着替える前に
「とりあえず、着替えましょうか。」
アルさんにそういわれて、僕は思わず身構える。今度は何を着せられるんだ。
「そう身構えなくてもいいですわ。今度の服は、あなたが昨日着ていた服ですから。」
よかった。また越すプレさせられるのかとおもった。
「そこの部屋で待っていらっしゃい。すぐに着替えの用意致しますから。」
僕は、指差された部屋に入って待つことにした。中を見渡すと、さっきの部屋と同じような内装の部屋だ。広さもほぼかわらないっぽい。とりあえず、僕は椅子に座ってテーブルに肘をついた。
「はぁ、昨日は色々ありすぎて考える暇もなかったなぁ。おかげで悩む暇もなかったけど。でもこれからのことを考えると、先がすごい不安だなぁ。この体のこともわからないし前途多難だわ。」
思わずため息と不安が口にでる。
「開けてくださらないかしら。」
扉の外からアルさんの声が聞こえる。僕は部屋の扉を開けた。そこには、腕にタオルと着替えらしき物を下げ、両手で湯気の立つタライを持ったアルさんがいた。アルさんは、すっと部屋の中に入るとタライを床に置いて、腕に下げた着替えをベッドの上に置いた。
「では、脱ぎましょうか。」
「え、なんで?」
「体を清めて差し上げますので、その着ている服を脱ぎましょうか。」
「いえいえいえ、自分でやりますので気を使わないでください。」
アルさんの好意とはいえ、女性に裸をみられるのは恥ずかしいでの、なんとか回避しようと試みた。
「そうですか、では私は扉の外でお待ちしておりますわ。着替えが終わり次第、お声をおかけくださいませ。」
そう言って、アルさんは部屋と退出する。ほっと一息。では、この服を脱ぎましょうかね。
「・・・。」
えっと、どうやって脱げばいいのか・・・。とりあえず、首元から右脇のほうに結んでるのがあるな。これを解いてっと。そのままわき腹のほうにも結んでいるがあるからこれも解いてっと。んで、上に引っ張って脱げ・・・ない。なんか引っかかるし左腕が抜けん・・・。悪戦苦闘するがなかなか脱げない。そうしている内に、僕はバランスを崩してしまった。
「え、ちょ、ちょ、ひゃわ。」
むぎゅっと、無様に倒れてしまった。
「何事ですの?」
僕の奇声と物音に、あわててアルさんが部屋に入ってくる。そこには腰を上げた姿勢で倒れる僕の姿があった。
「あらあらあらあら、私を誘っていらっしゃるのかしら。」
すいません。誘ってませんので助けてください。




