第89話 深まる謎と協力者
ジ・・・ジジジ・・・ジジ
「お・・・は・・・れ・・・だ・・・」
ーー
一旦神界に戻った俺に魔王からの連絡が来ていた。
「では私はこれで」
伝令神から伝えられた内容を聞き思い出した俺は魔界へ向かおうとしていた。
「何かあったの?」
「そういえば魔王さんと冥王と人間界ツアーの時に更生のことを話してたんだ!忘れてたよ」
人間界ツアー、一日目の夜ーー
「なんじゃ話とは」
「うむ、好奇神から更生の協力の申し出があってな」
「あいつがか?面白がってやるもんでもないんじゃがのう・・・」
「だが、あいつは神界と魔界を繋げてくれたやつだ。悪いようにはならないだろう」
「うーむ、好奇神の話も聞いてみんとなんとも言えんのう」
「旅行の後に話し合いの場を設ける。それでよいか?」
「うむ」
そして現在、魔界ーー
「魔王さん来たよ〜」
「うむ、遅かったな」
「色々あってね〜、冥王も一緒だったんだ」
「死者の更生はわしの仕事じゃからの」
「では、話し合いをしようか」
俺たちは冥界の更生について話し、俺の案を伝えた。
「ふむ、お前の考えはわかった。一度持ち帰って検討しよう」
「よろしくね」
「そういえば、作者神とやらは見つかったのかのう?」
「いや〜?探せば探すほど謎が深まるというか・・・」
「んにゃ!」
怪猫神が毛を逆立てている。
「この気配!いるにゃ!」
「なんで!?なんの条件も満たしてないぞ!?」
「知らないにゃ!」
しかし姿はどこにも見えない。
「どうしたのだ?」
「魔王さん!この魔界に俺に似た神が来たことは!?」
「ないが、それがどうしたのだ?」
「好奇神!」
怪猫神が叫ぶ。
俺は怪猫神に呼ばれて外へ出る。
上を見ると山ほどの巨大な岩がこちらへ向かって落下して来ていた。
「嘘だろ・・・おい」
俺は何もできずにただ立ち尽くしていた。
「お前ら!どけ!」「お主ら!どくのじゃ!」
魔王と冥王が同時に言葉を発する。
「我が!」「わしが!」
「破壊する!」「朽ちさせる!」
魔王が本来の姿となり、岩を拳で破壊。
冥王が破壊された破片を全て朽ちさせた。
俺はただただ見ていることしかできなかった。
「無事か!?」
「あ・・・うん」
「なんだったのじゃ今のは」
「気配が消えたにゃ」
「俺・・・何もできなかった」
「面白そうで動いてるだけのただの人間だ・・・」
俺は何もできなかった悔しさで涙をこぼした。
「それは違う、好奇神よ」
魔王は仮の姿は戻り、俺の肩を叩く。
「お前は立派な神だ。我らの何千年も続く亀裂を直してくれた。お前の力は武力ではない。周りを巻き込み面白いを伝播させるのだろう?」
「そうじゃな。人間界ツアーもお前がいなければなし得なかったことじゃ。お前以外にはできんことじゃろう」
二人の言葉に涙が止まらず、顔を上げることができなかった。
「お前の頭は居心地がいいにゃ」
怪猫神が頭に乗り、尻尾で涙を拭った。
「それ・・・慰めてるつもり?」
「にゃ!」
「ははっ!ありがとう!」
「それでよい」
「じゃな」
いつもの俺に戻り、さっきの出来事を考えた。
『俺の仮説が間違っていたのか?なぜ姿を現さなかった?なぜ攻撃して来た?そもそも魔王と冥王がいるところに攻撃なんかするか?』
「おい、知っていることを話せ」
俺は魔王にさっきの出来事、謎の作者神という神についてを全て話した。
「ふむ、似たような事なら過去にも起きたことがある」
「マジ!?」
「うむ、我がまだ魔界を発展させている途中だった頃だ。突然目の前に人型の何かが現れた。酷いノイズで何者かはわからなかったが、敵意は感じられなかった。驚いていると人型は消えていったのだ」
「その話が本当なら、さっきの攻撃だと思っていたものは攻撃じゃなかった?」
「待つのじゃ!まだ決めつけるのは早いじゃろ!」
「そうだけど・・・わざわざ魔王と冥王がいるのに攻撃してくるかなぁ」
俺たちは考えたが答えが出ることはなかった。
「我も調べてみよう」
「いいの?」
「うむ、魔界も神界と同じ年月を生きておる。情報の一つや二つあるだろう」
「あー!もう!仕方ないのじゃ!わしも調べてみる!」
「冥王まで・・・無理しなくていいよ?」
「あんなことされて黙ってられるわけがないじゃろう!?」
「二人ともありがとうね」
「その代わり!また人間界に連れて行くのじゃ!」
「わかった!計画しとく!」
俺たちは一旦別れ、それぞれが謎の存在を調べることになったのだった。
神界ーー
「案内神!新しい情報!」
「何があった?」
俺は案内神、そして創造神に魔界で起きたこと、魔王と冥王が協力してくれることを話した。
「神界や人間界だけの問題ではないというのか・・・」
「姿を現さなかったのはなんでだろうね?」
「わからない・・・意図が全く読めない」
そこへ管理神がやって来た。
「おい、俺も混ぜろ」
「管理神!」
「世界管理庫の記録からノイズが発生した時間、場所をまとめてみた。確認してくれ」
管理神はまとめた数百の記録を見せてくれた。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第90話 10と28
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