第84話 勝って吐く
「好奇神様、ちょっと宜しいですか?」
「なに〜?」
その瞬間、荒々しい雰囲気になったスサノオから一閃を受ける・・・が、ブリッジで避ける俺。
「おわっ!」
スサノオは驚いた顔をしていた。
「まさかその様な避け方をされるとは思いませんでした」
「急にやめてよ〜。びっくりするじゃん」
「好奇神様の御力を見てみたいと思いましたので」
「ちゃんと申し入れをしてくれたら相手するよ〜」
「本当ですか!?ぜひお願いしたいです!」
「俺もスサノオという伝説の英雄と手合わせしてみたかったからね。それに俺男の子だし!」
「創造神!木刀を三本作って!」
「わかった〜♪」
創造神は木刀を三本創り出した。
「なんで三本にゃ?」
「俺が二本使うからだよ〜。猫神様は危ないから離れててね〜」
「にゃ!」
「二刀流ですか、楽しめそうですね」
「よろしく〜」
「本気でやってもよろしいので?」
「元人間だから御手柔らかにね〜」
構える二人、スサノオからは先ほどの荒々しい雰囲気が出ている。
「すっげ・・・」
目の前にいる男の気迫に押されそうになるも、それすら楽しんでいる俺がいた。
「参る!」
その瞬間、目の前から消えるスサノオ。
激しい衝撃が脇腹に走り、吹っ飛ぶ俺。
「うぼぁー!」
ズドォーン!
「いってぇ!すげぇなぁ!これが伝説の英雄の一太刀かぁ!」
「よし!やるぞぉ!」
俺は土煙を払い、スサノオに飛び掛かる。
「よっ!ほっ!」
全ての剣撃を難なく受け止めるスサノオ。
「すげぇ!全部止められてる!」
「仕合中に口を開くと噛みますよ!」
再び吹き飛ばされる。
ズドォーン!
「くっそ〜、せめて一太刀!」
「でもだんだんわかって来たぞ!これなら・・・」
とある動きで、スサノオを翻弄する。
「これは・・・」
俺は生前やっていたゲームの動きを真似て様々な技を繰り出す。
しかし、スサノオはそれでも受けきっている。
『マジか!この人!』
そして、三度目に吹き飛ばされた俺は・・・
「参った!降参!」
両手をあげて土煙の中から出てくる俺に、穏やかな雰囲気のスサノオが迎えてくれた。
「いや〜すごいですね!どこで二刀流を覚えたんですか?」
「昔やってたゲームの見様見真似だよ〜」
「上手くいかないもんだねぇ」
「なかなかに奇怪な動きで楽しめましたよ!」
「楽しめたのならよかった!」
俺たち二人の仕合を見ていた怪猫神がこちらに近づき、俺の頭に乗って来た。
「まだまだだにゃ〜」
「無茶言わないでよ〜」
「私もやりたい!」
創造神が手を上げてこちらを見ている。
「創造主様とですか?」
「やめといた方がいいと思うよ?」
「やだ〜!やる〜!」
俺とスサノオは顔を見合わせた。
「仕方ないですね。やるからには手加減はできませんよ?」
「わかってるよ〜」
「創造神、木刀は?」
「いらな〜い」
再びスサノオの雰囲気が変わる。
「いつでもいいよ〜♪」
「では、失礼します!」
ズドォーン!
スサノオの激しい一閃が創造神を襲い、土煙が舞う。
「創造神!」
「は〜い♪」
そこには傷一つない創造神の姿と彼女を守る様にそびえ立つ土壁があった。
「うぅわ、マジかよ」
軽くショックを受ける俺を怪猫神が尻尾で慰めていた。
「今度はこっちの番♪」
創造神が地面に手をつけると、土が集まり槍の様に形成され、スサノオを襲う。
「やりますね!」
スサノオも負けじと全ての槍を斬り伏せる。
「全部斬った〜!すごぉ〜い!」
「・・・その余裕、ねじ伏せたいですね!」
スサノオが斬りかかるも、土壁でガードする創造神。そして片手で何もないところを掴み、スサノオに投げつける。
「えい!」
ブォン!
目に見えない気体の塊に吹き飛ばされたスサノオ。
土煙から出て来たスサノオは両手をあげていた。
「参りました。さすが創造主様です」
「勝った〜♪」
ぴょんぴょん飛び跳ねる創造神は嬉しそうだった。
「・・・あの神、酔っ払ってなかったっけ?」
「創造神は別次元にゃ」
創造神がニコニコしながらこちらに走ってくる。
「勝ったよ〜♪」
「無茶苦茶だね〜」
さっきまで喜んでいた、創造神が止まる。
「どうしたの?」
「・・・吐く」
「ちょっとま・・・」
「うぉえぇぇぇぇ!」
激しく動いて酔いが回ったため、吐いてしまった創造神だった。
「汚いにゃ・・・」
「酔っ払っててあの強さですか。私もまだまだ修行が足りませんね」
「いやいや!創造神が化け物ってだけだよ!」
「化け物言うな〜・・・うぉえ」
創造神の嘔吐物を処理し、少し落ち着いた創造神はスサノオに言った。
「またやろうね♪」
「ええ、よろしくお願いします」
こうしてスサノオとの仕合が終わり、俺たちは別の場所へ向かうのだった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第85話 空の神々
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