第68話 みんな個性
亡鎧とゴリラがボディビルコンテストをしている横で、魔王と影宰、太陽神、破壊神が狼を見ていた。
「破壊神!見て!響狼神がいるよ!」
「違いますよ。でもこの風格は憧れますね」
「あなたも破壊神ですのでもっと自信を持っていいかと思いますよ」
「僕はダメですよ。気弱だし体も細いし」
「それで諦めるのは勿体無いぞ、破壊神よ」
「魔王さん?」
「お前も神なのだ。本来であれば絶大な力を持っておる。自信を持て」
「・・・はい!」
「まずは創造神の着せ替えから逃げ切ることだね〜!」
「それを言わないでくださいよ、太陽神」
そして冥王だが、姿が見当たらない。
「あれ?冥王はどこに行ったの?」
辺りを探すが見当たらない。
その時館内アナウンスが始まった。
「赤い髪をした小学生くらいの女の子の保護者様。いらっしゃいましたら迷子センターまでお越しください」
「「冥王だ!!」」
全員が早速迷子?になったことに驚き、迷子センターへ向かった。
迷子センターへ着くと、不貞腐れた冥王がスタッフと一緒に座っていた。
「この子の保護者様ですか?」
「はい」
名乗り上げたのは亡鎧。
「父親です・・・」
「この子立ち入り禁止エリアに入ろうとしてたので止めたのですが、止まらなかったので保護しました」
「申し訳ありません!」
「気を付けてくださいね」
こうして冥王は解放された。
「冥王様、なぜこのようなことをしたのですか?」
「見たかっただけじゃ」
「・・・」
「それより、亡鎧よ。いつからわしの父親になったのじゃ?」
冥王はニヤニヤしながら亡鎧問い詰める。
「・・・申し訳ありません」
「まぁ良い。人間界を楽しむためじゃ。このツアー中は父親になれ!」
「わかりました、冥王様」
側から見れば親子には見えないが、『まぁ面白そうだからいっか♪』と思った俺だった。
「気を取り直して行くよ〜」
そのまま海の動物エリアに向かった。
海の動物エリアに入ると、展示されている魚たちが一斉に暴れ出した。
「猫神様、にゃーって言ってみて」
「?」
「にゃー」
さらに暴れ出す魚たち。スタッフも何が起きたのか分からず慌てている。
「魚の本能が猫神様に気付いたんだね〜」
「ひどいにゃ」
「ここは猫神様を先に行かせた方がいいね」
俺は怪猫神を連れて、空の動物エリアに向かった。
残されたメンバーは海の動物エリアを堪能している。
「亡鎧よ!アザラシじゃ!かわいいのぉ!」
「はい!とってもかわいいです!」
泣きながらアザラシを見る亡鎧。
「この魚はあの料理が美味そうだな!」
魚を見て料理を考える店主。
「ねぇ、店主さんも他のエリアに移動させた方がいいんじゃない?」
創造神が魔王に言った。
「・・・そうだな。影刃、頼む」
「・・・はい」
影刃は店主の首根っこを掴み連行して行く。
「なんでだぁぁぁ!」
店主の声が館内に響き渡った。
「ねぇねぇ、月神は魚の心も読めるの?」
創造神が月神に質問した。
「やったことないからわからないわ」
「やってみて♪」
「・・・」
「どう?読める?」
「・・・怖かったって」
「あはは!やっぱり怪猫神に気付いてたんだね♪」
一方、好奇神と怪猫神は・・・
「鳥にゃあ〜!」
鳥を追いかける怪猫神を追いかける好奇神。
基本的に放し飼いされている鳥に、本能が刺激された怪猫神は周りの目も気にせず鳥を追いかけまわしていた。
「猫神様!ストップ!」
それでも止まらない怪猫神。
「・・・魚!」
「にゃ!」
怪猫神は振り返り俺の方へ走ってくる。
だが!魚を持っているわけではない!引っ掛かれる覚悟でキャッチ!
「騙したにゃ〜!」
案の定、引っ掛かれながらも怪猫神を確保し、先へ進んだ。
後続たちはいまだに海の動物エリアにいた。
「亡鎧!早く先に進むのじゃ!」
亡鎧はペンギンを見て、泣きながら微動だにしなかった。
「うぅ・・・かわいい・・・」
「あの二人は放っておいて先に行こ〜♪」
創造神の合図で、冥王と亡鎧を残して空の動物エリアに向かった。
「瞬鳥神がいっぱいいるよ!」
太陽神がはしゃぎながら、破壊神の背中を叩く。
「違いますよ。すごい種類の鳥たちですね」
「月神〜♪心読んで♪」
「この力は遊びで使うものではないのだけれど・・・」
「いいからいいから♪」
「・・・」
月神が鳥たちの心を読み出した。
「なんてなんて?」
「・・・怖かったって」
「あはは!怪猫神がやらかしたなぁ♪」
その横で動かず、じっと鳥を見つめる魔王がいた。
「どうされました?」
「いや、この鳥は全く動かんな」
見ていたのはハシビロコウだった。
「本当ですね」
影宰もつられてじっとハシビロコウを見つめた。
「・・・」
ザッ!
「動きました!」
「うむ!生きておったか!」
横で見ていた月神は『当たり前でしょ』と心の中でつっ込んでいた。
そして、冥王と亡鎧はまだペンギンの前にいた。
「早く行くのじゃ〜!」
「うぅ・・・感激です・・・」
まだまだ動きそうにない亡鎧と冥王ペア。
動物園の外では、騒ぐ店主を抑える影刃がいたのだった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第69話 まだまだ遊び足りない
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