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77話 スノーゴーレム

人間たちからの質問攻めで存分に滑れなかった俺たち。

「明日どうしようか?また滑りに来たら騒ぎになるよね?」

「でしょうね」

影宰と考えていたが良い案が思いつかなかった。

「もういっそのこと騒ぎ起こしちゃう?」

創造神がとんでもないことを言い出した。

「流石にそれはダメだって。騒ぎを起こしたら帰ってから案内神に怒られるよ?」

「え!やだ!」

「でしょ〜?」

「他のみんなは明日何がしたい?」

「我はまだ滑り足りんな」

「私も足りないね!トリックをもっとやりたい!」

「私も滑りたいわ」

全員がまだ滑り足りないようだった。

「仕方ない。場所を変えてまた滑ろうか〜」

俺たちは当初の予定を変え、違うゲレンデに行くことにした。

帰り支度をし、ゲレンデを後にする。

なぜか人間たちが付いてくる。

「あの〜付いてこられると迷惑なんですけど〜」

人間たちは皆黙って付いてくる。

「はぁ・・・」

「全員手を繋いで移動しよっか」

「なぜ手を繋ぐ必要が?」

影宰が疑問に思っている。

「俺が一気に移動させるからだよ」

「なるほど」

全員が手を繋ぎ、目的地まで移動した。

シュッ!

泊まるホテルへ到着し。チェックインを済まし、それぞれが部屋へ入る。

今朝のことや、ゲレンデのことを考えて食事はそれぞれが買ったものを部屋で食べることにした。

「猫神様はまた魚?」

「美味いから良いにゃ」

「ダメとは言ってないよ〜」

「兄貴!明日はどこのゲレンデに行くんですか?」

「今日のゲレンデとは少し離れた場所に行く予定だよ」

一方、魔界組は

「店主よ、なぜあんなにも滑れるのだ」

「昔やってたんですよ!スノーボードじゃなくてサンドボードですけど!」

「魔界には雪が降らないけど、砂地はあるんで若い時にやってたんです!」

「そうだったのか」

「意外な才能ですね」

「影宰さん・・・酷いことを言っているのがわかりますか?」

そして神界組は

「亡鎧に引っ張ってもらうのって楽しいの?」

「楽しいぞ?亡鎧は速いからな!」

「私も引っ張ってもらおうかなぁ」

「お主は好奇神に引っ張ってもらうのじゃ」

「何してるの?」

月神が太陽神に話しかける。

「明日やるトリックの勉強さ!」

備え付けのテレビで勉強している太陽神だった。

そして三日目ーー

今日は旅行最終日。昨日とは違うゲレンデに向かう俺たちだが、創造神が怖いことを言い出した。

「昨日の雪崩も好奇神が巻き込んで引き起こしたの?」

「・・・え?」

「能力で私たちじゃなくて雪崩って自然現象を巻き込んだんじゃないの?」

「・・・なんのために?」

「面白そうだから?」

「いやいや!面白そうだからって人間を危険に晒すことはしないって!」

「というか俺が面白そうって思ったことは自然現象でも巻き込むの!?」

「それが"好奇心"の力だしね〜」

『まてまて!この力は自然現象までも巻き込むのか!?もしそれが本当ならどこにも行けないじゃん!』

「・・・今日はもう帰る?」

「「ダメ!」」

全員に止められる。

「まぁ何か起きてもこの面子なら止められるかぁ」

俺は深く考えず、ゲレンデに向かった。

一向はゲレンデに到着し、それぞれが装備を装着し終え、リフトへ向かう。

昨日のこともあってか、創造神以外はすんなり乗れていた。

「やった!海老反りにならなかったよ♪」

「そこじゃないわ」

転けながらもなんとかリフトに乗れていた創造神だった。

「今日は初っ端から上級者コースに来たけどみんなだいじょ・・・」

ズザァーッ!

例の如く三人がフライングスタート。

「・・・じゃあ練習しようか」

すでに諦めている俺。

「魔王さん、まずは昨日の復習をしましょうか」

「うむ、頼む」

「創造神様、好きに滑ってください。サポートします」

「わかった〜♪」

「兄貴!僕はどうしますか!?」

「そうだなぁ、また直滑降する?」

「嫌です!」

「じゃあ普通に滑ろうか」

「はい!」

俺たちも滑り始めた。

ズドォーン!

大きな音が聞こえ、上を見ると冥王と亡鎧が何か大きな物と一緒にいた。

「亡鎧!もっと大きい物を作るのじゃ!」

「わかりました」

冥王と亡鎧は雪に手を入れ、何やらやっている。

すると大きな物は周りの雪を取り込みさらに大きくなり、やがて動き出した。

「何作っちゃってんの!?あいつらぁぁぁ!」

二人は作り出した大きな物に乗り、滑り降りてきた。

「何やってんのさ!」

「冥界じゃ死者ばかり相手にしておるからのぉ!たまには生きた物を相手にしたかったのじゃ!」

「だからってなんてもん作ってんだぁぁ!」

「スノーゴーレムじゃ!」

「そんなこと聞いてるんじゃないわぁぁ!」

「行くのじゃ!ゴーレム!」

「ブォォオォォォ!」

冥王を乗せたゴーレムが滑り始める。それはまるでラッセル車のようだった。

雪を左右に吹き飛ばしながら、滑走するゴーレム。

「何あれ!?」「雪だるま!?」「ヤバくない!?」

人間たちが騒ぎ出す。

「影宰!みんなをお願い!」

俺は影宰に任せて追いかける。

「ちょっと待てこらぁぁぁぁ!」

「面白そうなことやってるね冥王!」

太陽神が便乗して乗り出す。

「私も乗る〜♪」

シュッ!

創造神も乗り出す。

「頼むから騒ぎをおこさないでくれぇぇぇ!」

お構いなしに滑る冥王たちは、満面の笑みで滑っていた。

人間たちには昨日のこともあり、すでにバレている。

「昨日の神様たちだよ!」「今日はこっちのゲレンデに来てたんだ!」

あとから追ってきた影宰が俺の横につき、話しかけてきた。

「昨日より酷くなってないですか?」

「やっぱりそう思う?」

「ええ、もう止める術はありませんね」

苦笑した影宰を見て俺は肩を落とした。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第78話 冥王の置き土産


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