銀
「白…いや、これは銀髪?」
違和感の原因は髪の色。黒髪だったはずが一房だけ銀髪になっている。この髪の所って…まさか。そこは、夢に出てきた奴に触られた髪の位置と近い気がする。
コンコン
まさか、あれは夢で…。折角さっぱりしたと思ったのに、また嫌な汗ができてきそうだ。
改めて、鏡の中の僕の姿をじっと見る。やはりどうみても触れられた場所だよなぁ…。銀髪の部分に触れてみる。うん、自分の髪だ。なんでこんなことになっているんだろうか。
コンコン
なんかすごい綺麗な銀色の髪だなぁ。これプラチナブロンドとかいうんだっけ。まぁ一房だけなんだけど…。黒髪もいいけど全体がこの色でも似合いそう。って何考えてるんだ。
ガチャ
「アオイ、寝ているのか?さっき叫び声が聞こえたが大丈夫なの…か?」
ドアを開ける音と共にリンの声がしたので、僕はドアの方に振り向いた。そこにはこちらを見て固まったリンがいた。
「おはよう、リン。」
とりあえず挨拶をする。
「…ああ、おはよう。ところで鏡の前で全裸になってなにをしてるんだ?」
あ…、服着てないや。
「いやな夢を見ちゃって、おかげでひどい寝汗をかいたので拭いてたんだよ。そしたら鏡に写った自分の姿に違和感を覚えてさ。」
「そりゃ性別が違うんだ、違和感も当然あるだろう。」
「いや、それじゃなくて。ってまぁそれもあるんだけど。それはおいといて、これこの髪みてよ。」
僕は銀髪になっている髪を指さした。
「うん?一部だけが変色しているな。銀か。なかなか綺麗なものだな。どうやってこんなに見事に仕上げたのだ?」
感想をきいてるんじゃないだけど…。
「起きたらこうなってたみたい。で、リンにちょっと相談に乗ってもらいたいんだ。昨日からいろいろなことがあったし。」
「相談に乗るのは問題ないが、そろそろ服を着たらどうだ。」
うん、そうだね。とりあえず服を着て話はそれからだよね。僕は、急いで服を身に着けた。その間、リンは僕の着替えを不思議そうに見続けていた。
「で、相談というのはなんだ?」
着替えの終わった僕にリンが問いかけてくる。
「えっと、とりあえず昨日の出来事なんだけどさ…。」
僕は昨日のフォレスティアさん宅での出来事を話し始めた…。フォレスティアさんとの出会いや僕に精霊力があること。フォレスティアさんの娘であるカージャにつけられた赤い玉のこと。(ただし、フォレスティアさんにされたことはさすがに話さない。できればあの出来事は忘れたい。)そして昨晩に見た悪夢、起きたら一部銀髪になってたこと。一方的に僕が話していたが、リンは真剣な様子で僕の話をただただ聞いていた。




