第72話 神々の自由時間
そして数十分後ーー
全員がロビーに集まり談笑している。
「それじゃあ晩御飯に行こうか」
晩御飯と聞いて即座に店主の横につく魔王と影刃。
「魔王様・・・俺はいつまで横に付かれるのですか?」
「暴走しなくなるまでだ」
「・・・」
全員が『=ずっと無理だな』と思っていた。
そしてホテルのレストランへ向かう間、俺は影宰に話しかけていた。
「ちょっと俺一人じゃ捌くのが難しいから影宰にも手伝ってもらっていい?」
「いいですよ。この人数を一人で捌くのは大変ですからね」
「ありがとう影宰!」
「いえいえ、企画してくださっているのでこれくらいは」
影宰という強力な味方をつけ、レストランへ入って行った。
それぞれが席につき、メニューを眺めながら和気藹々と話している。
「私これがいい♪」
「魚はないかにゃ?」
「私はこれにしようかしら」
「魔王様!そろそろ離れたいのですが!」
「ダメだ」
全員がそれぞれバラバラに話しているのを見た俺は・・・
『うん、俺一人じゃ無理だ』と思いながら影宰を見た。
影宰はこちらに気付き、少し微笑んだ。
「みなさん!メニューを決めてください!」
影宰の一言で全員が止まる。
「それでは順番にお伺いしますのでよろしくお願いします」
影宰が全員の注文を聞き、店員を呼び注文をしてくれた。
「さすが影宰だね」
「どうってことありませんよ」
影宰が味方になってくれて心底安心した俺だった。
そしてそれぞれの注文した料理が揃い、食べ始めようとしたその時、影宰が呟いた。
「食べる前にみなさんに一つ忠告がございます」
影宰の一言で全員が止まる。
「楽しむことは大いに結構です。ですが、それで主催者に迷惑をかけるのはいかがなものでしょうか?みなさんが楽しむためにもよろしくお願いします」
全員が納得し、頷いた。
「それでは、いただきましょうか」
影宰が微笑んだ。
『やるなぁ、さすがは魔王さんの側近だ』
そして、食事が始まるとまた騒ぎだす創造神と太陽神。
「また始まったにゃ」
「まぁ食べてる間はいいよ〜」
半分諦めている俺に魔王が話しかけてきた。
「すまんな、我らも人間界のことはわからぬ故任せっきりになってしまった」
「それはしょうがないよ。影宰が手伝ってくれてだいぶ楽になったから大丈夫」
「それに魔王さんは店主の子守りで忙しいでしょ?」
俺は笑いながら店主を見た。
「誰が子守りだって!?」
「ははは!まぁまぁ!」
「それにしても前回の料理とは素材が違うな!」
「さすが料理人だね。地域によって変わってくるんだよ〜」
「そうか!いつか全部の地域に行ってみたいもんだな!」
その時、怪猫神が俺の袖を引っ張った。
「どうしたの猫神様?」
「あいつやっぱり変なやつにゃ」
怪猫神の視線の先を見ると、すでに食べ終わった亡鎧がニコニコしながら怪猫神を見ていた。
「あ〜、手は出してこないから大丈夫だよ」
「食べにくいにゃ」
「だってさ〜亡鎧」
「申し訳ありません!」
視線を逸らす亡鎧だが、すぐに視線は怪猫神に戻った。
「あれはもう手遅れです。猫神様」
「もういいにゃ・・・」
「亡鎧よ、怪猫神も嫌がっておるぞ。見つめるのはやめるのじゃ」
「申し訳ありません。しかし、食べる姿があまりにもかわいいのでつい見てしまうのです」
「怪猫神に嫌われてもよいのかのう?」
「それはいけません!」
冥王の一言で亡鎧は後ろを向いた。
「・・・お前より役に立つにゃ」
「さすが冥王だね〜」
そんなこんなあり、食事が終わった。
「さて!これから寝るまでは自由だけど、このホテルには大浴場もあるから行きたい人は行ってきていいよ〜」
「私行きたい!」
創造神が即答した。
「じゃあ私も行こうかしら」
「わしも行くのじゃ!」
月神と冥王も後に続いた。
「じゃあ月神に纏め役をお願いしようかな」
「わかったわ」
三人は一旦部屋に戻り、大浴場へ向かった。
「他のみんなは・・・」
言いながら振り返るとそこには怪猫神しかいなかった。
「あるぇ〜?」
「あいつらならあそこにゃ」
ゲームコーナーから騒いでいる声が聞こえてきた。
「あ〜、なるほど」
俺たちはゲームコーナーへ向かった。
「おい好奇神!このゲームで勝負しようぜ!」
店主が誘ってきたゲームはホッケーゲーム。
「いいけど・・・やり方わかるの?」
「お前は俺をなんだと思っているんだ?」
「まぁいいや。やろうか!」
「兄貴!頑張ってください!」
後ろではレースゲームをしている魔王と影刃。
その後ろでレースゲームを観戦している影宰。
太陽神は一人でバスケゲームをしていた。
「ちょっ!はやっ!」
「おいおいこんなもんか!?」
速すぎてホッケーが見えない。
「お前見えないのかにゃ?」
「速すぎるよ〜」
「変わるにゃ」
選手交代。代打、怪猫神。
「猫神様でも手加減しねぇぜ!」
「おららららら!」
「にゃにゃにゃにゃ!」
怪猫神は飛んできた玉を全て打ち返していく。
『さすが猫科の神様だ』
そこから一進一退の攻防が続き、結局お互いに一点も入らないままゲーム終了。
「さすが猫神様だねぇ」
「まだまだ遅いにゃ」
「くそ〜!一点も入らなかった!」
満足げな顔をした怪猫神。悔しそうな顔をしている店主がいた。
そして影刃はこの施設の最速タイム、太陽神は最高得点を叩き出していた。
「二人ともさすがだね〜」
「こんなもの私にとっては遊びさ!」
「・・・」
影刃は何も言わなかったが少し嬉しそうだった。
その後、部屋に戻りそれぞれが風呂へ向かって行った。
大浴場へ行く者、部屋の風呂で済ませる者。それぞれが自分たちの時間を満喫していた。
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次回 第73話 朝っぱらから
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