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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第9話

嘆いていても何も解決しない。

投げれば解決しそうだけど……

後ろの木の上にいるワイバーンに盗賊どもを投げ込めば、後は美味しくいただいてくれると思う。


ただ、こいつら全員の見た目がバッチイから、食べると腹壊すかもと避けられたりする可能性もある。

クソ盗賊の命よりもワイバーンの健康状態のほうが大事だし。


とりあえず盗賊はまた猿轡噛ませて静かにさせる。


双子はどうしよう。

話を聞いてみる事にした。

「君たち大丈夫?」

「「グー……」」


まさか腹の虫で両方から返事されるとは思わなかったよ。

しかし流石双子だな。

腹の虫までハモってる。


凄い痩せてる。

栄養失調っぽいからまずは座ったまま食べられるように卓袱台を広げ鍋に入ってるお粥をあげた。


「熱々だしゆっくりとフーフーしてから食べな。」

とレンゲを渡すとどうしていいのかわからずキョトンとしてる。

可愛いな。

ホッコリするわ。


俺が手本としてレンゲですくいフーフーしながら食べると、真似して食べはじめた。

舌を火傷しないようにグラスに入ったオレンジジュースを渡すと……美味しかったのかガブガブ飲んで、あっという間に無くなった事にビックリして、空になったグラスと俺を交互に見つめてくる……2人揃って。


マジでホッコリ。


ニコニコしながら卓袱台に置かせたグラスにポットからオレンジジュースを注ぎ入れた。

「ほらほら、まずは食べな。」

フーフーしながらモグモグ早口で食べてる。

「大丈夫。これは君たちの物で誰も取らないから落ち着いて食べな。お代わりもあるから。」

俺が落ち着かせるとゆっくり味わうように食べてる。

時々オレンジジュースをゴクゴク飲んでプハーってしてる。

なんだこの癒し系の生物はと驚愕。


お粥をお代わりして食べ終わると満足したのか、ニコニコと俺に笑いかける。

「「おにーさんありがとう」」

流石双子。

お礼も見事にハモってる。

「いえいえどういたしまして。ところで君たちの名前は?」

「僕はユー」

「私はミー」

「そう……ユーとミーな。僕はホープラー」

「「ホープラーさんありがとう。」」

「はい。よく言えました。ところで君たちのパパとママはどこにいるの?」

「「パパとママはいないの。そこのおじさん達にやられちゃって……」」


と、涙目になってグスグスし始めた。


俺は、あまりの怒りで……怒髪天をつく。


なーにーおーまーえーらーかーと歌舞伎の見得を切るように、ゆっくりと後ろに振り返って、クワっと般若の顔に早変わり。

オマケでバックに魔王のオーラを背負ってるブチ切れモード。


盗賊どもはガクガクと震えてバタバタっと全員意識をなくした。

チッ、根性無しどもが。

こいつらの処分は後回し。

ユーとミーを泣き止ませるためにデザートでプリンをあげる。

「「おいしいねぇー」」

と頷き合う双子に萌える。


餌付け成功だな。


金髪ってよりも黄色い髪の獣人の双子。

金虎獣人と呼ばれる希少な獣人っぽいな。

大人になると金髪になるらしい。

とことん鍛え上げればとことん戦闘力が高くなり、覇王と呼ばれるようにまでなる戦闘種族獣人。

この龍の森からはめちゃくちゃ遠い、別の大陸の獣人の国によくいる種族。

だが群れるのが嫌いな性格の為に世界中にバラバラに住んでるようだ。

親戚を探しに旅に出ないといけないのかな。


デザートも食べ終わり、お腹一杯になって眠気がきたようで、双子が揃ってウトウト、ユラユラと舟をこぎだす。

少し大きめのクッションを2つ取り出して双子に渡すと、クッションの上で丸まって寝る。

疲れてるし安心したし腹一杯だしで熟睡してる。


よしよし、こっちはOK。


双子にいくつもの結界をかけて音も聞こえないようにした。


さぁ、審判(おしおき)の時間だ。


盗賊を全員気付けして目を覚まさせてから、縛ってある木の締め付けをギリギリと強めた。

うぐぐぐと目覚めたようで苦しみもがいてる。

猿轡の木が食い込んで声も出せない。


……まぁいいや。

めんどくさいわ。


木魔法を解除して自由になったとたんに逃げ出そうとして、盗賊どもは四方八方に逃走するが……頭おかしいなこいつら。

森の中でハイエルフから逃げられるわけないじゃん。

今度は草魔法の蔦で雁字絡めになって猿轡も噛まされた状態で、俺の目の前にプカプカ浮いてる。


えーっと、こいつらこっちにから来たんだよなと、奴隷どもと双子を全員浮かせて森の外へと歩き出した。


草原のところに盗賊のお仲間がいたから盗賊倍増。

蔦で絡めて浮かせるのを追加した。

馬と馬車もあった。

やっとまともに話せるのがいたわと馬に話しかける。


馬の証言からこの街道の先の国にあるデッカイ壁が横に続いてる町で飼われてた。

親切で優しい飼い主は3日位前に殺されて、街道の向こうの草原に埋められてる。

場所は2日程街道をのんびり歩いた所。


どうしょうもねーな、こいつら。


馬に優しいご主人様が埋められてる所を思い出してもらい馬の頭に手を当てて……記憶の映像を魔法で探る……わかった。

魔法で細かい場所を調べて転移魔法で全員引き連れて移動。

ご主人様の遺体を掘り出してクリーン魔法で綺麗にしてアイテムボックスに入れる。


30人以上蔦で縛られた盗賊、双子、馬車、馬の全部を引き連れて国境の町へ転移魔法でまとめて移動する。


突然出てきた不審な団体に国境警備隊の隊員達が複数人、槍を構えて走り寄ってくるが、先頭にいるハイエルフの俺を見て慌てて槍を持ち直した。


「やぁ、僕は龍の森の調停者(ハイエルフ)のホープラー。ちょっと面倒な事になっちゃってねぇ……」


と、挨拶してから詳しく状況を説明をし始めた。


ここは商人と海賊が牛耳ってる国

『トルベッケトラース通商衛星国』

各大陸のどこにでもいる様々な商人と海賊が手を組み合わせて国を作った……他に例を見ない変わった国。


大陸を結ぶ海運で儲けて傭兵を雇い国を維持してる。

世界中から

『味方にしても頼りない。けど敵にすると面倒くさくて厄介な国』

と言われてる。

利益のみがこの国の正義であって金の為なら何でもするし平気で裏切る。

宗教国で正義が一方的で凝り固まった国はもっと厄介だけどな。


各大陸ごとに大将がいて、大将ごとに法律がある。

国は小さいしそれほどの戦力はないので、一つの大将を潰すのは大きな国なら簡単にできる。

そもそも敵わない相手ならすぐに海に逃げる。

そしてその大陸は他の大陸との交易手段がなくなるだけ。

魔王の大陸にすら交易用の街を持ってる異常な国。


まぁ、ハイエルフに国は関係無いけど。

敵になったら一方的に虐殺。

味方になれば莫大な金が産み出される。


そんな事はさておいて続きだな。


馬と馬車の持ち主はすぐに判明。

馬車の中の荷物から持ち主が判明して、国境警備隊の隊員が連絡しに走って行った。

迎えがきて遺体も馬車も馬も全て引き渡して終了。


盗賊も簡単。

山盛りの犯罪歴があり全員警備隊につきだして終わり。

警備隊のメンバーが揃ってから蔦から解放した。


双子が困った。

身内も親戚もいない。

両親も奴隷だったりするし。

しかも両親共にすでに亡くなっていて何の情報もないし、双子に聞いてもよくわからないので全く探せない状態。


このまま渡せば孤児院直行コース。


だけどそれも今さら無理……餌付けちゃったし。

目が覚めたユーとミーは両目に涙を貯めて俺の服のズボンを両側から両手でぎゅっと握りこんで絶対離すもんか状態。

いや、両親がいなくても祖父祖母とかがいて幸せになれそうならすぐにも渡すけど……今さら孤児院に送るのは俺も無理よ。


「ホープラー様、どうしますか?」

「まぁ、責任もって森で育てるよ。森の中なら幸せにする自信あるし。」

「わかりました。よろしくお願いいたします。」

「いえいえ、こちらこそ。……ところで町の中に入っても良いかな? 流石に3才児の双子が着られるような服は持ってないから何枚か購入したいんだけど。」

「ご自由にどうぞ。ちなみにこの町の冒険者ギルドはこのまま道なりに真っ直ぐ進んでいただくと右側にあります。服屋はもう少し進んでいただくと、今度は左側にございます。」

「親切にどーも。」


本当は服ならありとあらゆる素材の服が山ほどあるしサイズ変更も魔法でちょちょいのちょい。


話の流れで服ぐらい買わないとなと思った。

対応してくれた警備隊の隊長さんがあまりにも善い人だったからな。

少しぐらいはこの町の経済に貢献しても良いと思えるぐらいにね。

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