学びの後
「愚妹、まだやっていたのかしら。そろそろ時間ですわよ。」
アルさんが様子を見に来たみたいだ。
「なんだよ姉貴。いま、こいつに大事なことを教えてるとこなんだよ。」
「こちらも大事なことですわ。何せもうすぐお昼の時間なのですから。」
お昼?ああ、昼食の時間ってことですか。
「げ、もうそんな時間かよ。」
あちゃー、という表情をするエル。
「まったく、夢中になると時間をわすれるのだから・・・。」
ため息をつくアルさん。部区の稽古のためだったのだし、ここは僕も手伝いを買って出よう。
「あの、僕も手伝いましょうか?」
僕の申し出にきょとんとするアルさん。
「あなたは、最初から頭数に入っていますわ。教わりましたでしょ、働かざるもの食うべからず、ですわ。」
何を言ってますの?って感じだね。
「あなた達、早く準備をしなさい。」
アルさんがせかす。
「あいよ。おら、えーっと、なんだっけか?」
エルは僕の名前を覚えてないらしい。そもそもエルに名乗ったっけ?
「アオイさんですわ。」
アルさんが助け舟をだす。
「アオイか。よっし、そんじゃアオイ。ちゃっちゃと準備しにいくぜ。」
そう言って、またも昨日と同じく僕を担ぎ上げる。まさか、また川に投げ込まれるの?
「着替えはだしておきますわ。」
アルさんは、取り残された僕の防具を拾いつつ、僕たちにそう声をかけていた。着替えよりもこの人をとめてくれたほうが有難いんだけど・・・。
「今度は川じゃねぇから安心しな。今は時間がねぇからな。」
そういいながら建物に入っていく。そして、1階のとある部屋に入っていき僕を下ろす。
「おら、さっさと済ますぞ。」
そう言うなり、エルは服を脱ぐ。く、相変わらずスタイルよすぎ・・・。脱いだということはここは脱衣所なのか。エルは脱いだ服を籠に放り込んでいく。
「なにをちんたらしてんだ。おめぇも脱ぐんだよ。はやくしねぇと、姉貴のお仕置きがまってるぜ。」
え・・・、まじですか。羞恥心とアルのお仕置きを天秤にかけるまでもなく、僕は羞恥心を捨てることにした。だって被虐趣味ないもの。だが、着慣れてない服というのは脱ぎなれてないというもので、脱ぐのにまごついてしまう。
「あー、めんどくせぇ。」
エルが業を煮やしたのか、まごつく僕に手をかける。そして、瞬時に服を脱がしていってしまう。その早業はまるで魔法のようだった。
「ほら中に入れ。二人だと狭く感じるかもだが、そこは我慢しとけよな。」
いわれるまま、僕は入ってきたのとは違うドアを開けてエルと共に中に入った。




