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赤い玉

『とにかく、そういうことだからその二つ名は禁止。』


 よほど嫌らしい。まぁ、自分がそんな風に呼ばれるのは御免被るけど。


『私のことは置いておいて、アオイのことについて話しましょうか。』


 え…、僕のこと?


『そう、君のこと。うちの子が暴走して、君の手にくっつけてしまった物のことよ。』


 ああ、この赤い玉のことか。これって一体なんだろうか?カージャが初めてとか言ってたんだよね。


『ある意味、とても厄介で鬱陶しい代物だったりするのよね…。』


「厄介で鬱陶しいとは失礼な…、いくらお母様でも怒りますよ。それにこれは素晴らしいものなのよ。」


 フォレスティアさんの言葉に即座に反論するカージャ。


『なにが素晴らしですか。私にとって彼に付けられたコレは、そんな扱いで十分な物なのよ。さっきも言ったけど、この娘の一族の婚約の証であるその玉はね、自分のモノだっていう意味合いのものなの。それとは別に、付けられた者はそれがもたらす恩恵、つまりメリットを受けれるということがあるの。そしてそれに伴うデメリットもうけちゃうのよ。私にはデメリットが大きすぎて呪われたのかと思ったわ。』


 まさかの呪いの玉ですか?


『まぁ、問題は君がそのデメリットをどう思うかにもよるんだけど…ね。』


「デメリットとか呪われたとかひどいわ。とってもとってもいい物なのに。絶対にアオイなら気に入って喜んでくれるのと思うの。」


 なんという母と娘の正反対なお言葉。


「つまり、付けたほうは喜ぶことで、付けられた方は厄介で鬱陶しいということで?」


『そうそう、理解が早くて助かるわ。まずメリットのほうなんだけど、生命力がちょっぴり向上かな。大袈裟なものじゃなくて、病気しにくくなったとか疲れにくくなったとかその程度よ。あと、精霊感応力がちょっぴりあがっているはず。とりあえず、私と触れ合ってなくても会話が成り立つくらいにはあがっているようよ。』


 そう、いつのまにかフォレスティアさんと触れてなくても会話ができていたりする。原因はやっぱりこれだったのね。


『で、問題のデメリットのほうなんだけど…。』


 なんか言いにくそうなフォレスティアさん。


『付けた相手と子が出来ないと無くならない。つまりソレは子に継承されるものなの。と言っても私に在った物がソレってことじゃないんだけどね。まぁ、ややこしいことは置いておくとして、うちの子と子供を作らないとソレはずっとそのままなの。ちなみに聞いた話なんだけど、それがある間は他の種族とは子っができないって言ってたわ。そこらへんの原理は私にもよくわかってないわ。竜って独占欲が強いからじゃないかって噂もあるの。』


 子…とか…。まぁ、僕が子を産むとか考えられないし、とりあえず何かで隠せば当面なんとかなるか…。


『さらに、付けた本人は付けらてた相手の居場所が分かるの。どんだけ離れようともわかっちゃうみたいなのよ。だから彼にもここにいるのがわかったのだし、これから君もうちの子に居場所をしられちゃう生活が待っているの。』


 ちょっぴり丈夫な体とかになったら、独占欲の強いストーカーが付いてきましたってことかぃ。フォレスティアさんが、呪いとかいった意味がなんとなく分かった気がする。そんな割の合わないセットの押し売りはいらな…。


「いやだとか言わないよね?ね?ね?うれしいよね?ね?ね?」


 話を聞いて何とも言えない表情をした僕に、カージャは必死にアピールをしていた。


「僕とカージャは女性同士なんだけど、どうやって子供つくるんです?」


 すごい素朴な疑問が浮かんだので聞いてみることにした。


「その気になってくれたのね。」


 満面の笑みをうかべるカージャ。


「いや、単に気になっただけで別に子がほしいとかじゃないから。」


 僕の言葉に肩を落とす。


『竜族は雌雄胴体で、どっちの性別の人型になれるのよ。』


 …この世界のドラゴンはなんと両性類でした。

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