第88話 過去?
新聞社編集長室ーー
俺たちは謎の存在である作者神のことを調べるため、新聞社の編集長、臭撃神の元へ訪れていた。
「作者神?そんなこと書いた覚えはありませんね」
「それに作者神なんて神はこの新聞社にはいませんよ?」
「手がかりなしかぁ・・・」
「作者神の情報は何かない!?」
珍しく創造神が食い付いている。それだけ自分のことを知りたいのだろう。
「さぁ・・・私にはわかりませんね」
「そっかぁ・・・」
俺たちは臭撃神の能力が発動する前に新聞社から立ち去った。
「何も手掛かりがなかったね」
「うん・・・」
明らかに落ち込んでいる創造神。
「まぁそのうち情報が手に入るさ」
俺は創造神の頭を撫でながらあることを考えていた。
『作者神が現れた時の状況が、爆走神と殞亡神に会った後だったよな・・・俺の過去が関係してんのか?』
「創造神!ちょっと試してみたいことがあるんだけどいいかな?」
「いいけど、何するの?」
「ちょっと人間界にね」
そういうと怪猫神と案内神が待つ場所まで移動した。
「案内神!ちょっといい?」
「戻ったか。何か情報はあったか?」
「いや、何もなかったよ。それよりもちょっと試したいことができたんだ」
「なんだ?」
「作者神が現れた時の状況を考えて仮説を立ててみたんだけどね」
俺は案内神に自分の過去、すなわち人間だった頃の趣味を楽しんだ後、死を司る神に会った。その後すぐに作者神が現れたことを伝え、もしかしたら俺の過去が関係しているかもしれないことを話した。
「なるほどな・・・しかし、なぜお前の過去が関係するのか、殞亡神との関係もわからんな」
「だから試すんだよ!」
「また爆走神に乗るの?」
「いや?俺は人間だった頃に趣味はたくさんあったんだ!だからその中の一つをやろうと思う!」
「案内神には殞亡神を連れて来てほしい」
「何をするのかはわからんが、わかった」
「よし!じゃあ二人とも行くよ!コスプレ会場に!」
「「・・・は?」」
その場にいた全員が固まった。
「・・・なぜコスプレ会場なのだ?」
「俺の趣味だからだよ?神の姿ならコスプレですって言えば通るかな。ほら!行くよ!」
理解できていない二人を連れて人間界へ向かった。
人間界、コスプレ会場ーー
「おぉー!この雰囲気懐かしい!」
会場に入り、神の姿となった俺たちはなぜかカメラマンの行列ができていた。
「なんでだ?」
「さぁ?」
「知らないにゃ」
その時、創造神が何かを見つけた。
「あれ!好奇神そっくりの人がいる!」
俺たちは撮影会を中断し、その男の元へ向かった。
「すみません!ちょっといいですか!?」
俺たちが声をかけた男は確かに好奇神そっくりだが、ノイズが走っていない。
「なんですか?・・・うぉ!好奇神のコスプレですか!?めっちゃクオリティ高いですね!」
俺と創造神は顔を見合わせていた。
「創造神様もめっちゃかわいいっす!」
「ありがと〜♪」
「いやいや!どういうこと!?好奇神のコスプレって何!?」
「どういうことって・・・これは今人気の"好奇神"ってアニメの主人公のコスプレですよ?」
「はいぃぃぃ!?」
「アニメ!?なんで!?」
「少し前に匿名で小説が投稿サイトに投稿されたんです。それが面白くて一気にアニメ化まで行ったんですよ」
「うそん・・・」
「しかもこの作品、設定資料や作者が一切出て来ないんですよ」
そこへ案内神が殞亡神にを連れて来た。
「やば!案内神までいるんですか!?あとで写真お願いします!」
「おぉう?なんだ?」
「ちょっと待っててね」
俺は一般人に言い、案内神と殞亡神のところへ向かった。
「どういうことだ?」
「実は・・・」
俺は好奇神というアニメが人間界で人気だということを話した。
「意味がわからない・・・好奇神はお前だろう?」
「俺もよくわからないんだよ!」
その時、怪猫神の毛が逆立ち、臨戦体制をとった。
「どうしたの?猫神様」
「くるにゃ・・・」
空間が歪み、ノイズが走る。
そこに作者神の姿が現れた。
しかし周りの人間は見えていないようで、人々は作者神をすり抜けて行く。
「実体がない!?」
「お前!何者だ!?」
案内神の問いに、薄気味悪い笑みで答えた作者神はそのまま消えていった。
「消え・・・た」
「・・・確かに好奇神に似ていたな」
「猫神様!気配は!?」
「・・・もうないにゃ」
「また情報を得られなかった!」
創造神は悔しそうな顔をしている。
「そうでもないよ、創造神」
「ああ、少なくともお前の仮説が現実味を帯びて来た」
「やっぱり好奇神の過去に関係があるの?」
「その可能性は高いと思うよ」
「しかし、何がトリガーになっているかがわからんな」
「趣味なのか、過去なのか、殞亡神なのか・・・もしくは全てなのか」
「まだまだ試さないとダメみたいだね」
「その時は私も呼べ」
「わかった」
案内神と殞亡神はそのまま帰っていった。
「あれ!?案内神はどこに行ったんですか!?」
「帰っちゃった!俺たちだけで写真を撮ろうか!」
「お願いします!」
その後俺たちはコスプレ会場で写真を撮り、交流してから会場を後にした。
ジ・・・ジジ・・・
「今は・・・まだ・・・」
読んでいただきありがとうございました!
次回 第89話 深まる謎と協力者
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