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第95話 幻視

金毛神の尻尾をもふりたくてたまらない俺に、反狐神が金毛神の欲しいものを聞いてきてくれた。

「なんだった!?」

「特にないって言ってたよ」

「マジかぁ・・・」

打つ手の無くなった俺に追い打ちをかけるように反狐神が話し始めた。

「それと・・・言いにくいんだけど」

「なに?」

「好奇神のこと知らないって言ってた・・・」

ーー

「なぁ、今何か欲しいものとかあるの?」

「急になに?」

「いや、なんとなく気になってさ」

「特にないわね」

「そうか・・・」

「そういえばこの前好奇神に会ったぞ」

「・・・誰?好奇神って」

ーー

「・・・」

驚愕の事実に『もういっそのこと、行動してしまおうか!』と思っていると怪猫神が気付き、爪を立てて来た。

「アホな事考えるにゃ」

「ごめんなさい」

「でも、覚えてないのは流石にショックだよ〜!」

「物じゃ釣れないってことにゃ」

「しょうがない、普通に飲み会でもセッティングするかぁ」

こうして俺は神界、魔界、人間界の酒を用意し飲み会を開くことにしたのだった。

飲み会当日ーー

俺の告知した飲み会に参加したのは約30名の神々。

「多くない!?」

「参加者を募ったらこうなったよ〜」

「まぁ多い方が楽しいからいいけどさ・・・」

すでに飲み始めている神もいれば、金毛神の尻尾をクッションがわりにしている創造神と言う狼藉者もいた。

「創造神は強制退場でいいかなぁ?」

「落ち着くにゃ」

「だって・・・めちゃくちゃ羨ましいんだもん」

その時、狼藉者の創造神に呼ばれた。

「お〜い♪好奇神も来なよ〜♪」

「あいつ神か!?」

「神にゃ・・・」

俺は金毛神グループに入り酒を飲み始めた。

「あぁ、好奇神ってあなただったの」

金毛神は思い出したようで話しかけて来た。

「あのお酒、美味しかったわよ」

「そりゃよかった!」

そこで会話が終わった。

『やばい!会話が続かない!何かいい方法を考えねば』

「尻尾に創造神乗ってるけど重くないの?」

「別に・・・」

シーン・・・

『なんでここだけお通夜みたいな雰囲気にゃ?』

怪猫神がお通夜雰囲気をぶち壊してくれた。

「どの酒が美味かったにゃ?」

「そうねぇ、どれも美味しかったわ。特に梅の・・・」

シュッ!

「好奇神!?」

シュッ!

「買って来たよ〜」

『こいつ行動力やばいにゃ・・・」

「あら、ありがと」

その後、金毛神が"物"に関する発言をするごとに手に入れて戻ってくる俺を不思議に思ったのか金毛神から話しかけて来た。

「あなた、なぜ私が言った物すぐに持ってくるのかしら?」

「・・・主催者だから?」

「その割には他の神の時は動いてないみたいだけど?」

「それは・・・」

「はっきり言いなさい」

「金毛神と仲良くなりたいからです・・・」

「私と?」

「はい・・・」

「あなた変わってるのね。私のような神と仲良くなりたいなんて」

「まぁ、覚えといてあげるわ」

「ありがとうございます!」

「好奇神はこの尻尾をもふもふしたいんだって〜♪」

創造神、雰囲気をぶち壊す。

「創造神!なんで今それ言うの!」

金毛神は冷やかに俺を見ていた。

「ほら!金毛神が怒ってる!」

「なんで〜?触りたいなら触ればいいじゃん♪」

金毛神はなにも言わずに俺を見る。

「ダメだよ!」

その時、世界が一変した。

周りには狐や狼などもふもふしがいのある動物たちが沢山いた。

「あれ?なんだこれ・・・」

俺は飲み会の席に居たはずなのに急に別世界に居た。

「わぁ〜もふもふがいっぱいだぁ・・・」

意識をもふもふに持っていかれそうになる。しかし誘惑に耐え、俺は考えた。

「何が起こったんだろう?」

周りを見渡す。

「もふもふが・・・ダメだ!耐えろ俺!」

そして飲み会の席に戻ってきた。

「あれ?戻ってきた?」

「どうしたにゃ?」

「いや、なんかもふもふの世界に行ってた・・・」

「あ〜!金毛神、能力使ったね〜?」

創造神の言葉に反応する俺。

「今の金毛神の能力なの?」

「そうよ、どうだったかしら?もふもふの世界は」

「最高!じゃなくて!なんで能力を俺に使ったの?」

「あなたのことを知ろうと思って」

「私の能力の一つ、"幻視"はその者の欲を見せることができるわ」

「だからもふもふだったのかぁ」

「あなた、どれだけもふもふしたいのよ」

金毛神は少し笑っていた。

「尻尾・・・触りたいのかしら?」

「いいの!?」

「まだダメよ」

「今の触らせてくれる流れだったじゃん〜」

「もう少し仲良くなってからね」

その言葉だけでこの飲み会を開いた意味があった。

「これでようやく一歩前進にゃ」

「そうだね!」

こうして飲み会はお開きとなった。

ちなみに周りのグループは普通にどんちゃん騒ぎをしていたそうだ。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第96話 記憶


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