第228話 魔物対人間 その結末に、立っていた勝者は。
「えっ、ええっ?!」
「うそ、な、なんでっ」
「残念ですが、こういうことです」
真っ黒な煙に包まれたリムリア、カミラ、そしてナタリ。
「そこまで、三者失格!!」
煙幕弾による自爆扱い、
本物の魔法爆弾に仮定すれば、
もろとも爆死する状況、まったく無茶しやがる。
(でもこれ、相手がアストやカミラなら防がれていただろう)
というかもしこれが本当の闘いだとしたら、
ナタリの無駄死にとなる可能性が非常に高いのだが、
これはあくまで殺し合わない決闘、模擬戦であり、実際の致命傷を負わせるのは逆に反則となる。
「そうきたか、逆に稽古とかあまりしない、実践ばかりの魔物に対する隙を突いた感じか」
「ラスロよ、だとしてもなぜナタリは」「陛下、これ勝ったハーレムが俺と結婚する訳では無いのです」
「つまりは印象、心象か」「はい、もちろんチームを、新ハーレムを勝たせるためのチームプレイではあるのですが」
ここまでしなきゃ、いかに国の暗部といえど、
魔王クラスの魔物ふたりを倒すことなんてできない、
自分が負けになったとしても十分にプラスというか、上出来過ぎだ。
(おっと、今度はナルガが怒った!)
「許さないわさ!!」
うおっ、ネリィハミィアインの魔法一族に突っ込んで行った!
剣で魔法を弾く、闇魔法を斬り裂いて、あっというまに剣の平らな部分で……!!
「あんッ!」「ひゃぁ!!」「うぐっ!!!」
あーあ、弾かれて場外へ。
「そこまで、三者失格!」
魔法ごと弾く剣技すげえな、
ていうかこれで盛り返した魔物組、
そこへエミリとララルが弓矢を撃つも……!!
「ふんっ!!」
しっぽで簡単に弾き落とした、
あれが一本でもまともに当たれば勝負アリになるのだが、
そんな疑いすらまったくさせないよう、完璧に防いでしまっている。
「油断してるわね」
そのアストの声とともに、
地面から木の根が出てエミリとララルを捕まえた!
「そ、そんな」「お母様!!」
根の先が、ふたりの喉元で止まる。
「そこまで、二者失格!」
これで子供ハーレム全滅か、
残るは旧ハーレムのアリナ、ヨラン、
新ハーレムのミオス、ロズリ、魔物ハーレムのアスト、ナルガ。
(魔物対人間で行けば、一番面白い構図だな)
いやはや台本があったなら大したもんだ、
王宮騎士団の連中もヨラン、ロズリがナルガと対峙しているのを楽しんでいる、
熱狂しているのも居るな、教会の連中も聖女vsアストで盛り上がっている、いよいよクライマックスへ。
「ラスロよ、この気配はまさか」
「ええ、アリナもミオスもアストへ、ヨランもロズリもナルガへ、一斉に」
「では決着が」「少なくともふたり、いや二体、いやいや二者が残って決勝戦かと」
光魔法組からひとり、
剣士組からひとりがそれぞれ残るだろう、
見た目は魔物vs人間ふたりの構図が二組、みんな動きが止まっているが、さあ……!!
(……動く!!)
「はぁーーーっ!」
ミオスが光魔法に包まれてアストへ突っ込む!
「「でやああああ!!」」
ヨランとロズリも、
二人掛かりでナルガへ突っ込む!
「良いわ、来なさい」
「動きが見え見えだわさ」
余裕の声と表情のアストとナルガ、
しかし、次の瞬間、驚くべき光景が広がっていた!
「えっ、ええっ、ま、まさか、そんな?!?!」
二か所同時に見ているとよくわかった、
まずミオスがアストに真っ直ぐに突っ込んで、
そこへ来る攻撃をアリナが光魔法で包み、ミオス自信を光の弾として攻撃させた!
(相討ち上等だ!)
そしてもう一方、
ヨランとロズリがナルガに挟み撃ちに行き、
完璧に防がれている頭上に光魔法の鞭が、手にしているのをたどると……アリナだ。
(つまり、目の前のミオスを護りつつ、斜め前のナルガを攻撃していた!!)
その結果……!!
「そこまでっ、勝者、アリナ!!!」
最後に立っていたのは、
旧ハーレムの正妻、アリナただ一人だった!!
(……ふう、そうなったか)
こうなった以上、
俺もこの場で、決断しなきゃな。
「陛下」「決まったか」「……決めます、今、ここで」
次回、ラスロの最終結論へ。




