リンさんの説明の巻
2年が一瞬で過ぎ去っているのなんて実感わかないよ。
「まず、情報の整理をしようか。できるだけ葵にもわかるように説明するつもりだが。」
「よろしくお願いします。」
リンの説明会がはじまった。
「まず、おおよそ2年前にブラックアウト現象がゲーム内に起こった。一瞬の出来事だったかは定かではない。葵の空白の2年と同じかもしれないし、そうでないかもしれない。まぁ、それは置いておくとして、気がつけば『エウシュ中央都市』村人たちがいう『中央』に飛ばされていた。そのときの私たちは混乱したよ。戦闘中だった者もいれば、製作中の者もいる。それがいきなりエウシュにつっ立ってたんだ。その時に、ゲームアバターではなく現実の容姿になっていたよ。さすがに葵のように性別が変わったのは居なかったが・・・。」
『Lining in Fantasy World』は、まずはヘッドギアによる身体スキャニングから始まって、これにより性別など基本的なアバターが決まる。ここでネカマやネナベは不可になる。あとは種族などを決めてからアバターをいじる。ステ振りやスキル取得などを経てゲーム世界での冒険を楽しむのが流れだ。
「呆然とする者、考え込む者、泣き叫ぶ者、喜び勇む者、色々な反応だったよ。なぜか『異世界キター!』と叫ぶ者が多かったが。まったく、ここが異世界と決まったわけではなかろうに。あとはシステムメニューの呼び出しをする者も多かったな。この時点で分かったのは、まず、アバターから現実の容姿への移行、それとシステムメニューの消失の2点だ。」
リンはため息をつくと、テーブルにあったコップで水を飲む。
「まず容姿のほうだが、私としては容姿変更は現実世界の肉体への置換だと思っている。少なくとも基礎身体データからの置換とでもいうのか。まぁ、私の勝手な考察だから間違っているかもしれないが、少なくとも今の私の体は現実の物と同等だと思ってもいい。せめてアバターの胸だけでも、そのままならよかったのだが・・・。それと、この体は食事も必要だぞ。そして当然飲食すれば・・・、その先はわかるな?」
なるほど、出る物もあるってことだね・・・。さすがにゲームでは、食事はあってもそっちは実装されてなかったよ。理解した僕はコクンと頷いた。
「理解してくれて何よりだ。さらに言えば肉体的成長もある。私も少々背が伸びたのが分かっただろう。ああ、葵にとって一番重要なことを忘れていた。確認するが聞きたいか?」
聞きたいか?って僕にとって一番重要なことなんでしょ・・・聞くしかないよ?
「聞かなきゃだめでしょ?重要なんだから聞くよ。」
「私にも言えたのだが・・・その体、おそらく生理があるぞ。」
・・・はい?




