第90話 10と28
俺たちは管理神がまとめた数百の記録を見ていた。
「何か現れる時の法則があるのかなぁ」
「時間とか場所とか?」
「俺もそう考えて確認してみたが、時間も場所もバラバラだった」
「そっかぁ・・・」
「時間・・・場所・・・空間」
「ん?」
案内神が何かに気付いた。
「ちょっと貸してくれ」
案内神は全ての映像の一部を見て確認していた。
「ノイズの発生時の数字が人間界の10と28の時に現れているぞ!」
全員が映像を確認する。
そこには人間界の10時、28日、10分、28分、10月と二つの数字の時にノイズが発生していることがわかった。
「だが10と28はどういう意味があるのだ・・・」
その時俺はあることに気付いた。
「・・・ねぇ・・・偶然かもしれないんだけどさ・・・」
「なんだ?勿体ぶらずに言え」
「・・・俺の人間としての産まれた日が10月28日、それに死んだ日も確か10月28日・・・」
「なんだと!?」
全員が驚いていた。
「・・・偶然・・・だよね?」
「いや、偶然にしては出来すぎている」
「俺が生まれた時より前の記録はどのくらいあるの?」
「かなりあるぞ・・・」
「つまり、お前が生まれるより遥か昔から10と28という数字に意味があった、ということになるな」
「でも俺が生まれてないのになんでその数字なんだろうね」
「・・・転生」
創造神が小さく呟いた。
「・・・は?」
「あぁ、うん。ごめんね。あくまでも可能性の話なんだけどね、好奇神ってもしかしたら転生を繰り返してたんじゃないのかなって」
「10月28日に生まれて、10月28日に死ぬ。そのサイクルを何千年も前から繰り返していたとしたらって思ったの」
「・・・0ではないが可能性はあるな」
「俺が・・・転生?でも何も覚えてないよ?」
「前に神の仕事で転生のことを話したことを覚えているな?」
「うん、転生と判決されたものは閻魔の元へ送られるって話だよね?」
「そうだ。その転生の時、生前の記憶を持たぬように記憶を消してから転生させるのだ」
「だから俺は覚えていない?」
「あくまでも可能性の話だがな」
「好奇神!気配にゃ!」
ジ・・・ジジ・・・
何もない空間にノイズが走り、作者神が姿を現した。
「10・・・28・・・ーー・・・転生」
ジジ・・・
ノイズと共に不気味に笑い姿を消す作者神。
全員が警戒をしている中、俺だけが青ざめていた。
「どうした!好奇神!」
「さっき作者神が言っていた数字の後・・・俺の本名なんだけど・・・」
再び全員が驚く。
「なぜ奴はお前を知っている!?」
「俺にもわからない・・・でもさっきの創造神の言葉、本当なのかもしれない」
「何千年も転生を繰り返し、10月28日に生まれて死ぬ・・・」
「お前・・・何者なんだ?」
「・・・」
管理神の問いに俺は答えられなかった。
「好奇神は好奇神だよ!」
創造神が俺に向かって大きな声を出した。
「何回も転生してたとしても、今は好奇神だよ!」
「そうだな、お前は好奇神。神様だ」
「そうだにゃ。気になったものを追いかける。それがお前にゃ」
「みんな・・・」
俺は泣きそうになるのを堪えた。
「これで謎は一つ解けたね!あいつは俺に関係している何かだ!」
「だが、今までは数字で現れていたが今回は関係のない数字で現れている」
「一つ解けたと思ったらまた謎が増えたなぁ」
「これからどう動く?」
案内神の問いかけに俺は答える。
「・・・案内神と管理神にお願いがあるんだけど」
「なんだ?」
「過去への干渉を許可してほしい」
「それはダ・・・」
「許可しよう」
案内神が言いかけた言葉を管理神が遮る。
「おい!いいのか?」
「数千年追い続けた存在の正体がわかるなら構わんさ」
「お前がそう言うなら・・・だが、干渉は最小限に抑えろ。いいな?」
「わかった!創造神も行くよね!?」
「もちろん!」
「私も行くにゃ〜」
「ありがとう猫神様」
「もし、俺たちが行ってる間に魔王さんか冥王から情報が来たら教えに来て?」
「いいだろう」
「じゃあ行ってくる!」
こうして俺たちは好奇神の始まり・・・いや俺のルーツを探るため、過去へ飛んだのだった。
人間界某年10月28日ーー
シュッ!
俺たちは俺が生まれたであろう産院の前に来ていた。
「懐かしいなぁ。大人の時にはもう無かったんだよね・・・」
「好奇神、生まれた部屋はどこ?」
「そこまでは覚えていないよ〜。とりあえず俺の名前で探したら見つかると思うよ」
俺が生まれた部屋を、名前で探し部屋の前で待機する。
産声が上がる。時刻は10月28日10時28分10秒。
「好奇神で間違いなさそうだね」
不気味なほど10と28に縛られて産まれてきたことを知り、少し恐怖を覚えた。
頭の上の怪猫神が毛を逆立たせていた。
「いるの!?」
「いるにゃ・・・」
俺はドアを少し開け、中を覗き込む。
懐かしい家族の中心に抱っこされている俺がいた。しかし、その後ろで奴が笑っていた。
「・・・嘘だろ?」
作者神は俺に気付くと消えていった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第91話 好奇神のルーツ
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