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リンの勘

「とにかく、教会に集合することにする。エルは村長に教会まできてもらうように伝えてくれ。私とアオイはエルフを呼びに行く。」


 リンは、食堂で暇そうにしていたエルを捕まえて指示を出してく。なんで俺が…と面倒くさがるエルは、リンの「エルフ」という言葉に反応して、「まかせとけ」と言って速攻で飛び出していった。どれだけフォレスティアさんに会いたいのだろうか。後を追うように僕たちも食堂を出て、フォレスティアさん宅に向かって歩き出す。


「なぁ、アオイ。」


 道すがらリンが話しかけてきた。


「その、エルフのフォレス何某とその娘に本当は何をされたんだ?」


「え?何をされたって?…さっき言ったように、フォレスティアさんには精霊術などを教えてもらうことになったのと、その娘のカージャにはこの赤い玉を付けられたんですって。」


 僕の言葉に納得がいかないのか疑うような目を向けてくる。


「で、本当のところは?」


「…本当も何もそれだけです。」


 じーっと疑いの目で見つめてくるリンに、思わず目を逸らしながら言い放ってしまう。


「逸らしたな、目を逸らしたな。アオイはなにか隠し事をする時にはいつも目を逸らす。つまり何か私に言えないことがあったという訳だ。」


 う…。


「本当に何をされたんだ?」


「…言えない。」


「言えないとこをされたのか?」


「…言いたくない。」


「ふむ、ここまで言いたくないとすれば…。やはりあれだろう。」


 たった2回の言葉で、なにやら思いついたみたい…。リンは興味を持ったことに関しては妙に鋭いから…。


「ずばり、性的なことだろう。」


 ずばりすぎます…。そして思わず昨日のことを思い出し真っ赤になるのだった。






 アオイは何かを隠している気がする。確証はないがどうも引っかかる、幼馴染の勘というやつだ。


 目を見て問い詰めると案の定、視線を逸らした。アオイの昔からの癖だ。これで隠し事があるのが確定した。問題は何を隠しているかだ。「言えない」「言いたくない」と取り付く島もないが、これだけアオイが頑ななことといえば、やはり性的なことだろう。そういうことに興味があるくせに、いざ話題がそれになるとどこかはぐらかすのだ。まぁ俗にいう「むっつり」というやつだな。まぁ、私としてはあけっぴろげでもそれはそれで問題だが。指摘すると真っ赤になった。これで内容も確定だな、相変わらず性的な受け答えに弱い。ということは、そのフォレスなんちゃらとその娘はアオイに手を出したということか…。


「くそ、私のアオイに手を出すとは…。そのエルフの親子は敵だな。」


 思わず心の声が漏れてしまったみたいだ。

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