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第75話 飛翔

その後、俺たちは一回目の滑走が終わった。

創造神は影宰に、破壊神は好奇神に、魔王は月神に教えてもらいながら、リフト乗り場まで辿り着いた。

「でも、さすが神々だね〜」

「一回目の滑走で少し滑れるようになるとは思わなかったよ」

「教え方がわかりやすかったからな。感謝するぞ月神」

「魔王さんも物覚えが良くて教え甲斐がありましたよ」

そして二回目の滑走のためにリフトに乗り込む。

安定で創造神は海老反りだった。

「きゃあああ!」

「創造神・・・そろそろ慣れようよ」

「無理〜」

魔王と破壊神は慣れたのかすんなり乗れていた。

リフトからゲレンデを見ると、雪煙を巻き上げながら爆走する三人が見えた。

「あの人たち、もう初心者コースじゃなくていいんじゃない?」

「そうですね・・・」

その後ろから三人を追いかける亡鎧と冥王。

亡鎧をよく見てみるとスキー板を履いておらず、冥王のソリを引っ張って走っていた。

「何やってんだあの人たち・・・」

「走ってますね・・・」

「はぁ・・・」

俺は頭にいる怪猫神を抱えて吸った。

「何するにゃー!」

引っ掛かれながらも吸うのをやめなかった。

「末期ですね・・・」

隣にいる影宰は苦笑いをしていた。

そしてリフトから降りる際魔王は転け、破壊神は転けた際に雪面に手を着き雪を破壊。

破壊された場所に躓き転ける創造神。転けた創造神を避ける月神。

「なんか・・・カオスだなぁ」

後ろから影刃たちがリフトで登ってくる。

「影刃たちストップ!」

そのまま滑ろうとする影刃たちを止め、みんなで滑ろうという提案をする。

「せっかくみんなで来たんだから、一緒に滑ろうよ」

「そうだね!みんなで滑ったほうが楽しいよね!」

「しょうがねぇなぁ!」

影刃は何も言わなかったが、待っていてくれていた。

その時、あることを思いついた。

『月神、心を読めるなら話しかけることもできる?』

『できるわよ』

『よし、じゃあ店主以外にこれからいうことを話してほしい』

『・・・』

『・・・わかったわ』

そして月神は店主を除く全員に話をしていた。

みんなは"楽しそう"と言った顔をして俺を見ていた。

「じゃあみんな行くよ!」

一斉に滑り出す。

案の定店主は飛ばしていたため、影宰が前に入る。

「店主さん、もう少しゆっくり滑りましょう」

「・・・わかりました」

そして配置につく。

全員で店主を囲み、逃げ道を無くしある場所へ誘導する。

「おい!お前ら!どういうつもりだ!」

店主の問いかけに全員笑顔で返す。

「今だよ!散会!」

俺の合図で全員が離れる。

店主の前に現れたのは巨大なキッカーだった。

「お前らぁ図ったなぁ!?」

そしてキッカーから飛び出した店主は、プロ顔負けのトリックをかまして着地した。

全員が"マジか・・・"といった表情で店主の元へ向かった。

「なんでできるの!?」

「昔ちょっとな!」

「というかいきなりキッカーは危ねぇからやめてくれ!」

「爆走してた奴が何を言ってるにゃ」

「うぐっ!」

店主は何も言えなかった。

そして店主のトリックを見て火がついた影刃と太陽神は、もう一つある小さめのキッカーへ向かっていた。

「二人とも待ってぇぇぇ!」

影刃、店主と同レベルのトリックをかます。

太陽神、店主と同じ技をかますが着地に失敗。

「うわ・・・やっちゃったよあの人たち」

「あいつらも変わり者にゃ」

そこに冥王の声が響く。

「亡鎧!わしも飛びたいのじゃ!」

「わかりました!」

亡鎧が走り出す。凄いスピードでソリを引っ張り最後は遠心力を加え冥王の乗るソリをキッカーへ向かって放つ。

高速で走るソリはキッカーを飛び出し、遥か彼方へ飛んでいった。

「亡鎧!やりすぎ!」

シュッ!

俺はすぐに冥王の行き先へ移動した。

空を飛んでいる冥王を乗せたソリはスピードが衰えることなく、進んでいる。

シュッ!

「いた!」

ソリに並走して空を飛びながら冥王に話しかける。

「冥王!そろそろ戻るよ!」

「もう少し空の旅をさせるのじゃ!」

「はぁ・・・」

しばらく冥王と空の旅を楽しんだ後、みんなの元へ戻った。

シュッ!

「ただいま〜」

「空の旅はいかがでしたか?冥王様」

「最高だったのじゃ!」

「亡鎧・・・もう少し加減して欲しいかな」

「・・・申し訳ありません」

「俺は普通にみんなと楽しみたいのになんでこうなるかなぁ」

「好奇神だから仕方ないんじゃない?♪」

創造神の言葉に全員が頷いた。

その後みんなで昼食を取るため装備を一旦外し、ゲレンデにあるロッジへ向かった。

それぞれが食べたい物を注文し、食べ始める。

この昼食が唯一の落ち着く時間となっていた。

横で騒いでいる店主や創造神たちを影宰と月神に任せ、俺はゆっくりと昼食を食べていた。

『ようやく午前が終わったなぁ・・・』

読んでいただきありがとうございました!


次回 第76話 バレちゃった


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