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ワールド・ティーチャー -異世界式教育エージェント- 作者:ネコ光一

十二章 銀狼族

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師として出来る事

 ダイナローディアが逃走してエミリアが泣き疲れて眠った頃、俺は現時点で判明している情報をガーヴとレウスに聞かせていた。

 ダイナローディア。
 竜種でありながら空を飛ばず地上を走り回り、その強靭な足と力を生かして獲物を追いかけて食らう。
 獰猛でちょっとした災害とも呼ばれる魔物だが、希少性が高く遭遇するのは稀である。
 群れを作らず、生息している数が少ないのもあるが、ダイナローディアは一年に一度の数日しか活動しないと言われているからだ。
 人が近寄らない山奥や穴を掘って地中の奥深くで眠り、眠りから目覚めると強烈な飢えによって凶暴になり、魔物や人を手当たり次第に襲う。
 そして数日かけて腹が膨れたら、再び眠りに就くそうだ。

 おそらく先程戦ったダイナローディアは、エミリアとレウスの集落を襲った魔物と同一だろう。どこにいたのか、それとも遠くから流れてきたのかは不明だが、腹が減って魔物だけで満足できずに集落を襲ったと言ったところか?
 集落へ向かう道中、魔物の数が少なかったのはおそらくこいつが原因だろう。

「……とまあ、さっきの襲撃でわかったのはそのくらいだな。お前達はどう思う?」
「俺は細かい事はわからないけど、あいつから色んな血の匂いがしたから、魔物を襲っているのは間違いないと思うよ」
「ああ、私も同意見だ。ところで……そろそろ解いてくれないか?」

 襲撃からすでに一時間近く経っているが、二人は『ストリング』で縛って地面に転がしたままだ。
 二人は仇に出会って興奮しているからな。放っておけば確実にダイナローディアを追いかけようとするから、強制的に動けなくすれば頭も冷えるだろうと思ったからだ。
 最初は無理矢理『ストリング』を千切ろうとしていたが、今は無理だと理解して大分落ち着いている。体を縛っている魔力の糸は透明だから、何も知らない者から見れば非常に情けない格好である。もし糸が見えたとしても、全身余す事無く縛られた見事な簀巻き状態になっているから情けないのは同じか。

「解放してやるけど、魔物を追うなよ?」
「わかってる。兄貴の命令だ」
「……わかった」

 二人はダイナローディアと正面から戦えるようだが、肝心の攻撃が通じなければ話にならないので、魔法が使える俺やリースと一緒に行動するべきだろう。
 『ストリング』を消して二人を解放したが、念の為に二人の後ろにホクトを待機させておいた。こうして全員が落ち着いたところで、俺達はこれからの予定を話し合った。

「さて、あのダイナローディアがお前達の仇という事は、何としても倒さないと駄目か。ところで二人は飛び出そうとしていたが、勝算はあったのか?」
「……わからん。だが、同じ箇所を殴り続けていればいつか必ず倒せるだろう」
「剣で斬れない相手じゃないんだ。深く斬ろうとしないで、浅く斬りまくれば倒せるんじゃないのか?」
「ガーヴのは厳しいだろうし、レウスのも確実性に欠けるな。それに、何も二人だけで戦う必要はないだろう?」

 後方で寝かせているエミリアに視線を向けると、近くで看病しながら話を聞いていたリースが任せてくれとばかりに拳を握っていた。
 戦う事に関しては苦手なリースだが、今回はエミリアとレウスの事もあるのか珍しく積極的である。あの魔物との戦いにおいて、彼女の精霊魔法は頼りになるだろう。

「仲間はエミリアとリースもいるんだ。それに、俺の『マグナム』なら奴に通じると思うぞ?」
「……ごめん兄貴。悪いけど兄貴はあいつに手を出さないでほしいんだ」
「私からも頼む。息子の仇は、私達の手でとりたい……」

 レウスとガーヴは頭を深く下げながら懇願してきたが、俺は元からそのつもりだった。リースも同じ意見のようだが、彼女の場合は少し条件があるらしい。

「わかりました。ですが、怪我したら絶対に治療しますからね。じゃないと……水浸しにしちゃいますから」
「気持ちは嬉しいが、これは私達の問題だからー……」
「わ、わかったぜリース姉! 爺ちゃんもそれでいいだろ? 俺達が怪我しなければいいんだからさ」
「う、うむ……わかった」

 レウスが必死にガーヴを説得しているのは、リースを怒らせては駄目とわかっているからだ。リースは柔和で優しいが、実は最も怒らせては駄目な子だ。
 彼女は水浸しにすると言ったが、本気を出せば例え山だろうと津波を起こせるからだ。精霊魔法ってのはそれだけ強力なのである。彼女がそこまで怒った事なんて一度も無いけどな。
 ホクトは説明しなくても大丈夫だろう。実際、先程の戦いも前に出ないでエミリアとリースを守るように動いていたからな。

「俺も限界まではダイナローディアに手を出すつもりはない。という事は、魔物の相手をするのはエミリアを含めて三人か」
「兄貴、姉ちゃんは無理だよ」
「あの様に怯えていては、とても奴とは戦えん」
「戦うのを決めるのは二人じゃなくてエミリアだ。ここは彼女が起きるまで一日様子をー……」

 様子を見るべきだと言おうとしたが、ガーヴとレウスの目が獣のようにぎらついているので、思わず口を閉じてしまった。
 これは……無理だな。
 ここで無理矢理引き止めても、二人は抜け出してでも魔物を追いかけるに違いない。二人だけでは不安なので、何とか全員揃った状態で戦いたいのだが。
 悩む俺を他所に、レウスは比較的綺麗に残っている建物を指差してから案を出してきた。

「姉ちゃんはあそこで休ませておこうよ。ほら、崩れていない家がまだ残っているからさ」
「そうだな。これ以上、この子が泣き叫ぶ姿を私は見たくない。ここに置いておくのが良いだろう」
「でしたらシリウスさんも残ったらどうですか? 起きた時に目の前にいればエミリアも安心すると思うんです」

 確かにそれも一つの手だ。少々不安であるが、ホクトとリースがいればダイナローディアでも十分に勝てるだろう。
 だが……それでは意味が無いのだ。
 エミリア自身がダイナローディアを正面から見据え、戦って倒すまでは過去を乗り越える事は到底できそうにない。
 俺が選んだ選択は……。



「シリウスさん、大丈夫ですか?」
「兄貴、俺が代わろうか?」
「オン!」
「大丈夫だ。お前達は体力を温存しておけ」

 俺が選んだ選択は……エミリアを背負って運び、全員でダイナローディアに挑む事だった。
 ダイナローディアは逃げてしまったが、あの巨体が森を走れば木々が薙ぎ倒されるし、レウスの攻撃によって血の跡も続いているから逃げた方角はすぐにわかる。
 しばらく進むと木がまばらになってきたが、血と足跡を目印に追い続けた。その途中、俺は一度『サーチ』を使ってから近くの山を指差した。

「魔物の反応はあの山の内部からだ。麓に洞窟があるのか、あるいは穴を掘っているのかもしれない」
「お前の能力は本当に凄まじいな」
「そりゃあ兄貴だからな。でもさ、それ他の魔物の可能性もあるんじゃないのか?」
「俺の投げたナイフが奴の目に刺さったままだろう? あれの反応を辿っているから間違いないさ」

 あの投げナイフはエリュシオンの鍛冶師グラントに作らせた特注品だ。俺にとって最も投げやすい形に作ってもらったが、特注品ゆえにあまり数がないので全てのナイフに魔石を埋め込んである。たとえどこかに消えたとしても、魔石の魔力を探知して回収できるわけだ。
 その反応を目印に歩き続けている途中で、リースが周囲を見回してから首を傾げていた。

「そういえば、先程から魔物が一匹も出てこないですね」
「ダイナローディアに怯えて逃げたか、食われたんだろう。あの巨体だから、この周辺で頂点に立つ魔物かもしれないしな」
「頂点……か。しかし私の拳が通じないのは困ったものだ。フェリオスもさぞや無念だったろう」
「俺の剣もだよ。あそこまで斬って止められるなんて本当に情けねえ」

 二人の実力は申し分ないのだが、今回の相手は武器や打撃が通じにくいのでとにかく相性が悪い。
 ガーヴは仕方ないとして、レウスの剣が大剣ではなく普通の剣だったら違っていたかもしれない。
 レウスの大剣はライオル仕様だから大きくて幅広く、それだけ魔物の内部に接する面が大きいので体内の肉に取り込まれやすいのだ。大剣ではなく切断に特化した剣だったら致命傷を負わせるくらいは出来ただろう。この世界にあるかどうか不明だが、刀があれば細切れにして倒せたかもしれない。

 ちなみにライオルならば正面から真っ二つにできると思う。それだけの技術を持っているし、たとえ途中で止められようが力技で押し切れる力を持っている。あれはちょっと次元が違う生き物なので、別と考えた方が良いだろうな。

「やはり頭部を狙うべきだろうか? だが、ああも大きい上に動き回る相手には厳しいな」
「いっそ斬るんじゃなくて突き刺してみようかな? でも、途中で止められちゃったら抜けなくなるし……」

 レウスとガーヴはダイナローディアの対処法を先程から話し合っているが、これといった案が浮かばないようだ。
 このまま無策で突撃させるわけにもいかないし、今回は銀狼一家の仇でもあるので俺も積極的にアドバイスしようと思う。

「ガーヴはあの必殺技の他に戦い方はあるのか?」
「私は殴るか蹴るしかできん」
「ならガーヴは裏方に徹した方がいい。ダイナローディアへの攻撃はレウスに任せるべきだ」

 効果は薄いが、ガーヴの攻撃で相手を吹っ飛ばしたり攻撃を潰す事は出来るのだ。ガーヴが魔物の気を引いたり吹っ飛ばしたりして隙を作り、レウスが斬る戦法が最適だろう。

「そしてレウスは分厚い腹や首周りじゃなくて、まずは尻尾の先端や腕を狙うんだ。細い箇所なら肉が剣を包む前に斬り飛ばせるだろう」
「なるほど。でもそれだとあいつを倒すのに時間がかかりそうだな」
「お前達だけになると長期戦になるのは仕方がない。ちょっと意地が悪いかもしれないが徐々に痛めつけて、お前達の集落を襲ったのを後悔させてやればいい」
「……良いだろう。私自身の手で止めは刺せそうにないが、それで奴を殺せるならば」
「任せてくれ爺ちゃん! 俺が斬ってやるからな」
「うむ、やってしまうがいい」

 気付けばレウスとガーヴは互いの拳を打ち合わせるくらいに仲良くなっていた。本来ならそこにエミリアも加わっていたのだろうが、残念ながら彼女は俺の背中で眠ったままだ。
 お互いの連携を確認しながら前を歩く二人に聞こえないように、俺は近くにいたリースにこっそりと耳打ちをしておく。

「危険だと感じたらすぐに介入するぞ。リースは壁と遠距離からの援護中心だ。『水刃アクアカッター』は使うんじゃないぞ」
「わかりました。そもそも私の動きでそこまで接近できるか怪しいですし。それよりエミリアですが、本当にこのまま連れて行くんですか?」
「そうだ。たとえ戦えなくても、両親の仇が目の前で倒されるのを見れば、何か変化が起こるかもしれないからな」

 だが、それは好ましくない結果だ。
 エミリアが自分の意思で立ち上がり、両親の仇である魔物と戦ってくれるのが一番なのだ。たとえ魔物に挑んで負けても、我慢しきれず俺が魔物を倒して文句を言われてもいい。そうすればエミリアは過去を乗り越え、大きく成長する筈だから。

「辛いけど頑張るのよエミリア。私は何があっても応援しているからね」

 安らかな寝顔をしているエミリアの頭を、リースは慈しむように撫でていた。



 山の麓に辿り着いた俺達が発見したのは、大きな洞窟だった。
 ダイナローディアが通るには十分な広さに、血の跡と足跡も洞窟内へ続いているのでここに逃げたのは間違いあるまい。
 洞窟の内部には川が流れていて、天井が鍾乳洞のようになっている通路が続いていた。洞窟特有のひんやりした空気を感じ、あの魔物が住んでいるとは思えないくらいに澄んでいて気持ちが良い。途中、広い通路の横に流れる川を眺めていたリースが小声で話しかけてきた。

「近くに川があるせいか、この子達も活発です。ここなら存分に力を発揮できそうです」
「それは心強いな。それにしても、相当長い年月を重ねた洞窟のようだな。地盤もしっかりしているし、多少暴れても崩れる心配はなさそうだ」

 近くの壁を調べたところ、崩落する可能性は感じられないので安心して戦えそうだ。それを聞いて張り切る二人を先頭に、俺達は一塊になって洞窟を進んでいく。

 そして通路の終着点は大きな広間だった。前世の主要都市にあるドームくらいは平然と入る広さで、天井は吹き抜けになって青空が見えていた。太陽の光が広場の中央に降り注いでいて、少し幻想的な光景だな。
 何かの遺跡跡かもしれないが、俺達は別に遺跡マニアではないので調べるつもりはない。現時点でわかっている事は、洞窟はここで行き止まりになっていて、ダイナローディアを完全に追い込んだという事だ。
 そして広場の奥に敷き詰められた石畳の上で、ダイナローディアは俺達に背中を向けて何かを貪っていた。おそらく逃げる途中で狩ったと思われる魔物だろう。肉や骨を砕く生々しい音がここまで響いてくる。

「ついに追い詰めたぜこの野郎!」
「その食べているのが貴様にとって最後の食事だ。今度は……お前が狩られる番だ!」

 二人は気合十分のようで、ゆっくりと広場の中央へと足を踏み入れる。ダイナローディアも俺達に気付き、食事を止めて血だらけの顔をこちらへと向けてきていた。
 腹を見ればレウスが斬りつけた傷は完全に塞がっているようだ。頑丈さは無いが柔らかく衝撃を吸収する肉に、この再生能力の高さ。本当に厄介な相手だと思う。
 臆する事無く前へ進む二人を見送っていると、背負っていたエミリアがゆっくりと動き出した。彼女も目を覚ましたようだし、舞台は整ったようだ。

「あ……シリウス……様?」
「起きたか」
「はい。シリウス様の背中……とても暖かいです……」

 自分を背負っているのが俺だと理解し、エミリアはぼんやりとした表情で俺の頭に頬を擦り寄りながら甘えた声を出している。完全に寝ぼけているようで、前方に見えるダイナローディアにまだ気付いていない。
 そんなのんびりとした空気を醸し出している間に、前線ではすでに戦闘が始まろうとしていた。

「私が正面から引き付ける。行くぞ!」
「任せとけ爺ちゃん!」

 打ち合わせ通りにレウスとガーヴが地を蹴って走り出した瞬間、ダイナローディアは吹き抜けの天井目掛けて咆哮を放った。

「今更そんなのが通じるか!」
「俺の剣で細切れにしてやる!」

 周囲に衝撃波を放つような咆哮は洞窟全体だけでなく、天井を突き抜けて洞窟の外まで響き渡っているだろう。二人は咆哮程度で怯みはしないが……何か違和感を感じた。今の咆哮は集落で放ったのとは違う感じがするのだ。隣に立つホクトも同じ気持ちなのか、耳を何度も動かしながら警戒を露にしている。
 だが一番の問題は、俺の背中で寝ていたエミリアがその咆哮で完全に目を覚ましたことだ。

「あ……ああ……いやぁ……」
「しっかりしろエミリア! 奴から目を逸らすな!」

 エミリアは仇がいると意識した瞬間に震えだし、見たくないとばかりに俺の背中に顔を埋めていた。しかし二度目かつ俺と密着している御蔭もあって先程よりは冷静らしく、俺の声に反応してゆっくりと顔を上げた。

「あいつは両親の仇だろう? お前が何よりも戦わなければならない相手だ。目を逸らさず奴を見るんだ」
「は……はい。お母さんと……お父さんの仇を……取るんです」

 段々と呼吸が荒くなり始めているが、エミリアはゆっくりと俺の首に回していた手を解き始め、背中から降りようとしていた。
 その頃、前線で戦っている二人は打ち合わせ通りに戦っていたが、予想以上の頑丈さに若干苦戦しているようだった。何とか手の指を一本斬ったが、ダイナローディアは全く怯む事無くレウスを食らおうと噛み付いてくる。

「そっちへ行ったぞ!!」
「くそ、これでも怯まないのかよ!」

 二人の攻防によって魔物が吼える度に、エミリアの掻き集めた闘志が吹き飛ばされて再び俺の背中にしがみ付いてしまう。すでに何度も繰り返しているが、エミリアは心を折らずに何度も自分の足で立とうと努力を続けていた。
 だが……。

「爺ちゃん危ない!」
「くっ!? この程度で!」

 途中で休憩は入れたものの、二人は朝から戦い続けている上に、廃墟と化した集落を見たせいもあって精神的にも疲労している。集中力の乱れによりガーヴが食われそうになったが、大きく横へ跳んで避けた。
 ガーヴは無事だったが、やはり二人では厳しいかもしれない。
 しかしその光景を見たエミリアは、過去の精神的外傷トラウマを呼び覚ましてしまった。

「あぁ……お母さん……お父さん……」

 過去の光景がフラッシュバックし、エミリアは今度こそ俺の背中に埋めて顔を上げなくなってしまった。そんなエミリアをリースは必死に励まし続けているが……残念ながら時間切れだ。
 エミリアとリースに悪いと思うが、時間が無いので荒療治に移ろうと思う。

「少し下がる。リースも付いて来てくれ」
「えっ!? わ、わかりました」

 二人が戦っている光景を背にし、俺達は広場から通路へと戻った。
 魔物の姿が完全に見えなくなる場所まできたところで俺はエミリアを背中から強引に降ろし、へたり込んで泣いている彼女と向き合った。隣にいるリースは心配そうに眺めているが、口を出さないように伝えている。
 地面に降ろされたエミリアはすぐに俺に縋り付こうとしたが、俺は彼女の両肩を押さえてそれを止めた。

「嫌ぁ……見捨てないで……」
「エミリア……お前は本当に過去を乗り越えたいのか?」
「の、乗り越えたい……乗り越えたいです! でも……何度頑張っても、何度言い聞かせても……あの魔物が怖いんです!」
「怖い……か。お前はもう、魔物と十分に戦える力を持っているのにか?」
「それでも怖くて、足が……体が……動かないんです! もう、私には無理かも……しれません。お願いしますシリウス様。あの魔物を……お母さんとお父さんの仇をー……」
「エミリアッ!」

 俺は本気でエミリアを怒鳴った。
 初めてぶつけられた怒声にエミリアは怯えていたが、俺は彼女の頬を包み込むように両手を当て、真剣な表情でエミリアに語りかけた。

「それ以上先を言ったら許さんぞ。俺はそんな泣き言を言う弟子を育てた覚えはない」
「あ……う……」
「怖いだろう? 辛いだろう? だが……俺に逃げるのは駄目だ。たとえ俺が倒して仇はとれても、お前が何も出来なければずっと後悔し続けるだろう」

 過去を乗り越えたいのに、恐怖によって一歩が踏み出せないもどかしさはわかる。だが、他人の手によって作られた踏み台に乗って乗り越えるのではなく、自分の足で乗り越えなければいけないのだ。

「どんなに怖くても、自分の足で立って魔物に向き合え。俺はそれが出来るようにお前の体と心を鍛えてきたつもりだ」
「でも……やっぱり……」
「それでも出来ないと言うのなら……」

 俺はエミリアに背中を向け、顔だけ彼女に振り向けながら言い放った。

「俺の弟子を名乗る資格は……無い」
「っ!?」

 路傍の石を見るように、彼女に一切興味を失ったような視線を向けてから、俺はエミリアを置いて歩き去った。



 洞窟の通路を歩きながら思い出す。
 振り返る直前に見たエミリアの表情は絶望に染まっていた。弟子を名乗る資格は無いと言っても、別にエミリアを見捨てるわけじゃなく、ただ弟子と言う肩書きが無くなるだけだ。従者なのは変わらないのだから、傍にいるのは変わらない。
 だがエミリアは従者だけではなく、俺の弟子というのを誇りにしていた。その誇りが魔物への精神的外傷トラウマより強いかどうかが今回の鍵を握っていると思う。あえて突き放したのはその為だ。
 かと言って、このまま立ち上がれず何も出来なければ……弟子と名乗るのを本気で許すつもりはない。どうなるかは……全てエミリア次第だ。

 本当なら隠れて見守りたいところだが……俺にはやる事がある。仕方が無いとは言え、弟子を突き放してしまった結果に溜息を吐きつつ俺は洞窟の外へ向かって歩き続けた。
 外へ向かう途中、何か言いたい事があるのかリースが走って追いかけてきた。横に並んだリースは責めるような視線を俺に向けてくるが、それも仕方ないかもしれない。その場に残っていれば違ったんだろうが、傍から見ればエミリアを見捨てたように見えなくもないからな。

「……エミリアについてなくていいのか?」
「何かあれば、精霊が教えてくれますので大丈夫です。それよりシリウスさん、どうしてエミリアにあのような言い方を?」
「別に従者なのは変わらないから、エミリアが傍にいられなくなるわけじゃないぞ? ただ、弟子という肩書きが消えるだけだ」
「エミリアにとって、その肩書きがどれだけ大切かシリウスさんは知っている筈です。他に方法は無かったんですか?」
「他にあったかもしれないが、時間が無かったんだ。後は……エミリアの心の強さを信じるだけだ」
「……時間?」

 疑問符を浮かべるリースを連れて洞窟の外に出ると、ホクトが俺達を出迎えてくれた。
 レウスとガーヴが戦い始めた頃にはすでにここへ来ていたらしく、俺が間に合わない可能性に備えてくれていたようだ。流石は俺の相棒だな。森の方角に向いて座っているホクトの頭を撫でてやれば、尻尾を振って喜びを表していた。

「……エミリアを見捨てたわけではないので、一応納得しておきます。それより、シリウスさんとホクトはどうして外へ? 早くレウスとガーヴさんの援護をしないと」
「すまないが、俺は援護できそうにない。今、この洞窟に向けて魔物の群れが押し寄せてきているんだ」
「えっ!? どうしてそんなのがここへ?」
「あの魔物……ダイナローディアが戦う前に空へ向かって吼えただろう? あれは威嚇の咆哮じゃなくて、周囲の魔物を呼び寄せる特殊な咆哮だったのさ」

 ダイナローディアが空へ向かって吼えた後、俺は広範囲に亘って『サーチ』を発動していた。すると、周囲に散っていた魔物達が一斉にこちらへ向かっている反応を捉えていた。
 呼び寄せているのか、ただ集めるだけなのかよくわからないが、あの魔物はこんな能力も持っていたわけだ。別名に災害と付くのも納得である。
 つまりエミリア達の集落が襲われた事件は、自然にではなくダイナローディアによって引き起こされたものである。ダイナローディアは集落を襲った魔物の一部かと思っていたが、奴が全ての元凶だったわけだ。

 俺の予想では、あの特殊な咆哮は相手を興奮状態にさせ、無意識に引き寄せてしまう効果があると思っている。戦闘に参加しない俺は違和感レベルで済んだが、魔物の咆哮を受けてレウスとガーヴの攻撃性が明らかに増していたからだ。
 この能力はおそらく魔物を集めて効率良く食事をする為だろう。ガーヴ達が何度訪れても魔物が多かった理由は、このダイナローディアが時折目覚めてから魔物を集め、食い残していたのが原因と思われる。

「すぐに皆へ知らせないと!」
「それは駄目だ。奥で戦っている二人は聞くかどうかわからないし、エミリアが決断するまでまだ時間がかかるだろう。あいつ等の邪魔をさせない為にも、魔物はここで食い止める」
「私も戦います!」
「すまないが、リースはエミリアを頼みたいんだ。彼女が何を選択するかわからないが、傍で見守っていてほしい。それに俺は一人じゃないぞ?」
「オン!」

 前に座っているホクトが立ち上がり、こちらに尻尾を振りながら吼えてきた。そしてリースを安心させるように俺は笑みを向けた。

「見ての通り、頼もしい相棒がいるから安心してくれ。それに俺はお前達の師匠だぞ? 魔物如きにやられたりせんよ」
「でもー……はい。確かに、シリウスさんが魔物にやられるとは思えませんね」
「ああ、この辺りの魔物なら幾ら集まろうが問題ない。それより中で戦っている二人の方が心配だ。エミリアが立ち直ったら、少しでも早く援護に向かってほしい」

 頷いたものの、どこか納得できないリースを背にして俺は着ているロングコートを脱いだ。動きやすい戦闘服になり、脱いだコートは洞窟の前に置いておこうと思ったが、どうせなら……。

「リース、もしエミリアが立ち直ったらこのコートを渡してくれ。武器も仕込んであるし、軽い衝撃くらいなら防いでくれる筈だ」
「……わかりました」

 リースがコートを畳んで胸に抱えたのを見届け、俺は作戦を考えながら準備運動を始めた。魔物達の移動速度からして、数分後には姿が見えるだろう。準備運動を終えてから仕掛けを作ろうとするが、何故かリースはその場から動く様子が見られなかった。

「どうした? いつまでもそこにいるー……」
「シリウスさん……」

 振り向けばリースの顔が目前まで迫っていて、彼女の口が俺の頬に触れた。触れる程度の口付けだったが、リースは頬を真っ赤に染めながらゆっくりと離れた。

「ほ、本に載っている物語では、女神や聖女が口付けで祝福を授けるって見た事があります。私は本物の聖女じゃないけど、シリウスさんを想う気持ちはあるから、きっと祝福がある……と思います。ですから……そのー……」

 自分からしておいて、今にも悶え死にそうなくらいにリースは焦っている。その慌てふためく様子を眺めている内に、俺は自然と笑みが浮かんでいた。

「笑わなくてもいいじゃないですか!」
「悪い悪い。聖女様の祝福……確かに受け取ったぞ。これなら魔物なんか軽く殲滅出来そうだな」
「そ、そこまで効果があるとは思いませんけど、とにかく無理だけはしないでくださいね。シリウスさんに何かあったらエミリアとレウスがどうなるかわかりませんし、私も……嫌ですから」
「それじゃあ弟子達を悲しませない為に安全第一で頑張りますかね」
「はい! ホクトもお願いよ。無理しちゃ……駄目だからね」
「クゥーン……」

 最後にホクトへ抱きついてから、洞窟へと戻るリースを見送った。
 その頃になると森の方が騒がしくなってきたので、精度の高い『サーチ』を発動させて向かってくる魔物を数えてみた。

「……よくもまあ、ここまで集まったものだ。これぞ大盤振る舞いってやつだな」

 脳内レーダーでは魔物は赤く表示されているが、俺より前方は見事に赤一色である。少なく見積もっても、大小合わせて二百くらいはいるだろうな。
 それでも……引くわけにはいかない。

「さてと……さっさと片付けて弟子達の様子を見に行かないとな。準備はいいか?」
「オン!」

 頼もしく吼えるホクトを見やり、俺は脳内のスイッチを戦闘用に切り替えた。
 数は少ないが、空を飛べる魔物の姿はすでに確認出来ている。陸を走る魔物より先に到達するだろうし、まずは空から片付けるとしよう。
 魔力を高めつつ、空に向かって手を伸ばした。

「ここから先は一匹たりとも……通さん」






 ――― エミリア ―――



『俺の弟子を名乗る資格は……無い』

 そう言われ、背中を向けて去っていくシリウス様の姿を……私は呆然と見送る事しか出来ませんでした。
 そして私に向けられたあの視線は、まるでそこら辺に転がっている石ころを見るような目でした。
 興味が無く、期待すらされない惨めな者を見るような目を向けられ、私は魔物に怯えた以上の恐怖を感じます。

 嫌だった……。
 悲しかった……。
 そして何より……シリウス様にあのような視線を向けさせてしまった自分が悔しかった。

 シリウス様はきっと私を奮い立たせようと、あえて突き放してくださったのでしょう。けれど言葉に嘘はありません。私がこのまま何も出来なければ、シリウス様は容赦なく私を見限るでしょう。
 それは……嫌だ。
 ホクトさんのように、言葉を交わさなくても互いに通じ合うようになりたいのに……私は何をやっているの?
 こんな事で躓いていたら、私はいつまで経っても頼りにされない。いつまでも……守られるだけです。
 私はシリウス様に頼られたい。何があろうと傍から離れず、嬉しい事があれば共に喜び、悲しい事があれば支え、危険が迫れば身を呈してお守りする。
 それが全てから救ってくださったシリウス様への恩返し。エリナさんから託され、私が心から願っていること。

 なのに……私は無様にも泣き叫んでシリウス様に縋ってしまい、今は魔物一匹に怯えこんな所で蹲っている。
 情けないのに、こんなにも悔しいのに……お母さんとお父さんを奪ったあの魔物が怖くて仕方がないんです。姿を見る度に、鳴き声を聞く度にお母さんとお父さんが食べられてしまう光景が浮かぶのです。
 何度も……何度も……気持ちを奮い立たせても、体が動いてくれません。

「エミリア……」

 気付けば……膝に顔を埋めている私の前にリースが立っていて、無意識に安心していました。私は見捨てられたわけじゃないって安堵しているのです。
 惨めな気分になっていると、リースは私の肩に手を置いて優しく語り掛けてきました。

「あのね……シリウスさんは洞窟の外に向かったの」

 外に向かったと言われましても、あの御方が逃げ出すとは思いません。きっと何か理由があるのだろうと思っていましたが、リースが次に発した言葉に私は息が止まりそうになりました。

「魔物の群れがこの洞窟に向かってきているからよ。シリウスさんはそれを食い止める為に外へ向かったの」

 魔物の……群れ?
 その瞬間、私の故郷を襲った魔物達の光景が浮かびました。数の暴力に耐え切れず、次々と魔物に食べられていく大人達と……お父さん。
 そんな魔物の群れに……シリウス様が?

「なん……で?」
「あの魔物が吼えると、他の魔物を呼び寄せるらしいの。私達を挟み撃ちにしようとわざとここへ逃げて来たのかもしれないって、シリウスさんが言っていたわ」
「違うわよ! 何でリースはここにいるの!? 何で一緒に戦わなかったの?」
「私も残りたかったわ! だけど……貴方をお願いって頼まれたの」
「あ……」

 感情の赴くまま顔を上げると、リースが真剣な表情で私を見ていました。
 そう……よね。戦うのは嫌いだけど、リースが何も言わずここへ来るとは思えません。

「ごめん……ね。私のせいで……」
「たとえエミリアを頼まれなくても、きっと私は離れるように言われたわ。心配だけど、シリウスさんは殲滅するとか言って凄く自信を持っていたし、ホクトもいるからきっと無事に帰ってくるわよ」
「あの御方らしいです」
「ふふ……私達の師匠だもの。ねえエミリア、本当にこのままでいいの?」
「……くない」

 シリウス様も戦っているのに、私がこんな事でどうするの?
 魔物は怖い。
 怖いけど……。

「シリウス様に……嫌われたく……ない……」

 このままだと、あの去り際に見せた目が……本気で向けられてしまう。
 それの方が……怖い。
 魔物なんかより……ずっと……ずっと……。

「ねえ、リース」
「何?」
「私を……叩いて」
「……本気でいくよ」
「お願い」

 リースは遠慮なく私の頬を叩きました。暴力は苦手なのに、本気で放たれたビンタにリースの優しさを感じます。

「ちょっと強かったかも……」
「平気よ。今ので目が覚めたから」

 こんな痛み、今まで情けなかった自分には当然です。手加減しなかったリースに感謝しつつ、私は大きく息を吐いて体に力を込めました。
 大丈夫……今度こそ私は立ち上がれる。
 そうだ、シリウス様に向けられたあの目に比べたらー……。

「魔物なんか、全然怖くないんですから!」

 体が動かなかったのは心が恐怖に屈していたからです。その恐怖を抑え込む事により、私は立ち上がる事ができました。
 すぐに魔力の循環を確認し、拳を何度も握り締めて体の動きも確かめてみますが、問題なく動けそうです。
 これなら、戦えます!

「お待たせリース。すぐに向かいましょう」
「どっちに?」
「勿論、レウスとお爺ちゃんが戦っているダイナローディアによ!」
「うん、行こう! あ……その前にこれを着るといいわ」

 リースが渡してくれたのは、シリウス様が着ているロングコートでした。
 これをリースが預かっているという事は、それだけシリウス様は本気で戦うわけですね。
 私も……負けていられません。

「着てもいいって許可は貰っているよ。私より、今のエミリアが着るべきだと思うんだ」
「ありがとう、リース」

 少し大きいですが早速コートに袖を通し、ベルトを止めてしっかりと固定しました。
 シリウス様が考案してガルガン商会に特注で作ってもらった分、軽くてほとんど動きを束縛しません。各ポケットにはシリウス様が用意している使い捨ての魔石や投げナイフもセットされているので、武器も完備です。
 そして何より、シリウス様の匂いが感じられます。気のせいだとわかっているのですが、シリウス様が傍で見守ってくれるような……そんな安らぎを感じられました。

「行きましょう。魔物を倒して、シリウス様に認めてもらうのです!」
「うん、行こう!」

 リースと一緒に洞窟の奥へ向かって走り出す前に、私は一度だけ入口の方へ振り返りました。

 ここからでは戦っている姿は見えませんが、シリウス様なら魔物の群れだろうと問題なく倒してしまいそうです。更に今回はホクトさんも一緒ですし、例えエリュシオンのような一国を相手にしても傷一つ負う事もなく勝ってしまいそうな気がします。
 だから……大丈夫。
 あの御方はきっと、私達の前へ何食わぬ顔で帰ってくるでしょう。

「エミリア、貴方が寝ている間に話し合っていた魔物の情報なんだけど……」
「ええ、説明してくれる? 戦術を練るわ」

 シリウス様……どうかご無事で。
 私は必ず魔物を倒して過去を乗り越え、貴方の隣に並んでみせますから。


 次回はシリウス視点から始まります。

 最後のエミリアが立ち直るシーンは、次に回すかどうか本気で悩みました。
 しかし次の投稿まで間がありますし、書いたのなら……載せちまうかと決めました。
 これが書籍や、次の更新が早ければ後に載せたかもしれません。

 次の更新も六日後です。





おまけその一


 もしステータスウインドウがあれば……

「シリウスさん……」

※シリウスは聖女リースの祝福を得た。
 やる気が十上がった。
 力が二十パーセント上がった……気がする。
 素早さが二十パーセント上がった……かもしれない。
 運の良さが十パーセント上がった……と思う。

 スキル『大食い』を一時的に得ました。


 『大食い』のスキルを破棄しました。


「いらないの!?」
「いらねえよ!」




おまけその二

 ホクトの気持ち


 現在……ホクトは喜びに満ち溢れていた。
 たとえ無数の魔物達が彼の前にやってくると判明してもだ。

 主人の感知では軽く百を超す群れだと聞く。
 並大抵の者ならば怖じ気づいて逃げ出すだろうが、彼の後輩達が洞窟内で戦っているので、主人は洞窟入口を防衛する為に正面から迎え撃とうとしている。
 そして主人が戦うと言うのならば、彼は共に戦う以外の選択肢は存在しない。

 洞窟内では今頃、彼の後輩達が戦い続けているだろう。
 その後輩達が戦いに専念する為に、この入口は死守すると主人は言い、準備体操しながら魔物が来るのを待っている。
 彼にとっても可愛い後輩の為なので、自然と力が漲ってくるのがわかる。

 だが……それ以上に彼は主人と共に戦えるのが嬉しかった。

 前世では普通の犬だったので、主人の力になれずにもどかしい思いを何度もしてきたのだ。
 そして生まれ変わり、主人と再会してから何度も魔物や盗賊と戦ってきたが、主人や後輩達があっさり片付けてしまい、自分の手があまり必要ない場面が多かった。
 しかし今は違う。
 明確に自分の力が必要であり、なにより大好きな主人に頼られるのが嬉しくて仕方がない。
 洞窟を守るのが無ければ、自分一体だけで全て片付けても良いくらいに彼は滾っていた。


「さてと……さっさと片付けて弟子達の様子を見に行かないとな。準備はいいか?」
「オン!」


 お任せを……と、彼は高らかに吼えた後、主人の号令を今か今かと待つ。

 主人の敵である魔物を殲滅させる為に力を爆発させる瞬間を、ホクトは喜びを胸に待ち続けるのだった。
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