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走る

「ようこそ、歓迎するのである。」


 教会に着くと、クリフさんが暑苦しいポージングと共に出迎えてくれた。今日は作業服っぽいんですねぇ。


「うん?リンの姿が見えないのである。」


 クリフさんは辺りを見回し、リンがいないことに気がついた。


「リンは、組合長に会いに行きました。僕だけ先にこちらへ伺うようにと。」


 そう、リンは組合長に会ってないことを思い出すと、あわてて戻っていったのだった。僕に教会に行ってクリフさんに会えとだけ言って走っていったので、会ってどうすればいいのか聞いていなかった。


「昨日のうちにリンから聞いているのである。」


 おお、手回しのいいことで。


「ついてくるのである。」


 そう言って、クリフさんは教会の裏手に向かって歩いていった。僕もその大きな背中についていく。教会の裏手には、柵で仕切られたそこそこ広い畑があった。


「では、軽くこの柵に沿って走るのである。」


 軽く走る?ああ、ランニングってことですか。何の脈絡もなく、いきなり走れってどうなんだろうか。


「早く、走るのである。」


 怒られてしまった。厳つくて巨体な人だからすごい威圧感があるね。とりあえず走るとしますか。


 いざ走ってみると、妙に走りにくいことがわかった。原因はあれです・・・。男の時にはなかった胸。違和感がめちゃくちゃある。それでもなんとか柵に沿って走ってみる。


「止まるのである。」


 ゆっくりとしたペースで走っていると、クリフさんが止まるように言ってきた。


「遅い上に走る姿勢が悪すぎるのである。脚から頭まで一直線になるように心がけて走るのである。今の姿勢は猫背になっているのである。」


 胸が気になって猫背になってたらしい。


「では、また走るのである。」


 あいー。とにかくさっき言われたことを心がけて走ろう。





 どれくら走っただろうか。一向に走るのを終わらせてくれる様子がない。ランニングとはいえ結構きつい。何分走った?何週した?よくわからなくなっていた。息が荒くなっていく。スピードもどんどん落ちていく。そして、とうとう足が止まった。


「ふむ、まぁまぁであるな。」


 クリフさんがなにやら言ったが、気にする余裕は僕にない。


「息を整えてこれを飲むのである。」


 そう言って、僕に飲み物を渡してくる。僕はひったくる様に受け取ると、少し息を整えてから口をつけた。


「・・・スポーツドリンクだと?」

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