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昼食後のひととき

 トンテキを作った結果は大好評。こちらでもしょうゆは偉大でした。アルさんに出来栄えを評価してもらおうとしたら、背中に視線を感じ振り返ると、食堂への出入り口から、エルがよだれを垂らして覗き込んでたのを見たときに、大丈夫だと確信はしたけどね。


 アルさんがトンテキを一口運ぶどとに、エルが「ああ…。」とか言ってたのは聞かないでおいてやろう。そして、アルさんから合格がもらえたので、トンテキの量産体制に入ったのだった。


 切っては叩き、叩いては焼き、焼いては絡めの繰り返し。あっという間に村人たちの昼食が終了してました。どれだけ作ったかはもう覚えていない。というか、覚えてられないほどの忙しさだった。


 今はアルさんとエル、そして僕の3人で昼食を取っている。ちなみにミリちゃんは、おなかが膨れたのかお昼寝中だったりした。食事もひと段落してエルがアルさんに話しかける。


「なぁ姉貴。昼はここの手伝いをさせる気か?」


「これだけの人数をさばけるのだから当たり前ですわね。嫌だと言っても私が許しませんわ。」


 なにやら、勝手に働く場所が決められているっぽい。


「ってことは、朝はクリフのところで基礎訓練、昼はここで料理番は決まりか。まぁ、無駄飯ぐらいにならなくて済んだな。しかし、残りの時間で色々叩き込むことになるのか。こりゃあほかの奴とも話しあわなきゃならんよな。」


「叩き込む?」


 教え込むとはなんだろう。


「昨日、言ってただろうが。俺たちの技能を叩き込むってよ。俺は面倒だし別に教えなくてもいいん「愚妹、完璧に教えないと生まれたことを後悔させますわよ。」完璧に教え込むから覚悟しとけ。」


 なんの技能かはしらないけど、アルさんが真剣な表情でエルを脅していた。それに速攻で屈したエル。


「手始めに、近場で獲物を捕りに行ってくるか。もちろんおめぇも連れてくぞ。」


 なんかもう、午後の予定も決められた。だが、重大な問題が僕にはある。


「獲物を捕りに行くって言われても、護身用のナイフすらないんですが…?」


 そう、今の僕は防具は有っても武器はないという丸腰状態だった。


「ああ、なんもねぇのか。ちっ、しゃーねぇな。どうせレッドボアの肉がまだまだ有るから、無駄に捕ってしょうがねぇ。よし、やめだ。鍛冶屋の奴がもどってきたら、こんどこそ連れてってやる。」


 僕の初狩猟はお預けになった瞬間だった。残念なようなほっとしたような…。

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