表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私が書いた悪役令嬢の世界に転生したのですが、キャラが全員設定と違います  作者: 夜凪 蒼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/17

第9話「全員集合、続きを決める会議」

レイアが段取りをつけてくれた。


 「みんなで話し合いましょう。マリアが書いた続きを、一緒に決めるために」


 「全員ですか」


 「全員。ヴィンは知ってる。エドガーとミアにも話す」


 「え、エドガー殿下にも……」


 「いいじゃない。あの人、こういう話、好きそうだし」


 (好きそうという理由で王子に話すのか)


 翌日の放課後、中庭の隅に五人が集まった。


 エドガーが来た瞬間、「なになに、なんの集まり?」と言った。設定通りではないが、エドガーらしかった。


 ミアが来た瞬間、全員の顔を確認して「出席確認できました」と言った。ヒロインではなく委員長だった。


 「では」レイアが仕切った。「マリアから説明してもらいます」


 五人の視線が集まった。


 私は少し深呼吸した。


 「皆さん、この世界が誰かに書かれたものだという話を、信じますか」


 「信じる」ヴィンが即答した。


 「信じます」ミアも即答した。「なんとなく、そういう感じがしていたので」


 「信じるよ」エドガーが言った。「夢で別の場所の記憶が出てくることがあって、気になってた」


 (エドガーも断片的な記憶がある)


 「私が書きました」


 全員が黙った。


 「この世界の物語を、前世で書いていました。三話だけ書いて、止めていました。そして転生して、マリア・ソレンとしてここにいます」


 「……そうか」ヴィンが言った。


 「そうかー」エドガーが言った。


 「なるほど」ミアが言った。


 「知ってた」レイアが言った。


 「え、レイア様は昨日聞いたばかりでは」


 「でも言いたかった」


 (このキャラ、かわいい)


 「で」エドガーが前のめりになった。「俺たちの続き、どうなるの? 俺、誰かと結ばれる?」


 「……書いていないので、決まっていません」


 「じゃあ決めよう!」


 エドガーが楽しそうに言った。


 「決めるって……私が書くものですから」


 「でも決まってないんでしょ? だったら俺たちにも意見あっていいじゃない」


 (確かに)


 「ミアちゃんはどうしたい?」エドガーが聞いた。


 「私は、自分で選んだ人と一緒にいられれば」ミアが落ち着いて言った。「誰かに決めてもらいたくはないです」


 (しっかりしてる)


 「ヴィンは?」


 「……レイアが笑っていられれば、それでいい」


 全員がヴィンを見た。


 ヴィンが少し顔を赤くした。


 「余計なことを言った」


 「言っちゃったね」エドガーが笑った。


 「レイアは?」レイアに視線が集まった。


 「私は……」レイアが少し考えた。「マリアに近くにいてほしい。それが一番」


 「……私ですか」


 「あなたがいてくれたから、今の私がいるから。それは変わらない」


 (モブキャラの私が、悪役令嬢の一番大事な人になっていた)


 「では」ミアが手帳を取り出した。「みんなの希望をまとめます。エドガー殿下は?」


 「俺は……迷子にならないようになりたい」


 「それは物語の希望ではないですよね」


 「あと、好きな人ができたらちゃんと告白したい」


 「それでいいですか?」ミアがこちらを見た。


 「……書きます。全員の希望を踏まえて、続きを書きます」


 五人が顔を見合わせた。


 「よろしく、マリア」レイアが笑った。


 「よろしく」とエドガーが言った。


 「お願いします」とミアが言った。


 「頼む」とヴィンが言った。


 私は少し笑った。


 (書かなきゃいけない)


 (でも、書きたい)


 初めて、そう思った。




    ◇


 ──柊詩の手記より。


 『全員に話した。全員が聞いてくれた。希望を教えてくれた。ヴィンがレイアへの気持ちをうっかり言ってしまった。エドガーは迷子にならないことが第一希望だった。書かなきゃいけない。書きたい』




次話:「私が、この世界の神として向き合う」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ