第12話 生死を賭けた戦い
プロメテウス隊はゴウト率いるキュロス隊と交戦状態になり、ラディエスはV字陣形になるようパティとゼナードに指示を仰いだ。
「この状態で突撃するぞ。接近戦は俺が優先的にやっていく」
“了解!”
ゴウトは大胆不敵に、背面のビームキャノンで一気に光線を乱射し、ラディエス達を苦しめる。
さらに部下の乗るシグネスも、プロメテウス隊を囲うようにして襲い掛かろうとする。
「落ちろ! 新型の蒼いやつめ……」
だが、ラディエス達はまだ考えがあった。
「こうなったらさらに上空へ行って抜けるぞ」
“分かったぜ、隊長さん”
陣形をそのままに、ゴウト達のいるさらに上空へと駆けて、包囲網をくぐり抜けた。
そこで頭上から遠距離射撃を仕掛け、キュロス隊に反撃。
「ふん! 小癪な……。アームキャノンだ!」
「させるかよォッ!」
ラディエスはシールドで防御し、そこから再度射撃を行う。
「くっ、このままじゃキツイな……。アクティブウインガーを呼ぶしかないな」
即座にラディエスはアクティブウインガーのシステムを起動させ、出撃させる。
“ラディー、ここは私が……”
「パティ、無茶すんなよ」
パティは、飛び回りながらビームライフルで牽制しようとするものの、なかなか自分たちのペースに運ぶことが出来ない。そこで、ゼナードがフォローしようと敵の後方に立ち回る。
「こんな安易な戦法に引っかかるかよ!」
「何ィッ!? ギャアッ!」
ゼナードはパティと共に敵を挟み撃ちにしたことで、敵機を撃墜した。
このタイミングでラディエスも武装交換が完了し、アクティブウインガーから出て攻撃を開始した。
装備は、腕部のみストライクタイプのものとなっていた。
ラディエスは素早くアームキャノンから光線を敵の死角から狙い撃つ。
「これなら……、いけるはずだ!」
「クソォッ! こんな所で……」
敵機は煙を上げながら地上に墜落した。
「こいつらめ……。なかなかやるじゃないか。ウィル、ドレイク、俺達で奴らを倒してやろう」
“了解! ゴウト大佐”
“俺達でここを陥落させましょうぜ”
キュロス隊の幹部三人は、凄まじいスピードで接近して機銃を撃っていく。
「全員回避! アクティブウインガーは援護射撃を!」
「ふん、どこまでも悪あがきしやがって! 落ちろォッ!」
ここでゴウトは、アクティブウインガーは撃ち落とす。
原形を保ったまま墜落したのが不幸中の幸いであった。
「まずい! 隊長さん、ここは俺が止める」
“ゼナード、よせ!”
ゼナードはビームソードを展開して攻撃を仕掛ける。
「テメェなんかこれで!」
ゴウトの撃ち放った光線で、ゼナードのシールドユニットが破壊。さらにコクピットにもその衝撃が響いた。
「ウワァッ! くっ……、ヘルメットがあって助かったぜ」
“ゼナード、早く下がるんだ! ここは撤収しろ”
「分かった、隊長さん」
この影響で他の部隊がラディエス達のフォローに回ることとなった。
“ラディエス、ここは俺達が援護するぜ”
「クライド、ここは任せた」
“俺がやってやるぜ”
ラディエスと同期のクライドが率いるアイオーン隊が合流し、何とか危機一髪の状態から脱した。
“ラディエス、今だ!”
「ここはインパクトキャノンで……、撃つ!」
彼は光線で敵機を一閃した。
「ラディエス、ここは奴らを!」
“分かった、任せてくれ”
ここでさらに、アイオーン隊が一斉攻撃を仕掛ける。
さらに地上からは、オルフェウス隊が対空攻撃を仕掛けた。
「ふん、小賢しい真似を! これで決める!」
ゴウトはアームキャノンでロードブレイダーMk-Ⅲに被弾させる。
“コンディションイエロー、今後の攻撃に注意して下さい”
機体のAIの音声が流れ、ラディエスは冷や汗を流す。
「このままやられてたまるか! パティ、集中砲火で行くぞ!」
“了解!”
ラディエスとパティ、アイオーン隊の面々はすぐさま光線を放ち、敵勢を迎え撃つ。
「ラディエス、ここは僕達も!」
“シュウ! 助かるぜ”
さらにそこへとヒュペリオン隊が来たことにより、一気に敵勢を畳みかける。
「なんちゅう攻撃だ……。だがこれくらいで怖気付くとでも?」
ゴウトは素早く接近して、ビームライフルで攻撃を行う。
「これくらいでェッ!」
ラディエスはゴウトの機体に蹴りを入れ、そこから右腕のアームキャノンで攻撃した。
機体は損傷していたものの、ゴウトは強引に地上の方へと攻撃を仕掛ける。
「お前らの拠点はぶち壊してやるぜ! 行くぞウィル、ドレイク」
“了解!”
”これで終わりですね……”
キュロス隊はラディエス達に光線を放ち、彼らを怯ませる。
「まずい、基地が危ない!」
“行きましょう、ラディー!”
敵勢が地上の基地へと攻撃を仕掛けていき、施設は破壊されていく。
「パティ、行くぞ!」
“分かったわ、ラディー”
だがそこへと、ラディエスとパティが攻撃を仕掛ける。
「まだ悪あがきをするか!」
「俺達は負けない……。必ずな!」
ラディエスは腰から予備武装のビームソードを取り出して斬りかかる。
そこからゴウトは防御するも、大きく弾き飛ばされる。
「まだだ! もう一度行くぞ」
さらにラディエスは、素早く剣で斬撃を何度も繰り出し、ゴウトの右腕を切断した。
「しまったッ! 腕をやられたからには、撤収するしかあるまい」
“分かりました、大佐”
こうして、ラディエス達は何とか敵部隊を退けた。
だが、ワシントン基地の施設は三割ほど破壊されてしまい、凄惨な状態となっていた。
犠牲者も数十名出ており、ラディエスはこの基地をしっかりと守れなかったことを後悔した。
「クソォッ……、俺達が不甲斐ないばっかりに……」
ゼナードとパティは思わず押し黙ってしまう。
「俺は、守れなかった……。この基地を」
「ラディー、顔を上げて」
パティは、彼の肩を優しく叩く。
「パティ、ありがとよ。次は必ず、この基地を守ってみせる……」
夕陽が浮かぶ真っ赤な空を見上げ、ラディエスは固く決心した。
次こそはこの地を守り抜いて見せると──




