表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/80

蛇口

「なんで、こんなものが・・・」


 どうみても、これは蛇口にしか見えない。どうしよう、捻ってみようか。近くにあるコップを持って、僕は蛇口を捻ってみることにした。


 きゅっ。


 小気味いい音をを立てて、蛇口のハンドルが回る。口から無色の液体が出てきた。


「おー。」


 ちゃんと蛇口してるわ。そして液体はコップに溜まっていく。とりあえず蛇口を閉めて、まずはその液体を嗅いでみる。変なにおいはしない。つぎに少し飲んでみる。うん、水だ。液体が水とわかったので、今度は水差しに水を溜めていく。水を注ぎ終わり、僕はリンのいる部屋に戻っていった。戻るときに、階段から1階の食堂をみて死屍累々の惨状を確認する。これ、どれだけ盛り上がって飲んだんだろうね。


 部屋に着くと、こちらはこちらでえらいことになっていた。ベッドの上でリンがエルに抱き付かれていたのだ。それもなぜか下着姿で・・・。さっき抱き上げたときは、ちゃんと服着てたよね。


「た、助けてくれ。」


 リンが、僕に助けを求めてくる。助けてといわれても、何か近付いたら巻き込まれそうなんですが。恐る恐る少し近付く。まだ範囲外らしい。リンは必死にエルを引き剥がそうとしているが、剥がされまいとエルが抵抗する。エルは目をつぶったまま、むにゃむにゃと呟いている。これ、寝言か?エルってひょっとして寝ぼけているんじゃないかな?


 仕方がない。僕は、持ってきた水差しをテーブルに置いた。そして、


「ごゆっくりー。」


 僕は、そっと部屋を出てリンに手を振ってから扉を閉めた。


「この、薄情者がぁ。ちょ、やめ、はなせ、あー・・・。」


 とりあえず、合掌。


「あら、起きていらしたの?」


 アルさんが、階段を上って僕のほうにやってきた。


「おはようございます。」


 僕は、アルさんに挨拶をした。


「おはようございますですわ。二日酔いとかはございませんこと?」


「ええ、すこぶる調子がよいです。」


「昨晩は、あれだけお飲みになられていたので、少し心配していましたわ。」


 僕、そんなに飲んでたのかぁ。ジュースが美味しいのは覚えてるんだけど・・・。って、なぜにジュースで二日酔いがでてくるんですかね?


「ジュースで二日酔いはしないでしょう?」


 僕がそういうと、 アルさんは小首をかしげて。


「だって、あれはりんごジュースではなく、りんご酒でしたのに。」


 あれは、ジュースじゃなくてお酒だったの?どうやら僕は、アルに一杯食わされたようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ