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ワールド・ティーチャー -異世界式教育エージェント- 作者:ネコ光一

四章 学校を目指して

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トラブルはただのイベント

「お前ら、動くなよ!」

 エミリアの首を片手で抑え、空いた手にナイフを持っているのは、先ほどまで武器の手入れをしていた護衛の冒険者だ。

「くそ……このタイミングで人質とは、こいつらグルすか?」
「そういうこった。おら、さっさと武器を捨てな」
「子供を人質とは、男の風上にもおけねえっすね」
「うるせえな、勝てばいいんだろうが。早く捨てねえとこのお嬢ちゃんがどうなっても知らないぜ?」

 ザックが悔しそうに腰の剣を捨てたので、俺もそれに倣うことにした。武器を外しつつ様子を見れば、エミリアは不快そうに顔を歪めているだけで、首を絞められているわけじゃなさそうだ。手には水の入った袋とコップを持っているので、俺に水を渡そうとしたところを狙われたようだな。

「捨てたぞ。早くその子を放せっす!」
「まだだ、外にいる餓鬼にも捨てろと言いやがれ」

 いつものレウスなら問答無用で馬車に突撃してくるだろうが、待機しろと『コール』しておいたので外の警戒を続けたままだ。反応があった連中が来るまで少し時間があるし、とりあえず情報収集するかね。

「あのぉ……お兄さん達は冒険者なんですよね?」
「何だ、見てわからねえのか?」
「だって冒険者は強い人達なのに、武器を持った子供を恐れているから違うのかなと思って」
「この餓鬼が……おい、後ろ見張ってろ。外の奴は放っておけ」

 手の空いている男に己の背後を守らせ、俺達を見ている奴は一人だけになった。うん、面白いくらい早く騙されているな。とにかくレウスの武装解除は阻止できたな。

「お前らの目的は何すか? 金なら荷物全部くれてやってもいいから、子供達は見逃せっす」

 おお、ザックさん男気ありますね。商人なのに荷物より俺達を優先してくれるなんて、嬉しいこと言ってくれますな。

「へ、全部奪っちまえば関係ないんだよ。この餓鬼共も身形が良いからな、奴隷として高く売れそうだぜ」

 奴隷の言葉にエミリアは顔を青くしていた。昔のトラウマが蘇ったのだろうか、体が震えて危険な兆候を見せている。
 いっそ撃ち抜くか? いや、荒療治だが克服させてみるか。

「エミリア、よく聞け」
「……は……い」
「さっきからうるせえ餓鬼だな。黙ってろ!」
「お前は強くなったんだ。訓練の日々を思い出せ」

 男は喚き散らしているが、俺はスルーしてエミリアに問い続ける。思い出せと言われてエミリアは目を閉じ、数秒後にゆっくりと目を開けたその目には怯えの色が消えていた。

「思い出したな? 今のお前ならそんな男なんか楽勝だ。遠慮なくやってしまえ!」
「はいっ!」

 突如大きな声を上げた人質に男が動揺した瞬間、エミリアは腕の拘束をすり抜け、ナイフを持った手を取り合気の要領で転ばした。そこで離れればいいのだが、彼女はそれだけで終らなかった。

「私に触れていいのはシリウス様だけ……ですっ!」

 そのまま背負い投げの要領で男を投げ飛ばしたのだ。後ろに控えていた男を巻き込みつつ、冒険者二人は馬車の外へと飛んでいった。

「はあっ!? 男が飛んで……えっ?」

 開いた口が塞がらないザックは置いて、俺はエミリアに近づいて頭を撫でた。彼女は荒い呼吸をしていたが、撫でている内に落ち着きを見せ、俺に笑みを見せてくれた。

「シリウス様……私、やりました」
「ああ、よくやったな。お前はもう、ただ奴隷になるのを待つ弱い子じゃない。それを今証明したんだ」
「シリウス様の御蔭です」
「違う、お前の努力だ。さ、まだ敵は残っているぞ」
「はい!」

 エミリアは背後に控え、俺は装備を回収しつつザックの肩を叩いた。

「ザックさん、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。旦那、この子は一体?」
「説明は後です。すぐに馬車を出て戦う準備を。もうすぐ敵が現れます」
「いや、敵は数人と言ったじゃないっすか。戦うより逃げた方が……」
「荷物が多いこの馬車では逃げ切れません。なのでさっさと外に出て迎撃してしまいましょう」
「オイラは自慢じゃないけど、あまり剣の腕は良くないっすよ。相手にも因りますが二人同時とか無理っす」
「問題ありません。自分の身を守っていれば、後はレウスとエミリアが片付けてくれますから」

 エミリアに視線を向けると、任せてと言わんばかりにやる気ある顔をしていた。ふむ、いつもの調子に戻ったようだな。

「とにかく外へ出ましょう。ここにいても敵が見えませんし、なにより商品が傷ついちゃうでしょう?」
「うーん……そうっすね」

 釈然としない様子だが、俺達が外へ向かうのでザックも続いた。


「兄貴、姉ちゃん、無事だったか!」

 馬車から出てすぐ、忠犬ハー……じゃなかった、レウスが走り寄ってきたので頭をポンポンと叩きつつ宥める。投げられた冒険者達を見れば、体をしこたま打ったのかよろめきながら立ち上がるところだった。

「兄貴、あいつら何だ? 敵か?」
「敵だ。エミリアやお前を奴隷として売ろうとした馬鹿野郎だ。今から来る奴ら共々、遠慮なくやっつけてしまいなさい」
「何だとっ! ボコボコにしてやる!」

 変身の名残か通常時でも出せる唸り声を上げつつ、怒り心頭で冒険者共を睨んでいた。睨まれた奴らも負けじと怒り狂っているが。

「く、そが……何だあの餓鬼は?」
「よくわからんが強いぞ。あいつらはまだか?」

 子供だが警戒されたらしく、向かってくる事を止めて援軍を待つ選択をしたようだ。その辺りの状況判断は流石冒険者といったところか。

「どうするんだ旦那? 他の奴が来る前に叩いた方が良くないっすか?」
「もう遅いですね。とりあえず仕切り直しと行きましょう」

 もはや『サーチ』をしなくても気配でわかる。街道の前後を塞ぐように、ガラの悪そうな男たちがぞろぞろと集まってきた。冒険者達はリーダー格の男の傍へ近づき、状況を報告している。

「おいおい、どうなってんだ? お前らが武器を奪ってる手筈じゃなかったか?」
「うるせえ、あいつら予想以上に強いんだよ。子供だからって油断するとやられるぜ」
「自分のミスを餓鬼のせいにするとは情けねえ。おい、お前ちょっと行って来い」
「あいよ」

 リーダー格が仲間に命令すると、一人の男がこちらへと暢気に歩いてきた。男はレウスの前で立ち止まり、こちらを睨みつけて凄んでくる。なんつーか、非常にわかりやすいチンピラだ。

「おい餓鬼共。さっさと武器を捨てな。じゃないと痛い思いをするぜ」
「なあ、あんたら盗賊なのか?」
「そうだよ、盗賊さ。お前達を高く売り飛ばす、ありがたーい盗賊様だ」
「そっか。じゃあ遠慮無しな」
「あっ? なにヘブッ!?」

 レウスの拳が相手の顔面にめり込み、盗賊は状況を理解する間もなくぶっ飛ばされた。男は地面を抉りつつ転がり続け、リーダー格の足元に転がった頃には鼻血を垂れ流して気絶していた。

「レウスはそのまま突撃、エミリアは馬車前方の奴らを相手しろ」

 敵の数はさっき殴られた男を除き十人だ。馬車後方に六人、前方に三人だ。残りは……。

「シリウス様、上の相手は?」

 そして左前方の樹に潜んでいる奴が一人だ。恐らく弓による遠距離攻撃だろうが、一人しか用意していない時点で駄目だな。俺は足元にあった自分の手ほどの石を拾った。

「俺が落としておく。さて、準備はいいか?」

 レウスは静かに重心を落として構え、エミリアはナイフを抜いて集中力を高めていく。そして俺は樹にいる奴に目掛け、全力で石を投げつつ口火を切る。

戦闘開始オープン・コンバット!」
「「はいっ!」」

 樹に潜んでいた男が地面に落ちると同時に、レウスは地を蹴って走り出した。

 レウスはエミリアと違い、ほぼ毎日俺やライオルと戦ってボコボコにされている。普通なら心が折れそうだが、ライオルと似て強い相手と戦うのが好きなので嬉々として挑み続けてくる。
 実戦戦闘を繰り返し、加えて天然でもある彼に奴隷のトラウマなぞ皆無である。人を斬るのは初めてだが、姉や俺を狙う明確な敵に容赦は無い。

 地面を抉る勢いでダッシュし、前衛の二人の腕をあっさり斬り飛ばし、勢いそのままリーダー格の懐に飛び込んでいた。

「こ、こいつ!?」
「うらああぁぁぁっ!」

 リーダー格は驚愕しながらも反応し持っていた大剣を振り下ろすと、レウスも合わせて斬り上げた。キンと甲高い音を立てて両者の剣は真ん中から折れ、レウスは舌打ちしつつその場から離れた。

「ちくしょう、俺もまだまだか」

 そうだな、たとえ相手が分厚い刀身の大剣でこちらが安くて薄い鉄剣でも、ライオルなら相手の武器のみ斬り捨てていた。相打ちでも十分なレベルだが、レウスの理想は高く大きいので本気で悔しがっている。

「だから言っただろうが。おい、俺達が奴を抑えるから、お前はあの黒髪の子供を狙え!」
「あの子供がこいつのリーダー格だ。人質にすればこいつも止まるはずだ」
「兄貴に手を出すんじゃねえ!」

 冒険者二人は連携を組んでレウスの攻撃を捌き続ける。ある程度格闘術は教えてあるが、ついでに教えたレベルなので決定打に欠け、レウスは二人に足止めを食らっていた。
 予備の剣を取り出し迫ってくるリーダー格だが、ザックが俺を庇うように立ち塞がり剣を構えた。

「子供ばかり頼るわけにはいかねえっす。この子はやらせねえぞ!」
「どけ、商人風情が!」

 心意気は素晴らしいが、俺の分析だとザックの方が実力が劣っていると思う。ザックは良い奴だし、怪我させたくないし……仕方ない。

「商人だからって戦えないと思ったら大間違いっす!」
「本業に勝てるとおぶっ!?」

 リーダー格は突如背中から倒れ、後頭部を強打し動かなくなった。剣を振り上げたまま固まるザックには悪いが、さっさと終らせていただきました。何てことはない『ストリング』を相手の足に引っ掛け、思いっきり引っ張っただけですよ。

「どらっしゃーっ!」

 その頃にはレウスのアッパーが冒険者の顎を捉えていた。地面から浮くほどの一撃は相手の意識を確実に刈り取り、もう一人もすでに地面マットへと沈んで動いていない。ゴングがあれば盛大に鳴っていたであろう。

「兄貴すまねえ! 一人抑えられなかった」
「気にするな。ほとんどお前一人で倒したから成果としては十分だ」
「うん。はぁ……もっと良い剣ないかなぁ」

 惜しむらくはレウスの実力に合った剣が無い事だな。盗賊が持っていた剣を拾い何度か振って首を振るが、仕方なさそうに鞘へ収めた。エリュシオンに着いたら、レウスの剣を探してやらなきゃな。

「いやはや、レウスは凄いっすね。この年でこれほどの強さを持つ人なんて見たことないっす」
「俺なんかまだまださ。兄貴の方がもっと凄いし」
「は、はあ……旦那の方がねぇ。っと、エミリアちゃんは!?」
「そろそろ終るんじゃないかな、ほら、噂をすれば」

 馬車の前方に視線を向けると、エミリアが華麗に舞っていた。

 彼女はレウスと違い一撃が弱い。魔法を使えばあるいはだが、対人戦で使えば強力過ぎるので控え気味だ。何せ風の刃を下手に放てば、一瞬にしてバラバラ殺人事件の出来上がりだし、なるべく殺すなと言っているので今回は使えない。それでも彼女は鍛え抜かれた反射神経とスピードで、三人相手でも翻弄し、隙あればナイフで急所を切り裂いていく。
 加えて自身に追い風を吹かす魔法を使い、速度を更にアップさせている。エミリアの銀髪が輝く軌跡を描く度に、傷を増やす盗賊三人はすでに涙目である。

「な、何だよこいつは?」
「見えてるのに、掠りもしねえ! どうなって――ぐっ!」
「うああっ! 来るな来るな!」

 深い傷は無いが浅い傷を無数に付けられ、彼等の戦意はほぼ失われていた。頃合を見てエミリアは立ち止まり、ナイフを向けつつ言い放つ。

「次は喉を突きます。ですが、武器を捨てて降伏するなら止めてあげます。如何でしょうか?」

 うーん、散々傷つけた後であのスマイル……可愛いけど怖いね。おまけに子供だから逆に恐ろしさが増しているのか、盗賊三人は大人しく武器を捨てて降伏した。

「シリウス様ー、終わりました」
「ご苦労さん。そいつらは手を縛って一箇所に集めようか」
「わかりました。ザックさん、縛る物ありませんか?」
「あ、ああ。確か馬車にあったすよ」
「俺も手伝う!」

 三人が盗賊達を縛り上げていると、残っていた一人が姿を現した。忘れてたわけじゃないが、こいつだけはいつまで経っても出てこないので放置してたが、何故このタイミングで出現したのか?

「我は請う、我が炎の魔力を贄に大いなる火の化身を具現化させん……」
「詠唱っ!? まずい、あいつ魔法士っすよ!」
「兄貴っ!」
「シリウス様!」

 魔法士……一定の魔法を使える者を指し、一般的に中級が使えればそう呼ばれる。
 盗賊が魔法士とは思わずこちらから距離を取っていた為、俺を除いた三人の対処は遅れた。そうか、潜んでいたのは俺が孤立するのを待っていたんだな。

「――炎の槍が怨敵を貫かん……『火槍ファイアランス!』」

 男が魔法名を唱えると、俺の身長はあろう大きな炎の槍が出現した。ふむ、従者以外の魔法使いなんて初めて見たが、あれが初級から二つ上の『火槍フレイムランス』か。魔法士の男は感心している俺を睨みつけ、口元を歪ませながら火槍を放った。

「くたばりやがれっ! 化物の親玉がぁ!」

 おいおい、あいつらは己の努力で強くなった可愛い弟子達だと言うのに、化物とは酷いな。

「『インパクト』」

 ザックの目もある為、銃魔法ではなく普通の魔法で済ますことにした。俺が放った『インパクト』は小さく、見た目ではとても火槍に対抗できるものではない。だが魔力の玉が炎に呑まれた瞬間、炎が爆発するように霧散し火槍は消滅した。

「なっ……俺の魔法が!?」
「魔力の収束が甘いな。その程度では今のようにちょっとした魔法で相殺されるぞ? まあ……次があればの話だが」

 にやにやと笑う俺に後ずさる魔法士の男だが、逃すわけにはいかん。お前は弟子を貶した前科があるし、ちょっと教育的指導してやらないとな。
 指導内容を考えながら歩いていると、俺の横を飛び出す二つの影があった。

「よくもシリウス様を……」
「よくも兄貴を……」

 怒り心頭に発した姉弟は全力で男に走り、挟み込むように二手に分かれ。

「「やったなっ!」」

 エミリアは腹部を、レウスは顔面と左右それぞれから殴り飛ばした。姉弟だけあってタイミングはバッチリで、男は顔面から血やら吐瀉物を撒き散らしながら崩れ落ちる。左右から殴られて一歩も動かず倒れてる点から、二人の技術の高さを物語っている。というかかなり鈍い音だったけど、こいつ死んでねえよな?

「姉ちゃん、こいつまだ生きてるよ? やっちゃう?」
「生きていたのを後悔させてあげましょう。レウス、あれをやるわよ」

 待て待て! あれって何だあれって!
 じゃなくて、あいつ等の目は本気だ。男は完全に気絶しているのにレウスは首根っこ掴んで揺らしているし、エミリアはナイフを持って冷たい目をしている。やばい、本当にヤるぞあれは。

「エミリア、レウス。ハウス!」
「「はいっ!」」

 俺の前までやってきた二人の頭を撫でて一旦落ち着かせる。あいつらには聞きたい事があるし、すでにやり過ぎ感はあるが全員戦闘不能だしこの辺で十分だろ。

「……何と言いますか、もう言葉もねえっすね」

 呆然としているザックへの説明は後にして、まずは弟子達だな。

「良くやったなお前達。色々想定外はあったが、臨機応変に対応出来ていたぞ。辛い訓練を乗り越えた証拠だな」
「本当ですか!」
「やった!」
「ただなぁ、俺が攻撃された時だが、お前達は過剰に反応し過ぎだ。あれでは冷静な思考が出来ないぞ」

 今回は二人で、しかも俺が魔法を相殺したせいで動揺してたからいいが、もし一人で冷静な相手だったら近寄る前に魔法の餌食になってたかもしれない。

「シリウス様が狙われたんです。冷静になんかなれません!」
「兄貴を狙う奴は敵だ! 俺が全部倒すんだ」
「お前ら……気持ちは嬉しいが考える順番を変えるんだ。相手をどうこうしたいなら、まずは冷静に無力化させるのを最優先にしろ。その後は怒りをぶつけたり何だって出来るだろう?」
「わかりました。無力化させて、生きている事を後悔させればいいんですね」
「後でじっくりってやつだな!」
「……この子達、過激過ぎないっすか?」

 ザックの言葉が否定できない。でもこちらは理由無く狙われたんだから、俺達もやり返すのが当然だ。たとえボコボコでも死んでなきゃ大丈夫さ。


 その後、奴らを一箇所に集め尋問する事にした。なにせ盗賊と冒険者が手を組んでいたのだ。護衛として派遣した冒険者ギルドの責任問題もあるし、盗賊の規模も吐いてもらわねばなるまい。
 やばそうな奴は最低限の治療を施し、ザックはアルメストの町に伝令の鳥を飛ばした後にリーダー格の男を尋問していた。

「おい、お前等は最近この辺りを狙ってる盗賊っすか?」
「だとしたら何だってんだよ?」
「規模とかアジトを全部吐いてもらうっすよ。あんたらの御蔭でこっちは商売が滞って仕方ねえんすよ」
「知らねえな」
「これでもっすか?」

 ザックは剣を喉元に当ててリーダー格を脅すが、男は笑いながらザックを見上げるだけだった。

「ははは! やるならやれよ。俺が死んだら何もわからねえまんまだ。たかが商人が慣れない事をするもんじゃねえぜ」
「くっ……」

 どうやら図星らしく、ザックは剣を仕舞い悔しげにしていた。だがすぐに立ち直り、今度は冒険者達へ話しかけた。

「お前ら恥ずかしくないんすか? 盗賊と手を組んだ上に子供を人質にする。勇敢とか言われる冒険者が聞いて呆れるっすよ」
「子供なんかに助けられる商人に言われたくねえ」
「縛られて転がってる奴にこそ言われたくないっすよ。お前ら、ギルドを敵に回してまで盗賊と組んで何がやりたいんすか?」
「うるせえ! 冒険者崩れがやってる商会が偉そうに指図すんな!」
「何だと! 兄貴を馬鹿にしやがって!」
「ストップ、ストーップ」

 もはやただの喧嘩になっているので、強引に割り込んで止めさせる。
 冒険者から離れ、冷静になったザックは恥ずかしげに頭を掻いていた。

「申し訳ないっす旦那。兄貴を馬鹿にされて我慢できなかったっすよ」
「その気持ち、俺も良くわかるぜ」
「商人なんですからもう少し冷静に対処しましょうよ。しかし、何もわからないままだな」
「不甲斐ないっす。実は最近の盗賊は商人ばかり狙っているんすよ」
「そりゃあ商人の方が金を持っているからじゃないのか?」
「にしては旅人の被害が皆無なんす。護衛の付いた馬車でも平然と狙ってきますから、何か裏があると兄貴は睨んでいるんすよ。こいつらが証拠になればいいんすけど……」

 だけど尋問が下手で、何も情報が得られず立ち往生ってわけだ。
 正直俺達はエリュシオンへ行ければいいわけで、こいつらの事情に関わる必要は無い。だが、関係ない俺達を巻き込んだ上に奴隷として売るとかほざいたのだ。こいつ等への嫌がらせも含め、少しだけ協力してやろうかね。

「ザック。俺があいつらを尋問してもいいかい?」
「え? 別にいいっすけど……」
「ありがとう。悪いけど、馬車の商品を少し使うよ」

 馬車から染物として使われる赤い塗料を取り出し、俺は盗賊のリーダー格の前に立った。

「亜人なんかを引き連れた餓鬼が何の用だ?」

 何か腹立つ事を言っているが無視し、リーダー格の腕を持って塗料で円を描き日本語でアンポンタンと書いた。俺からすればただの悪口だが、日本語が理解出来ないこいつらからすれば得体の知れない模様であろう。

「よし、出来たっと」
「暢気に落書きなんかしやがって、絶対に後悔させてやるからな」
「後悔するのはそっちだよ。それにこれは落書きじゃなくて……呪いさ」
「はぁ? 何を言ってんだお前は」

 不快そうに顔を歪めるリーダー格だが、模様を描いた腕を思いっきり抓ってやった。不思議な顔をしているリーダー格だが、徐々に力を込めて千切れんばかりに抓られている内に顔が青褪めていく。

「な、何だこりゃ? どうなってんだ?」

 続いてナイフを取り出し、抓った部分の表面を軽く斬った。当然血が流れるが、軽傷だと言うのに男はガクガクと震え始めていた。

「おい、お前どうしたんだよ。そんな傷で怯えるか普通?」
「違う! 痛くないんだよ! こんなに抓られて、血が出ているのに全く痛くないんだ!」

 最後にナイフを深めに差し込んだ。大量の血が吹きだし、男は脂汗を浮かべつつ叫びだした。

「な、なんだよこれは!? なあお前等、俺の腕って本当に付いているか? 痛みも感覚も全くねえぞ!」
「だから言ったでしょ、呪いだって」

 とりあえず止血だけ済ませ、俺は笑いながらリーダー格の目を覗き込んだ。男の目に映るのは困惑と……若干の恐怖。ありえない事態に、さぞ俺の笑みが不気味に見えるだろうな。

「俺は趣味で呪いを研究しているんだ。で、つい先日完成したのがこれで、模様を描いて魔力を流すと……痛みどころか触られた感覚さえ無くなるんだ」
「な、何を言ってんだお前?」
「だけどね、嘘をついたり俺の質問に答えないと呪いは強くなっていき、最終的には全身に広がっちゃうんだよね」
「へ、へへ……痛みがないなら拷問も意味ねえってわけだな」
「わからないのかなぁ? 感覚が無くなるって事は何を食べても味はしなくなり、女を抱いても全く感じなくなるって事だよ?」

 その言葉にリーダー格の強がりは消えた。一瞬でも想像してしまったのだろう、体の震えが更に激しくなっていた。

「だ、旦那! それはやり過ぎじゃあ……」

 おっと、余計な人まで怖がらせてしまったようだ。でもすぐにエミリアが耳打ちしているので説明が省けた。
 実はこれは再生活性の応用で、魔力で過度な刺激を与えることにより痛覚を一時的に麻痺させているだけなのだ。言うなれば麻酔をかけたようなもので、半日もあれば元に戻る。
 脅すにも剣を使ったり殴る以外の方法もあるってわけで、麻酔を知らないこいつらからすれば今の状況は恐怖以外何でもないだろう。

「全身に広がっちゃったらもう解除不可能なんだよね。さて、そろそろ質問してもいいかな?」
「な、何でも話しますよ、坊ちゃん」

 ふっ、ちょろいな。
 まあ人間の最も強い欲求の二つを抑えられれば従順にもなるわな。

 ぺらぺらとどうでもいい情報も含め、リーダー格は淀みなく秘密を話してくれる。
 ついでに冒険者達にも同じ処置を施し、こいつらが盗賊と手を組んだ理由も知ることが出来た。

「やはりあいつらっすか。くそ、碌でもない連中だとは思っていたっすが、ここまでやるっすか!」

 どうやら盗賊が商人を襲っていたのは、ガルガン商会の発展を妬む他商会の指示によるらしい。急速に発展するガルガン商会を潰す為、輸送の情報を盗賊に流し流通を潰す。念の為に関係ない商会も襲わせ、誰が糸を引いているか特定されないよう偽装工作もしていたようだ。
 冒険者の二人はちゃんとしたギルド所属らしいが、最近上手くいかず金が満足に得られなかったらしい。そこに件の商会が話を持ちかけ、大金と引き換えに盗賊と協力関係を取る事になったそうだ。馬車で手入れしていた武器も支給された物らしく、見栄えの良い武器を持っていれば信用されやすいと睨んでのことだ。あいつら片手剣しか使ってないのに、新品で慣れない武器を持っていたのはそういう訳だ。

「な、なあ……もういいだろ? 話すことは全部話したからよ、この呪い解いてくれよ!」
「うーん、解いてあげるけど、その前に……」

 盗賊達の注目を集め、落ちていた手の平サイズの石を拾い『ブースト』で強化した握力で握り砕いた。それはもう念入りに砕き、ほとんど砂になった石を見せつけ俺は笑顔を向けた。

「今度、俺の弟子を化物呼ばわりしたり侮辱したら、君達の頭がこうなるからね? わかったかな?」

 盗賊達は千切れんばかりの勢いで首を縦に振っていた。化物ってのは次元が違う相手にかける言葉で、自分よりちょっと強いからって苦し紛れに吐く言葉じゃねえよ。
 盗賊達の要望を聞き、模様を布で拭き取って魔力を流すと光が溢れ呪いが解ける……演出をした。実際は『ライト』を発動させて光らせているだけだが、呪いが解けた様子に男達の顔に安堵の色が浮かぶ。

「あ、ちなみに副作用がありましてその感覚は半日くらい消えませんから。あと、呪いは完全には消えないので、俺に対して変なちょっかいかけないでくださいね。思わず呪いが再発動しちゃうかもしれません」

 再び青くなったが、つまり俺に関わらなきゃ問題ないって事だよ。どちらにしろこいつらは牢屋に入って裁き待ちだろうが、少しは懲りただろう。


 その後盗賊を引き取りにくる町の警備隊を待つ間、俺はザックから何度も謝罪を受けていた。

「本当に申しわけないっす。安全な旅を保障すると言っておきながらこの体たらく、何を言われても文句ないっす」
「いえいえ、俺達も荷物も無事ですし、こちらは一切気にしていませんよ」
「敬語も必要ありません。失礼ながら兄貴から聞いたときは半信半疑でしたが、貴方達の実力を直に見て感服しました。これからは本当の意味で旦那と呼ばせてください」

 本当の旦那って何だ? とりあえず心から認められたという事にしておこう。
 ザックは散々謝ってくるが、俺達にとっては大した問題じゃないし、むしろエミリアのトラウマ克服に役立ってくれるただのイベントに過ぎなかった。

「しかしどうしましょうか。このまま進むとしてもすぐに日が暮れそうですし、こいつらを引き取る警備隊と一緒に町に帰りますかね?」
「いや、帰る必要はないんじゃないか?」
「ですがオイラはともかく、旦那達は野宿が少ない方がいいでしょう?」
「問題ない、むしろ野宿は得意だぞ。それに商品を届ける以上、予定通りに着いた方がいいだろう?」
「私達は気にしませんから、シリウス様の言うとおり先に進みましょう」
「旦那……すまねえっす。今日は距離が稼げなかったすけど、冒険者二人分の荷物が減った分、馬車の速度も上がる筈っす」
「それじゃあ先に進むと言う事で」

 行動方針を決め、立ち上がると同時に馬車の上で見張りをしていたレウスが騒いだ。

「兄貴ーっ! あっちから人の匂いがするよーっ!」

 どうやら警備隊が到着したらしい。
 町から結構離れているのに、こんな場所まで六人も派遣してくれるとは、ガルガン商会もそれなりに信頼ある組織ってわけだな。

 ザックが事情説明し、盗賊達が警備隊に搬送される頃には一時間も経っていた。
 俺達は方針通りエリュシオンを目指し馬車を走らせる。少しだけ速度は上がっていたが、すぐに夕方になったので俺達は野営の準備に入っていた。

「オイラは外で見張りと火の番をしますから、旦那達は馬車で寝てくださいっす」
「見張りは全員で交代しながらやるべきだろう?」
「シリウス様はされなくても大丈夫です。私達にお任せください」
「却下だ。想定外を除き、全員平等にな。これも経験だよ」
「そう仰られるなら。でもシリウス様は短めですよ」
「旦那って本当に子供っすか? オイラの方が子供みたいっす」
「兄貴に理屈は通じねえぜ!」

 一悶着あったが見張りの順番も決まり、続いて食事の支度である。
 野営時の食事は普通、保存のきく硬いパンと干し肉をメインに塩とかで味付けしたスープが主流だ。保存食があまり発展していないのでそんな物である。
 だがここは砂漠や氷に覆われた場所じゃなく、森が見える街道だ。探せば幾らでも食料は見つかる。

「というわけで、エミリアは採取、レウスは適当に一匹狩ってこい」
「わかりました。ハーブとか探してみますね」
「わかったぜ兄貴。中くらいのでいいんだな」

 二人に指示を飛ばしつつ少し大きめの鍋を取り出し、手製の魔法陣で火を点けてお湯を沸かす俺を見て、ザックはパンと干し肉を持ったまま立ち尽くしていた。

「あの……旦那達の分も用意したんすけど……必要なさそうっすね」
「悪いね、こちらで用意すると言っておけばよかったな」
「滅相もないっす。じゃあオイラはこれを食べて先に休んでおきますよ」

 不味そうにパンを齧りながら、寝袋を取り出すザックの行動を止めた。

「ちょっと待った、どうせなら暖かいの食べたいでしょ? 別にそれを食べなくてもザックの分も作るから待っててほしい」
「命と商品を救ってもらって、更に食事の世話までしてもらったら、オイラどう恩を返せばいいんすかね?」
「盗賊のは成り行きでそうなっただけだし、気にしなくてもいいんだがな。まあ食事については実験も兼ねているから、商人としての意見を聞いてみたいのもある」
「実験すか。旦那のなら興味ありますし、お相伴に与りましょう」

 寝袋を畳み、向かい側に座ったザックを確認し、俺は自分の袋から茶色い一塊のブロックを取り出した。家にいる時に作った粘土質のそれを適量千切り、お湯の中に入れて溶かしていく。透明なお湯が粘土質と同じ色に染まると、芳しい匂いが周囲に漂い始めた。
 見た目と使い方は味噌みたいだが、これは味噌ではない。この世界の材料を使ったスープの元と思えばいいだろう。

「おお……何すかこの美味そうな匂いは。もしかしてさっき入れたそれっすか?」
「塩と色んな香辛料を混ぜて練った物で、少しだけ乾燥させているから保存がきくんだ。こうやってお湯に溶かして食べるんだよ」

 完全に乾燥させればもっと長持ちするのだが、風味が落ちる上に今回は長期の旅じゃないので中間である粘土状にした。興味津々でザックが見るので、少しだけ千切って渡してみた。

「これがねぇ……って、辛いっす!」

 おいおい、お湯に溶かす前提の物なんだからそのまま食べたら辛いに決まってるだろうが。過去のレウスと同じ行動しているよ。

「シリウス様、ただいま戻りました」
「狩って来たぜ兄貴!」

 そこで二人が帰ってきて、それぞれの成果を見せてもらう。
 エミリアは消臭に使えそうなハーブに、茸や食べれる野草を幾つか採取し、レウスは食い出がありそうな中型の鳥であった。

「すげえ、ボロウ鳥っすか。こいつは凄い警戒心が強くて下手に近づけない鳥なんすよ。よく狩れたっすね」
「何回か逃げられちゃったけど、すっと近づいてばっと飛び出してズバッと斬ったんだよ」
「よくわからねえけど、すげぇって事はわかったっす」

 基本感覚で動くタイプだから、レウスに正確な説明を求めるだけ無駄です。ザックの対応が正しいかと。
 とにかく鳥を捌き、食べる分だけ残して土に埋め、塩と消臭用のハーブを散らして焼き鳥にした。続いてスープに茸と野草を入れて混ぜ、最後に乾燥させた手作り麺を投入して出来上がりだ。乾燥麺に関しては、作った麺を油で揚げた簡単な物だが、保存用の硬いパンに比べたら遥かにマシだ。
 出来上がった料理が予想を上回る質にザックは驚きを隠せなかったようだ。恐る恐るスープ麺を一口食べると、そこで一気にスイッチが入ったようだ。彼だけはフォークなので麺が食べづらそうだが、出来上がった料理を流し込むよう猛烈に食べていく。
 あっという間に平らげたザックは満足気に腹を擦っている。

「いやぁ……本当に凄いっす。まさか野営でここまでの物を食べられるなんて初めてっすよ」
「今頃、ディー達も同じのを食べているんじゃないかな?」
「だったら兄貴は目を輝かしているでしょうね。この溶かす物とカンソウメン……でしったっけ? これは保存食の革命っす、絶対売れますよ。商会で売り出してみませんか?」
「別に構わないが、作って売るならディーの許可を得て、ガッドと相談してからにしてくれ」
「逆ですよシリウス様」
「そうだぜ。ディー兄なら絶対、シリウス様の許可を得ろ……って言うに決まってるよ」

 だろうね。俺としてはディーが作ったと言って有名になってもらいたいんだが、目の前にいないから説得は無理か。仕方ない、条件付で許可するか。

「作り方を教えても良いが、売り上げの一部を俺にくれるならいいよ」
「一部とはどれくらいっすか?」
「どれくらい売れるかわからないし、それはガッドと相談して決めてくれ」
「これは絶対売れると睨んでますし、莫大な大金を得るチャンスなんすよ? いくらなんでも適当過ぎっす」
「現時点で金に固執は無いし、そういう方面の考えは面倒だ。それにザックとガッドは信頼できそうだし、二人の裁量に任せる」

 会って間もないが、あのディーと長年付き合えるガッドに、盗賊から俺達を助けようとするザックの二人は良い奴らだと思っている。

「それにこちらからも頼みがある。今日見た俺達の実力、あれを誰にも言わないでほしい」
「確かにそうっすね。あの強さはもう少し隠しておくべきですもんね」
「わかるのか?」
「当然っすよ。こんな強い子供がいたら厄介な奴らに絡まれたり、貴族共が取り入れようとして問題ばかり起きそうっす」

 流石は商人、俺の危惧していた事を理解しているようだ。

「だからオイラは黙ってるっす。何より命を救われたんだ、貴族に何を言われようがオイラは旦那を支持しますよ」
「ありがとうな」
「こちらこそ。ところで旦那達はエリュシオンの学校へ入学するんですよね?」
「話したっけな?」
「いいえ、子供がエリュシオンへ向かうのは、ほぼ入学の為と言われてますから推理は簡単っす」

 ふむ、それは盲点だったな。でもまあ、学校へ行く程度ならばれても問題ないか。

「推理は良いが、俺達が学校に入るのに何かあるのか?」
「実はエリュシオンにも我がガルガン商会の支店がありますので、御贔屓くださいって話です。オイラも今回みたいに何度か行きますので、要望があれば仕入れだってしますからね」

 あらまあ、中々商売魂が発達しているようです。
 だがこれは渡りに船だ。今までディーを通して入手していた調味料が直接取引できるようになったのだ。エリュシオンに着いても料理のレパートリーが減らなくて済みそうだな。

「今後とも、よろしくお願いします」
「ああ、こちらこそ」



 それから俺達の旅は順調に進んだ。
 何度か魔物の襲撃はあったが問題なく返り討ちにし、盗賊もそれ以降現われなかった。
 弱いとはいえ、剣を抜く間も与えず魔物を撃退する二人の手際に、メンバーで唯一の大人であるザックはへこんでいた。

「……オイラの方が大人なのに、護衛されてますね」

 悲しいが事実なので、俺は何も言わず背中を叩いてやった。

 そんな小さなイベントを幾つか体験しながら五日が過ぎた頃、ついに俺達は目的地へと到着した。

「旦那っ! エリュシオンが見えてきましたよ」
「おおおおっ!? でっけーっ!」
「……大きいですね」

 学園都市、エリュシオン。

 人々を守る、白く巨大な防壁が俺達を迎えてくれた。
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