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第74話 止まれない、止まらない

ホテルを出てから雪山へ向かう俺たち。道中朝のことを聞いてくる者はいなかった。

「今日はどこに行くのじゃ?」

冥王は創造神と雪で遊びながら歩いている。

「今日は雪山でウィンタースポーツをやるよ〜」

「ほほう!楽しそうじゃのう!」

冥王は笑みを浮かべながら創造神に雪玉をぶつけた。

『側から見たら微笑ましい光景なんだけど、威力が凄まじいんだよなぁ』

「影宰と月神。今日も頼んだよ?」

「お任せください」

「私も?」

「よろしくね?」

「・・・わかったわ」

影宰と月神を味方につけ、いざ!雪山へ!

雪山ーー

「わ〜!すご〜い♪」

あたり一面雪景色。初心者コースから上級者コースまで様々なコースがあり、キッカーやパークアイテムが並ぶコースもある雪山へ到着した。

「リフト券買ってくるからみんなはスキーかスノーボードかどっちか選んどいて〜」

俺はリフト券を購入するため受付へ向かい、人数分のリフト券を購入した。

みんなの元へ戻る途中、何やら騒がしいことに気付く。

『またなんかやらかしたんか・・・』

みんなの元へ戻ると、創造神がジェットスキーに跨っていた。

「私これがいい!」

スタッフに注意される創造神、スタッフに謝罪する影宰と月神。

少し目を離したら一つトラブルが起きる。

『今日もダメそうだなぁ』

なんて思いながらリフト券を握りつぶした。

「みんな決まった?」

俺が聞くと全員が決まったようだ。

スキーを選んだのは創造神、月神、破壊神、影刃、亡鎧の五人。

スノーボードを選んだのは好奇神、太陽神、魔王、影宰、店主の五人。

冥王はソリを選んでいた。

「猫神様は?」

「私はここでいいにゃ」

頭の上を選んだ怪猫神。

「リフト券買ったんだけど・・・」

「知らないにゃ♪」

「・・・まぁいいや」

そしてレンタルショップで一式を借り、それぞれが装備を始める。

「これをここにつけて・・・」

スタッフに教えてもらい、着々と準備が整っていく。

全員の準備ができたところで俺たちは、リフトへ向かった。

しかし、動けたのは好奇神、影宰、影刃、店主の四人だけだった。

「スキー組はストック使いながら前に進んで、ボード組は片足で雪面を蹴って進んで〜」

しばらく平坦なところで進む練習をしてから再びリフトへ向かった。

リフトの列へ並んでいる間、俺はリフトの乗り方と降り方を説明していた。

「・・・リフトが来たらスッと座って、上でスタッフが降りる合図してくれるから降りるんだよ」

「「そんな説明でわかるか!?」」

「そうだよね〜先に俺と影刃が乗るからそれを見て真似てね」

「・・・俺もか?」

「影刃はできると思うからスキー組の見本をお願いね?」

「・・・わかった」

そして順番が来た。

まず俺と影刃がリフトに乗る。無事に乗る事ができた。

あらかじめスタッフにリフトの速度をゆっくりにしてもらうように伝えていたので、リフトの速度が落ちた。

「わっ・・・わっ・・・」

「破壊神!今だよ!」

太陽神、破壊神ペアは破壊神が危なかったがなんとか成功。

次に創造神、月神ペア。

「きゃぁぁぁぁぁ!」

月神は難なく乗れたが創造神は悲鳴を上げながら海老反りしていた。

止まるリフト、救出された創造神はなぜか楽しそうな表情をしていた。

次に魔王、影宰ペア。

「影宰、待ってくれ。今か?どのタイミングだ!?」

「魔王様、今です!」

影宰の完璧なタイミングでなんとか乗れた魔王だった。

そして店主。

文句なしの完璧にリフトに乗っていた。

亡鎧、冥王ペアは亡鎧が冥王を抱っこして普通に乗っていた。

「そろそろ降りる準備よろしくね〜!」

俺は後続に言うと、影刃と普通に降りた。

太陽神が笑いながら降りる準備をしてる中、隣の破壊神は慌てていた。

「破壊神!そのまま板を雪面に着けて!」

「わー!兄貴ー!」

降りた先にある茂みに消えていく破壊神。

「・・・影刃、お願い」

救出に向かう影刃。

「魔王様!こうです!」

「こうか!?」

影宰に教えてもらいながら、なんとか降りれた魔王。

「降り方わかんない!」

「さっき教えたわよ」

月神は滑りながら降り、創造神は板が雪に刺さり海老反り。再びリフトが止まる。

「大丈夫?」

「だいじょ〜ぶ〜」

店主は問題なく降りた。

「なんでできるの?」

「昔ちょっとな!」

亡鎧、冥王は冥王を抱えた亡鎧が滑るというより歩いて降りてきた。

なんとか全員が上に到着。

『リフトだけでこんなに大変なのか・・・』

そして初心者コースにやってきた一向。

「ここは初心者コースで傾斜が緩やかだから初めてでも滑りやすい・・・」

バシュン!

言い切る前に影刃が真っ先に滑り始めた。

「影刃んんんん!」

腕を組み、ストックを使わず体幹だけで高速で滑る影刃を見た太陽神がスタート。

「私も行くぞ〜!」

影刃を追いかける太陽神。二人の姿は一瞬で見えなくなった。

「俺も滑ってくるわ!」

店主までも勝手に滑り始めた。

『もうほっとこ』

「じゃあ滑り始めようか」

俺と影宰でボード組、月神がスキー組を教えながら滑り始める。

その横で亡鎧と冥王が何かしている。

「・・・何してるの?」

「ただ滑るだけじゃつまらんからの!」

ソリから伸びている紐が亡鎧に結び付けられていた。

「行くのじゃ!亡鎧!」

「わかりました!」

亡鎧が滑り出し、連動して冥王を乗せたソリも動き出す。

バシュン!

「・・・もう好きにして」

「俺たちは平和に滑ろうね」

瞬間・・・

「きゃあー!どうやって止まるのー!?」

「兄貴ー!止まりません!助けてくださいー!」

「あー!もう!」

「お任せください!」

俺は破壊神を影宰は創造神を助けに向かった。

影宰は華麗に滑り、創造神を止め、俺はめんどくさかったのでスライディングの要領で破壊神の足元に入り、転けさせた。

「ありがと〜」

「いえいえ」

微笑んだ影宰。

「兄貴・・・ひどいっす」

「ちゃんと月神に教わらなかった破壊神が悪い!」

「・・・すみません」

その頃、魔王は月神に教えてもらっていた。

「重心を後ろに、そのままゆっくり滑ってください」

「こう・・・か?」

「そうです。上手ですね」

ゆっくりと魔王と月神が近づいてくる。

「おお!滑れておるぞ!」

その後ろから三人の影が迫る。

「・・・魔王様」

バシュン!

「ひゃっほー!」

バシュン!

「魔王様!頑張ってください!」

バシュン!

腕を組みながら爆走する影刃。

それを追いかける太陽神。

一人で楽しんでいる店主だった。

「おお・・・」

ドスン!

三人の勢いで転んでしまった魔王。

「あいつら・・・すごいな」

「あの方達は次元が違います。こっちはこっちで練習しましょう」

ようやく俺たちと合流できた魔王と月神。

俺は魔王の肩に手を置いて呟いた。

「まさか魔王さんだけが真面目に練習するとは思わなかったよ・・・」

その横で亡鎧、冥王ペアが爆走していた。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第75話 飛翔


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