じーーー
じーーーー。
なんか見られてる?それに物音ひとつたっていない。
じーーーーーー。
やっぱり見られてる?静寂に包まれた食堂。
じーーーーーーーー。
階段を下りようと足を1歩前にだす。
じーーーーーー、ゴクリ。
だれだ、生唾を飲み込んだ奴は・・・。
「とっとと下りろ。」
業を煮やしたのか、リンが僕の肩を押す。駄目だと思うんだよ、階段の下りで後ろから肩を押すのは・・・。ほら、足を踏み外した・・・って、階段踏み外したぁぁぁぁ・・・。お尻打ったぁぁぁ・・・。僕は、そのまま階段の下までお尻を打ちながら滑り落ちていった。
「いたた・・・。」
くぅ・・・、打ち付けたお尻が痛い。僕は、なみだ目になりながら階段の上にいるリンを睨む。リンはあちゃーといった感じに額を抑えている。そして僕のほうを指差し、それから自分の腰を指差す。腰?腰がどうしたのだろう?腰を打ち付けて大丈夫か?ってこと・・・ではなさそうだ。分かってない表情をする僕に、リンは今度は自分のスカートを摘む。スカート・・・?スカート・・・、スカート!!!僕は、あわてて自分の下半身の状態を見る。
・・・案の定、ミニがめくれあがっていた。よりによって足がMの字に・・・。僕は真っ赤になってミニを直そうとした。
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ。」
静まり返っていた食堂が歓声で溢れかえる。僕は、いきなりの大歓声にびっくりした。いったいなにがおこったんだろう。
「馬鹿者、早く裾を直せ。」
リンが階段を下りてきながら声をかけてくる。僕はあまりの大歓声に、裾を直す手をとめてしまっていたことに気がついた。あわてて裾を直し、下りてきたリンの後ろに隠れた。
「あああああああぁぁぁぁぁ・・・。」
なにこのすごい残念そうな声は・・・。
「くくく、えらいサービスしたな。」
エルがジョッキ片手に笑いながら近づいてきた。くっそう、サービスしたくてしたんじゃないやい。僕たちの横まできたエルは、食堂にいる人たちに向きなおり僕の頭に手を置いた。
「いいかい、野郎ども。リンの頼みでもあることだし、この嬢ちゃんをどんな職でもなれるように鍛えてやろうじゃないか。さっきのはお前たちへの先払いだ、分かったな。」
「応!」
「応!じゃないだろ。ちゃんと言い直せ。このまえリンに教えてもらっただろうが。」
リン・・・、何を教えたんだ?
「この嬢ちゃんを鍛えるぞ、野郎ども!」
「Yes.sir!」
「馬鹿野郎、俺は女だ。」
「Yes.sir!」
「くそ・・・、姉貴、こいつらになんとかいってやってくれ。」
いうとこを聞かない人たちを見て、エルは姉のアルさんに泣きついた。
「とにかく、貴方たちの技能をこの娘に叩き込んでくださいね。もし、使えなかったら、この娘共々、新しいお仕置きの被験者になってもらいます。わかりましたね。」
「「Yes。ma'am!」」
この時、僕たちの心はひとつになっていた。絶対にこの人の被験者にはなるまい・・・と。




