第11話 キュロス隊の奇襲
ラディエスはジミー隊長の写真を眺め、少し気分が鬱蒼とする。
「俺は、ジミー隊長の望みを叶えることが出来てるかな……」
「隊長さん、どうしたんだ」
ゼナードは真っ先にラディエスの元へと駆け寄る。
「俺は……、この部隊をしっかり率いてるかなーって」
「大丈夫だと思うけどな。まあ、あくまで俺から見たらって話だけど」
それでもラディエスの顔つきは暗かった。
「それに限らず、最近はちょっと気分がブルーでさ。嫌になっちゃうよ」
「お前は昔から考え込み過ぎる癖があるからな。あんまり思いつめんなよ」
ゼナードは、肩を軽く叩いた。
「そうだな……。分かった、ゼナード」
ラディエスは立ち上がり、そのまま演習場へと向かったのだった。
一方、ミュートロン軍では歴戦の兵士の一人、ゴウト・バルケス大佐が率いるキュロス隊が、地球侵攻部隊の一員として加入することとなった。
彼らは過去に、天王星や海王星の資源発掘地帯の侵攻に成功している。さらに木星の衛星の侵攻作戦にも参加しており、名だたる部隊と言える。
「ゴウト大佐、ついにこの時が来ましたね」
「うむ、そうだな。エスニアですら、地球侵攻作戦では苦戦していたらしいからな我々がやるしか無かろう」
ゴウトは大胆不敵にニヤリと笑みを浮かべた。
「作戦実行にあたって、今回は試験運用が完了した新型MU『ヘルセイド』の方を本格的に導入することになっております」
「そうか。それは実に面白いじゃないか。奴らの地を蹂躙するとなれば、俺の心臓が高鳴るばかりだ……」
こうして、キュロス隊は会議室へと向かい、戦闘に向けてミーティングをしっかりと行う。このミーティングは数時間に渡ったものの、彼らは自信に満ちていた。
それから四日後、キュロス隊による地球侵攻作戦は開始された。
まずはミュートロン軍の方から艦隊による攻撃が行われ、そのまま彼らは輸送艦ごと大気圏内に突入していく。
こうして、彼らはワシントン基地を夜中に奇襲した。
これに気付いたワシントン基地の戦闘部隊は、早速敵軍に対し反撃を行うことになる。
「よし、出撃だ! パティ、ゼナード、護衛を頼んだぞ! アリカはヒュペリオン隊と協力して索敵支援を頼む」
“お任せあれ、ラディエス隊長!”
アリカは早速周囲のレーダーやカメラのシステムを、フルに使うことにした。
“シュウ大尉、今回はよろしくお願いします”
「任せてくれ、アリカ。僕ならやれるはず。エルダ、ケビン、二人は僕や他の部隊と共に遠距離から砲撃を頼む」
“分かりました。お任せを”
こうして、シュウは索敵を行いながら空中で戦闘を行う。
「よし、敵10時の方向から三機! 至急集中砲撃を行うぞ!」
“了解!”
シュウ達は機銃を構えて、遠距離から無数の閃光を放つ。
敵MUのドールクスは次々に撃墜されていくが、まだこれは尖兵ですらない。
この状況を見てゴウトは、慎重に彼らの方へと迫っていく。
「こいつらめ……。なかなか骨のあるやつじゃねぇか。だが俺達にかなうかな?」
敵兵士は自らの機銃をチャージモードにして、凄まじい威力の光線で敵を狙い撃つ。
「なんだ!? 空中から撃って来たみたいだが。索敵システムによると……、こっちの方向に来てるのか!」
“シュウ大尉、もしや……”
「敵部隊は僕たちの方へ来ている! ケビンは援護を」
“了解!”
「エルダは地上にいる部隊に対空キャノン砲を使うよう連絡を入れてくれ」
“分かりました。お任せを”
一方、ラディエス達もまた空中で敵軍と交戦しており、ここでは激しい戦いが繰り広げられていた。
「ミサイルを一斉に発射せよ!」
敵部隊は挨拶代わりにミサイルで迎撃するが、ラディエス達は遠方からそれを一斉掃射で破壊した。
“一気に攻めようぜ、隊長さんよ”
「分かった! このまま三人で接近するぞ」
こうして、三人は接近しながらビームライフルを撃ち、敵機を撃墜していく。
その最中で一機の敵機がビームソードで斬りかかる
「落ちろォォッ!」
「させるかよッ! ビームソード展開!」
機体を一閃したラディエス。そのまま彼は冷淡な表情で機銃に持ち替えて攻撃を仕掛けていく。
そして、パティの機体と背中合わせになる。
“ラディー! これは……”
「やべぇことになりそうだな」
ラディエスとパティはビームライフルで敵機をひたすら掃射していく。
どうにか敵機の通り道を防げたと思っていたラディエスだったが、敵はそこまで甘くはなかった。
キュロス隊を筆頭とする本隊が、彼らの方へと接近してきたのだ。
「さてと、新型の蒼い奴を分からせてやろうじゃないか! この俺達の力でな」
“行きましょう、隊長……”
部下のウィル・ボーリアンは大胆不敵にニヤリと笑う。
「任せな、ウィル!」
敵機が攻撃を仕掛けようとする中、ラディエス達は血気迫る。
果たして、ラディエス達はキュロス隊を相手にどう戦うか?




