第76話 バレちゃった
昼食が終わり、滑るために装備を装着する俺たち。
そこに店主が話しかけてきた。
「なぁ!もう上級者コース行っていいか!?」
「店主さんは滑れるからいいけど他のみんなにも聞いてみないと」
振り返るとみんな"行きたい"顔をしていたので行くことになった。
上級者コースーー
初心者コースとは違い、傾斜もあり整地が届いていない雪面もあった。
『まず創造神と破壊神は無理そうだなぁ。魔王さんは多分大丈夫かなぁ』
「よし!影宰は創造神のサポート、月神は魔王さんのサポート、俺は破壊神を見るからよろしくね」
「わかりました」「わかったわ」
「じゃあみんな安全に、ほどほどに下で落ち合おう!」
言い終わった途端に滑り出す三人+二人。
その後を追い、俺たちもスタートした。
「魔王さん、さっきより傾斜がありますがやることは同じです」
「うむ、こうか?」
意外と滑れている魔王。
「さすがですね。お上手ですよ」
月神の教えでどんどん上達していく魔王。
「創造神様!もう少し腰を落として!」
「ひゃぁぁぁぁ!」
猛スピードで滑走する創造神を助けることなく指示を出す影宰。
「破壊神はそれなりに出来てるからスピードに慣れるようにしようか」
破壊神を直滑降させ、後を追う俺。
「兄貴ー!速すぎますってー!」
「大丈夫大丈夫!止まる時はまた転けさせるから!」
「普通に止めてくださいー!」
「お前・・・なんだかんだ楽しんでるにゃ?」
「バレた?」
そして全員が落ち合う場所であるロッジへ到着した。
「魔王さんはもう滑れると思いますよ」
「月神の教え方が上手なんだね〜」
「うむ、わかりやすかったぞ」
「創造神様、基本は出来てきていますからもう少しですよ」
「がんばる〜♪」
「兄貴!僕はどうですか!」
「まぁ大丈夫だと思うけど、もう少しかなぁ」
そしてまた上級者コースへ上がり、爆走組を説得し、一緒に滑り出した。
突然轟音が鳴り響く。
ゴゴゴゴッ!
山頂の方から雪煙が上がり木々を飲み込んでいく。
雪崩だ。
「まずい!雪崩だ!」
麓にはたくさんの人間がいる。
「みんな!人間たちを守るよ!」
俺の一言で全員が横に並び始め、雪崩を止める。
俺は怪猫神の力を借りる。
「猫神様!お願い!」
「しかたないにゃあ」
「んにゃあーーーー!」
雄叫びのような鳴き声の音圧。
「こんな感じ〜?♪」
創造神は笑いながら目の前にシールドを作る。
「こんな物こうすればいい」
ドバァンッ!
魔王は拳圧。
「おっと、こんなところにちょうどいいものが」
影宰は懐から機械を取り出す。
「・・・」
シュッシュッシュッシュッ!
影刃は無言で剣を取り出し、剣圧で。
「月神!やるよ!」
「ええ!」
太陽神と月神は共鳴し、太陽光レーザーで。
「僕もやれますよ!」
バゴォーン!
破壊神は手を突き出し雪を破壊。
「おおおおおお!」
店主はどこからか取り出した調理器具で応戦・・・失敗。
「おわぁー!」
「人間界は面白いのぉ!」
冥王は笑いながら冥府の力で雪を朽ちさせる。
「店主さん!」
亡鎧は店主を助けに行き、救出。
それぞれの力のおかげで雪崩は俺たちの前で止まった。麓にいた人間たちにも怪我人は居なかった。
「よかったぁ・・・」
俺は大きなため息をついた。
すると麓が騒がしい。
『今の・・・何?』『あの人たちが止めたの?』
『なんかレーザー出てなかった?』『一人止めれてなかったな』
振り返るとゲレンデにいた人間たちが俺たちをみていた。
「・・・あ」
神の力を思いっきり見られていた。
「これどうしようか」
俺は苦笑しながらみんなを見ていた。
「何事もなかったようにやり過ごす?」
「それは流石に無理かと」
「だよね〜」
「人間界は映画の撮影とやらがあるのじゃろ?それにしたら良いじゃないか?」
「「それだ!」」
冥王の提案で決まった俺たちは麓に降りた。当然人間たちから話しかけられる。
「何者なんですか!?」
「映画の撮影ですよ〜」
「手からレーザー出てましたよね」
「あれはCGです」
「雪を破壊してませんでしたか!?」
「雪の下に起爆剤を仕込んでました」
だんだん苦しくなってくる言い訳に創造神が痺れを切らしたのか、神衣の姿になった。
「創造神!?」
「もうめんどくさいからバラしちゃおうよ♪」
「・・・はぁ、仕方ないかぁ」
全員が元の姿に戻った。
『え・・・神?本物?』『嘘でしょ?』
「俺は好奇神。好奇心を司る神です」
「怪猫神。猫神にゃ」
「私は創造神♪なんでも作っちゃうよ〜♪」
創造神はその場で雪だるまとジェットスキーを創り出した。
「私は太陽神!こっちは月神!」
「こんにちは」
「僕は破壊神です」
「我は魔王。魔族だ」
「同じく魔族の影宰です」
「・・・影刃」
「魔界で料理店の店主をやっている!よろしくな!」
「冥王じゃ!冥界を管理しておる」
「亡鎧と申します。冥王様の側近です」
全員の紹介が終わると人間たちは唖然としていた。
『ほん・・・もの?』『ドッキリじゃなくて?』
「皆さんよく聞いてください!俺たちは神や魔族ですが人間界を楽しみに来ただけです!大事にせず見逃してください!」
俺のお願いも虚しく、人間たちが騒ぎ出す。
「本物なんですか!?」
「本物だよ!」
「じゃあ何か見せてください!」
人間たちが全員が俺に注目した。
「え?俺?」
俺はみんなを見ると全員親指を立てて腕を突き出した」
「マジかぁ・・・」
「じゃあ・・・」
俺はその場で宙に浮いた。
「こんなんで良いかなぁ?」
人間たちはさらに騒ぎ始めた。
「本物の神様だよ!」
「すげぇ!神様って本当にいるんだ!」
「レーザーを出してたのは誰ですか!?」
「私とこの子だよ!」
「もう一度見せてもらっても良いですか!?」
「どうする?月神!」
「いやよ。見せ物じゃないわ」
「そういうことだからごめんね!」
その後、人間たちはからの質問は止まらず、結局滑る事は出来なかった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第77話 スノーゴーレム
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