魔石に込めた
なんとか見返してやりたいんだけどなぁ。魔力を感じろって・・・、まったくわかりませんよ。
仕方がないので、とりあえず魔石を右手に握って目を瞑る。次に握ってない手の指先とつま先から、何かを移動させるようなイメージを作る。なにか動いているような気がする。その何かを手のひらに集め、気を込めるかのようにぎゅっと握りこむ。
ビシリ。
あ、なんか音がした。ひょっとして奇跡でも起こって魔力が込めれたとか?ちょっと期待して握った手を開く。マルシアーナさんが手のひらの上の魔石をみる。
「あなたはなにやってんですかー。」
え?なにやってるって魔力を込めたつもりなんですが。
「魔力を込めろとはいいましたが、力を込めて握りつぶせとはいってないですー。」
手のひらには、割れてばらばらになった魔石が転がっていた。色はもちろんついていない。
「魔石をこんなにしちゃって・・・。とりあえず魔力が篭った痕跡は無しっと。ついでに備考で馬鹿力っと。」
マルシアーナさんはさっきの用紙に魔力無しと馬鹿力を書き込んでいる。やっぱり魔力はなかったらしい。さっき、なんかいい感触だったのに・・・。
「魔力が無かったので、計測は終わりになりますー。というわけでとっとと戻りますよー。」
「どうだった?」
リンは、戻ってきた僕を見て結果を聞いてきた。わかってるくせに。
「無かったですよー。」
僕の変わりにマルシアーナさんが答える。
「まぁ、私たちにはそれが普通だしな。」
「あとは技能のほうですが・・・もってないですよね?」
「ないです。いつの間にか、これから教え込まれることになっているらしいです。」
「了解ですー。これで書類上での登録が終わりましたー。これであなたも組合員ですー。」
どうやらこれで終わりっぽい。ちょっとだけ疲れた気がする。
「こちらの組合員カードをお持ちくださいー。なお正式なギルドカードは後日発行されますので、発行され次第ご連絡差し上げますー。」
なんかクレジットカードみたいだね。受け取ったカードを見ると、そこには僕の名前である『アオイ=プルシアン』と『1202A』と書いてあった。どうやら数字は組合員番号らしい。
「登録も終わったし次は教会にいくぞ。」
あいあい、今度は教会ね。もうどこにでも連れてってー。
「マルシアーナ、またあとで寄らしてもらうよ。」
リンは、マルシアーナさんに挨拶をして僕を連れて狩猟組合を後にした。
教会までの道中
「ねぇ、リン。」
「なんだ?」
「村長が言ってた『あやつ』って、マルシアーナさんのことだったの?」
「あ・・・、組合長に会うの忘れてた・・・。」




