8、恋人
そもそも自殺して過去に帰るという事自体が頭が狂いそうなのに俺はあいつに関わ らない様にしたかった。
つまりは吉鶴に。
だが俺は吉鶴に不良達に襲われる中で再び関わってしまった。
その為に俺の中での計画が狂った。
「はぁ」
そんな言葉を口から吐き出しながら俺は家に帰る。
それから俺は実家に帰って来る。
実家に帰るなり俺はベッドで横になった。
それから俺は天井を見上げる。
さてどうしたものか。
「......とにかくは、だ」
そう呟きながら俺はゆっくり起き上がる。
それから俺は考えているとスマホが鳴った。
俺はスマホに手を伸ばしてから着信を確認して電話の主を見る。
それは瀬本だった。
俺は「瀬本?」と電話をかける。
「先輩。家に帰れました?」
「ああ。帰れたぞ」
「そうですか。良かったです」
「瀬本」
「?」
「俺は間違っているのかな」
その様に問いかけると瀬本は「間違っているとは?」と聞いてくる。
俺は帰って来てからの事を全部説明する。
すると瀬本は「間違っているとは思いません」ときっぱり言った。
「瀬本?」
「私、先輩が間違った事をしているとは思ってません。ですが」
「ああ」
「吉鶴先輩は私は嫌いです」
「だろうな」
「はい。なので今回だけです。優しいのは」
その様に強く言いながら瀬本は怒る。
俺は「でも良いきっかけになったかもしれない」とスマホを握りながら外を見て胸の内を告白した。
瀬本は「え?」と問い返してくる。
「吉鶴に関わるのはこれで最初で最後にしたい」
「先輩」
「俺は冷たい人間かもしれないけど」
「冷たいんじゃなくてそれが本当だと思います」
俺は瀬本の抗議の言葉に無言になる。
それから俺は薄暗い中の世界で明るい景色を見ながら溜息を吐く。
そして俺は「瀬本はさ」とバルコニーに出てから手すりに手を伸ばしながら言う。
瀬本は「はい」と返事をする。
「この世界に来て良かったと思うか?」
「この世界に来てですか?」
「ああ。この今の世界に来て」
「私は10年前に帰れて良かったと思っています」
「俺に会えるからか?」
「その通りです」
それから瀬本は「私、先輩が本当に好きなんです。だから」と言う。
俺はその言葉に俯く。
そして決意をしてから顔を上げる。
「なら付き合うか」
という感じで言った。
すると瀬本は「え」と絶句したまま言葉を発さなくなった。
まるで壊れた人形の様に。
俺は「オイ?」と聞く。
「先輩。本当に良いんですか。私で」
「お前な。お前が言ったんだからな?」
「いやまあ確かに私が言いましたけど」
「俺に迷惑がかかると思っているのか?」
「違いますよ」
瀬本は「先輩。付き合ってくれるんですか」と改めて聞いてくる。
俺はその言葉に「付き合う。だがその代わり申し訳ないんだが俺は恋というものを知らないからな」と言ってから空を見上げる。
その言葉に瀬本は「まともな恋ですね?」と聞いてくる。
「ああ。まともな恋だ」
「それだったら心配不要ですよ。私が教えます。一から」
「お前の言葉はいちいち怖いんだが」
「私が手取り足取り教えます。だから先輩。付き合いましょう」
それから俺は瀬本と恋人同士になる事になった。
とは言っても仮の恋人であり。
俺は瀬本をまだ好きになった訳じゃない。
一応、先手を置いた恋人だ。
☆
「ふあ」
翌朝。
そんな欠伸をしながら俺は起き上がる。
それから俺は首を鳴らしていると横から寝息がした。
寝息が。
え?
「うわ!何をしているんだお前は!?」
そこに瀬本が寝ていた。
瀬本はスヤスヤと寝ている。
俺はその姿に絶句しながら「瀬本!お前な」と瀬本の頬を引っ張る。
瀬本は寝たままだった。
このまま起きなければ置いて行こう。
そう考えていた時だった。
「ん。あ、おはようございます。紗千さん」
「あ、ああ。おはよう、は?」
「紗千さんですよね。私の恋人の」
「間違ってはない。だが俺をいきなり名前で」
「私の事も結奈って呼んで下さい」
「いやおま」
「恋人なのにおかしいですよね?」
確かにおかしいとは思うがいきなり名前かよ。
思いながら俺は汗を流す。
瀬本は期待の眼差しで俺を見ている。
そして俺は「分かったよ。結奈」と返事をした。
すると結奈は「よろしい」と笑顔になった。
「それじゃ先ずは恋人の仲を深めます」
「?」
「先ずはおはようのキスをしましょう」
「それ単なるお前の趣味...むぐ」
それから俺は口を塞がれた。
そして唇が離れ「えへへ。寝起きの先輩の唇ゲット」と言う。
コイツ何を考えているんだ。
「先輩。私は恋人になったからには徹底的にやりますからね」
「徹底的ってのはどの程度で」
「どの程度?程度なんて底知れませんよ?」
「お前な」
そんな事を言いながら俺は額に手を添える。
結奈は俺から離れてからモジモジする。
そして「それにしても先輩のえっち」と言う。
何がだよ。
「舌を絡めるなんて」
「お前がいきなりキスをしてきたせいでそうなったんだ!!!」
それから俺は盛大に溜息を吐く。
そして俺はベッドから降りてから「結奈。とりあえず着替えるから」と言う。
だが結奈は出て行かない。
俺は「?」となりながら結奈を見る。
結奈は「あ。続けて下さい」と言った。
部屋から追い出した。




