鎧の下には
「姉貴ー。」
エルは、扉を壊しそうな勢いで開ける。こんな勢いで開けてたらそのうち本当に壊れたりして?
「愚妹、またあなた壊す気?」
アルさんはため息混じりに言う。やっぱり壊したことあるんだ・・・。
「んなことより、こいつの鎧をちょっくら調整してやってくれねぇか?」
エルは僕から鎧の入った袋を引ったくり、アルさんに突き出すようにテーブルに置く。
「まったく、この愚妹は人の話を聞かないのだから。まぁいいですわ。アオイさん、その鎧の入った袋を持ってついていらっしゃいな。」
ここにきてから、人の後ばっかついて回ってる気がするなぁ。そう思っていると、アルさんはとある部屋にはいっていく。当然、僕も入っていくしかないよね。中は普通の部屋だったのでちょっとほっとした。
「アオイさん、テーブルに鎧を出してくださいな。」
アルさんにいわれるまま、袋から鎧を取り出しテーブルの上に並べていく。皮だから思ったより重くなかったね。でも、表面は結構硬かった。アルさんは鎧を一瞥してから、僕を品定めするかのように見てくる。
「皮ですか、無難な選択ですわね。でも、その服がインナーですと不安ですわ。」
そりゃただの服だものね。防御力0は伊達じゃない。アルさんはクローゼットに向かい、中から何やら出してくる。
「ここら辺でいいですわね。アオイさん、私のお古ではありますが、あなたに差し上げますわ。」
出してきたのは、黒っぽい長袖の服とミニより若干裾のあるスカート。あと太ももくらいまであるこれは、ニーハイってやつなのかな。で、よくわからないベルトっぽいもの。(あとで聞いたらガーターというものらしい)頂けるなら喜んで頂きますが、サイズが微妙に会わないような気がする。もちろん、鎧のほうもだけどね。
「とにかく、これを着ましょうね。」
アルさん、すごいうれしそうに手をワキワキしてるんですが・・・。それを着る=今の服を脱ぐ、という公式が成り立ってるんですね。そして僕は、アルさんのなすがままにされました。
「とりあえず、これでいいですわ。」
着替えさせたアルさんは、そういうと僕を解放する。やっぱりサイズが合っていない。全体的に大きい。
「服が大きいのでしょう、問題ないですわ。」
いや、問題あるでしょう。上はまだいいけど、スカートは押さえないと落ちちゃいます。そんな僕を余所に、アルさんは僕の前に立ち、小ぶりな石を握って人差し指を立てる。アルさんの真剣な表情。なにかスイッチがONに入ったような気配がする。すると仄かにアルさんの指先が光る。その指先でなにやら文字を綴りだしていく。
「Optimization」
そう言うと、アルさんは僕の着ている服に指先を当てた。




