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第21話 帰還! 地球へ…

 機体の修復の関係で当初の予定よりも、約二週間遅れで地球に帰還することになったラディエス達は、ワシントン基地の面々から手厚く歓迎された。


「よく帰って来てくれた……。しかも誰一人欠ける事無く……」

「当然ですよ! 俺達はなにせSERTですから!」


 ゼナードは調子に乗って、自信に満ちた笑顔で返した。


「おいおい、ゼナード。よせよそんな真似」

「あっ、まずかったかな……?」


 ラディエスに冷たい視線を向けられて、気まずくなりそのまま後ずさりするゼナード。

 彼はハンカチで汗を拭う。


「ディノ司令官、私たち何とかやってみせましたよ」

「クラッセル、私の部下たちを預けて正解だった。感謝する」


 ディノとクラッセルは、固く握手を交わした。


「いや、俺は殆ど何もしてませんよ。彼らが優秀なもので……」


 優しく微笑みながら頷くクラッセル。

 それを聞いたディノも喜んでいるようであった。


「まぁ、謙遜するより先に、ひとまず基地へ戻るといい」

「了解」


 こうして、温かく迎えられた中で彼らは基地へと戻る。



 彼らは基地に戻ってからは、休憩室で自由気ままに、ゆっくりと憩いの時を味わっていた。

ラディエスは、以前のエスニアとの戦いで勝てたのも、アリカから貰ったお守りのお陰だと確信していた。


「それにしても、疲れたな……」

「でも、まだこれからだぜ? 隊長さん」


 ゼナードはラディエスの肩を軽く手で叩いた。


「そうだよな。な? パティ、アリカ」

「確かにね。これからもミュートロン軍は侵攻を続けて行くでしょうし、油断は出来ないわね」


 少し緊迫した表情で、今後の事を悟ったパティ。

 その様子を見て、ラディエス達もこれから戦い続ける事に対し、覚悟を決めた。


「皆さんの言う通りですね……。私もサポート役として、今後しっかりとバックアップをしていきたいと思います。これからもよろしくお願いします」

「助かるぜ、アリカ。この前俺達が勝てたのも、お守りのお陰だよ。ありがとう」


 彼女は頬をほんのり赤く染める。


「いえ……。でも、そう言ってくれると何よりです」


 そのまま彼女は自室へ、そそくさと戻ってしまった。


「あいつ、本当に嬉しかったんだな」

「そうみたいね、フフッ」


 ラディエスとパティは互いに顔を見つめ、笑顔を見せた。



 一方、ミュートロン軍では今後の各惑星侵攻計画に向け、着々と準備に取り掛かっていた。

新型MU(メタルユニット)の開発を迅速に進める開発チーム。

 ここでは、緊迫した空気が張り詰めていた。


「それにしても、デューク総司令……。今の現状では、地球はおろか火星や木星の侵攻も厳しくなってきていますが、どう指揮していくおつもりで?」


 アデスの発言に少しの間、デュークは口を閉ざす。


「うむ。今後はミュートロン軍の戦闘訓練をより厳しい内容のものに変えて、さらに現在開発中の拠点防衛用MUを各支部に配備するしかあるまい。そして私自身が考えを改め、その上で方針を練るしかないな」

「なるほど。力で押し切るという訳で」

「そういうことだ。アデス、これは早急に実施せよ」


 真剣な眼差しで彼に企画書を返したデューク。

 彼は冷静さを取り繕っていたが、実際は違った。

 心中では、他のミュートロン軍の幹部と同様に焦燥している。


「はい」


 アデスは冷静な面持ちでデュークのいる部屋から去って行った。

 彼の行動が吉と出るか、凶と出るか──



 一方、火星政府軍SERT支部では、マーティーたちがミュートロン軍の前線基地となっているアステロイドベルトの周辺区域にて攻撃を仕掛けていた。

 この作戦では、月面基地の戦闘部隊も作戦に加わっており、凄まじい猛攻が繰り広げられ、SERTとミュートロン軍の艦隊やMU戦闘部隊が電撃戦を行っていた。


「このまま敵部隊の陣地に突撃する! 全員V字陣形の状態を保ったまま、一斉掃射を浴びせるぞ!」

“了解、マーティー大佐!”


 クレイオス隊は各々の機銃を素早く構えて、ビームを連射し、敵勢と銃撃戦になった。

 無数の彗星にも似た光線が、目障りになるくらいに明るく輝く。


「しまった! ウワアァッ!」


 迂闊にも隙を見せた敵機は、両腕に一発、さらに胸部にもう一発の光線が直撃し、撃墜され爆発四散していく。


「大佐、このまま正面から切りますか?」

“いや、ここは二組に分かれて、その上で挟撃を行う。陣形は横陣形でな”

「了解」


 ドニーは他の部下を従えて、マーティーと協力して陣形を変えながら銃撃を行う。

 強靭的な火力で、次々に敵部隊のシグネスを撃墜していく。


「させてたまるか……、何ィッ!? ウワアァァッ!」


 隊長機であるマグナイドは回避しながら攻撃しようとするも、あっさりと撃墜された。

 電光石火の如きクレイオス隊の猛攻は、留まることを知らない。

 その後、敵旗艦に突撃したマーティーたちは、集中砲火を浴びせるべく、月面基地の戦闘部隊と共に攻撃を仕掛ける。


「まずは主砲を狙え! それ以外の部分は後からでも破壊出来る。行くぞ!」

“了解!”


 マーティーは荒鷲のような眼光を輝かせ、ビームライフルで光線を素早く撃っていき、敵戦艦シールドのエネルギーを一瞬で消耗させ、そのまま主砲をあっさりと破壊した。

 その後敵戦艦は限界を迎えて爆発四散し、かつて戦艦だった破片は、巨大なスペースデブリと化した。

 こうして、クレイオス隊にとってこの戦いは、燦爛たる戦果となる。



 その翌日、この戦果は太陽系全体で騒然となる。

 ラディエス達はそのニュースを見て、自分も負けてはいられないと感じた。

 それは、戦死したジミーを安心させるためにも、プロメテウス隊をより強靭な部隊にすると誓った瞬間でもある。

 彼の努力は報われるのか──


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