐらいに洗脳してやる。


クックック……俺に授業を頼んだことを後悔させてやる。

そうと決まれば王城裏の森林で何が出来るか見ておいた方が良いな。

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