第79話 海神
旅行から帰って数日経ったある日。
「猫神様〜、雪神のように人間界に常駐している神ってどれぐらいいるの?」
「知らないにゃ」
「ありゃ、知らないか〜」
「案内神や管理神の方が知っているにゃ」
「そうだね、聞きにいってみようか」
俺たちは案内神の元へ向かった。
神界某所ーー
「・・・では、私はこれで」
案内神は誰かと話しており、建物から出てきた。
「いた!」
「おお、好奇神か。どうした」
「この前の旅行の時に雪神に会ってさ、人間界に常駐している神ってどれぐらいいるんだろうって思って」
「常駐の神か・・・」
「詳しく把握している訳ではないが、ざっと数えても千はいると思うが・・・」
「千!?そんなにいるの!?」
「そうだ。雪神のような自然神もそうだが道祖神も常駐に該当するか」
「道祖神って要はお地蔵様の事?」
「ああ。だが、お前ら人間の知っている地蔵は分身だ」
「そうだったんだ〜」
「良い機会だ。勉強のために人間界にいる神に会いに行ってこい」
こうして俺は、人間界にいる神様に会いにいくことになった・・・はずだったのだが・・・。
人間界ーー
「さて、まずは誰に会いに行こうかなぁ」
「好奇神!わしはあそこに行ってみたいのじゃ!」
どこからか聞きつけた冥王が隣にいた。
「冥王・・・今日は観光じゃなくて神に会いにいくだけだよ?」
「少しくらい寄り道しても良いじゃろう?」
「だ〜め!ただでさえこの前のゴーレム騒ぎを起こしてるんだから、今回はどこにも寄らない!」
「むぅ〜、つまらんのぉ」
「猫神様、誰か一人神様の名前を挙げて〜」
「魚神にゃ」
「・・・本当にそんな神がいるの?食べたいだけじゃなくて?」
「知らないにゃ」
「でも雪神がいるなら海神がいるか・・・」
俺たちは海神に会いに、とりあえず海へ向かった。
海ーー
「海に来てみたは良いけど、どうやって探そうかなぁ」
「騒ぎを起こせば現れるじゃろう」
「ちょっ!」
冥王は俺の制止を振り切り、海へ飛び込む。
途端に渦潮が形成され、海底までの道が出来ていた。
「はぁ・・・なんでこうなるかなぁ」
俺は海底に降り立ち、怪猫神にお願いした。
「ねぇ猫神様。魚たちに海神のこと聞けない?」
「無理だと思うにゃ。にゃー」
怪猫神が鳴くと周りの魚たちが暴れ出し、全ての魚が逃げ出した。
「ほらにゃ」
「う〜ん、どうしようかなぁ」
「のじゃー!」
ドォーン!
冥王が暴れ、海を荒らしていく。
「ねぇねぇ!もう少し静かにしてくれない!?」
「なんでじゃ!こうやって騒ぎを起こせばいずれ出てくるじゃろう!」
「いや、普通に会いたいんだけど・・・」
「おい!お前ら何をしている!」
海の中から現れたのは、明らかに人間では無かった。
「ほぅら!来たのじゃ!」
冥王が暴れるのをやめ、海が穏やかに戻っていく。
「はぁ・・・、えっと海神さんですか?」
「そうだが、お前らは何者だ」
「俺は好奇神。頭の上のは怪猫神、横にいるちっこいのは冥王」
「神だったか、にしてもなぜこんなことをしたんだ」
「お主に会うためじゃ!」
「俺に?何の用だ?」
「会いに来ただけだよ?」
「・・・は?」
「案内神・・・えっと、判決神から勉強のために人間界にいる神々に会いに行ってこいって言われたから会いに来たんだ」
「判決神か、久しぶりにその名を聞いたな」
「海神さんは海を管理してるの?それとも海そのもの?」
「俺は海の管理者だ。創造主様に作られた海の管理を任されている」
「どんな管理してるの?」
「生態系のバランスや水温の変化が主な仕事だな」
「魚食べたいにゃ」
「少しなら構わん」
「採りに行くにゃー!」
怪猫神は海の中を高速で移動し、魚を捕まえてきた。
「自然神の一種なの?」
「そうだな。分類としては自然神になる」
「じゃあ雪神と一緒かぁ」
「好奇神!わしも遊びに行って良いか!?」
「騒ぎを起こさない程度に好きにして」
「行くのじゃー!」
冥王が一瞬で消えた。
「ふと思ったんだけど、今冥王がどこかで騒ぎを起こしたらわかるの?」
「ああ、全ての海を把握してるからな」
「すげぇ!」
「・・・ちなみに魚神っているの?」
「いるぞ。気が向いたら会いに行ってみるといい」
「マジか・・・」
俺は海神と海のことを話し、次の神の元へ向かうことにした。
「次は誰に会いに行くのだ?」
「う〜ん、どんな神がいるかわからないからなぁ」
「ならば山神に会いに行くといい」
「山神?」
「ああ、山神の周りにはたくさんの自然神がいるからな」
「わかった!行ってみるよ!」
「ところで冥王はどこに行ったんだろう?」
バゴォーン!
「いたいた!じゃあまたね!」
俺たちは海神と別れ、山神の元へ向かった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第80話 山の神々
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