第57話 魔界遊園地計画
俺たちは祠を後にし、森を歩いていた。
「結局何だったんだろうね〜」
創造神はまだ祠のことが気になっている様子だった。
「魔王さんにも秘密にしたいことがあるんだよ」
「気になる〜!」
「見たら記憶を消されるにゃ」
「それは嫌だね〜♪」
三人は笑いながら森を抜ける。
森を抜けると、なにやら工事をしている現場に出会した。
「なに作ってるんだろう?」
「魔王さんのことだから、魔界を発展させるための施設じゃない?」
「あそこに何か書いてあるにゃ」
俺たちは看板を見に行く。
『遊園地建設中』
「・・・」
「遊園地?」
俺と創造神は言葉が出ず、旅行に行ってない怪猫神は疑問符が浮かんでいた。
「これ・・・この前の人間界ツアーの影響だよね」
「楽しそ〜♪」
現場のそばで騒いでいると、中から魔族が出て来た。
「ここは危ないから離れて・・・好奇神様!」
「え?」
「ちょうど良かった!聞きたいことがあるので中に入ってください!」
俺は魔族に引っ張られ中に入る。その後を創造神がついて来ていた。
中には建設中のアトラクションが多数あり、それぞれを魔族たちが建設していた。
「今、責任者を連れて来ますので!」
魔族は責任者の元へ向かった。
「まさか本当に作るとはなぁ・・・」
「魔王も気に入ってたんだね〜♪」
そこへ責任者が現れた。
「お待たせしました。おや!創造神様もご一緒でしたか」
「校長先生だー!」
俺と創造神の声が重なった。
「なんで校長が責任者なの!?」
「魔王様が"子供たちが喜ぶ施設だ"とのことで私が選ばれました」
「さすが魔王さん、配役完璧だよ」
「それで、少し聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」
「俺たちがわかることならいいよ〜」
俺たちは校長先生に連れられ、現場内を歩き出した。
「それで、なにが聞きたいの?・・・ってなにこのでかいの」
俺は布が掛けられている巨大な物体が目に入った。
「これは魔王様の希望で最初に作られた物です。見ますか?」
「見ていいの?」
「構いませんよ」
校長は現場の者に布を取らせた。
「・・・なにこれ」
「わぁ〜♪すご〜い!」
そこには巨大な魔王と俺の銅像があった。
「なんで俺もいるの!?」
「好奇神似てるね〜♪」
「魔王様は"この遊園地は好奇神無しでは作れなかった物だ"と仰っていました」
「"だから好奇神を創設者として銅像を作れ。子供たちも喜ぶであろう"とも」
「・・・」
「やったね〜♪」
「やったにゃ♪」
「魔王様は人間界から帰ってから、影宰殿と子供たちのために考えていました。私も会議に参加しましたが、話の中心にはあなたがいましたよ」
「だからってこれは恥ずかしいぞ!魔王さ〜ん!」
俺の声は虚しく空に響くだけだった。
「はぁ・・・まぁ魔王さんも一緒なだけマシかぁ」
「ははは、では行きましょうか」
俺たちは再び歩き出した。
「どんなアトラクションを作ってるの?」
「私たちが人間界で乗ったアトラクションは全部作ってますよ」
「ということは、7種類か・・・」
「あの時の順番で回ろうか」
「わかりました。まずはコーヒーカップですね」
俺たちはコーヒーカップの現場へ来た。
ここは土台はできており、カップ状のものもほとんど出来ていた。
「ここはなにに困ってるの?」
「カップの回転速度と、土台の回転速度ですね」
「人間界のは比較的ゆっくりでしたのでどうしようかと」
「う〜ん・・・あの子供たちの身体能力だと少し物足りないかもしれないね」
「今の速度の1.5倍速にしてみたら?」
校長先生が魔族に指示を出し、回転速度を変更した。創造神と人型になった怪猫神が被験者となりコーヒーカップが動き出す。
「わ〜♪」
「にゃー目がまわるにゃ!」
「創造神!どうかな!?」
「もう少し早くてもいいよ〜♪」
「やめるにゃ〜!」
人間界ではありえない速度で回り始めた。
「あははは♪たのし〜!」
「おろしてにゃ〜!」
「速度はこのくらいでちょうどいいかもしれませんね」
「そうだね〜、これなら子供たちも楽しめるかな」
俺と校長は怪猫神の助けを無視して話し続けていた。
回転が止まり、降りてくる二人。
「楽しかった〜♪」
創造神は軽い足取りで降り、怪猫神はふらふらしながら降りて来た。
「・・・世界がまわるにゃ〜」
「さっきの魚の仕返し♪ごめんね?」
「・・・悪かったにゃ〜」
猫の姿に戻った怪猫神を抱き上げ、頭の上に乗せた。
「次はメリーゴーランドだね」
「メリーゴーランドはあらかた出来てるのですが、乗るものを検討中でして」
「私に任せて!」
「ちょっ!」
俺の制止の前に勝手に創り出す創造神。出来上がった物は魔界には似つかわしくないメルヘンチックな物ばかり。
「いや〜凄いですね。魔界の雰囲気を一瞬でぶち壊しましたよ」
「なんでそんなこと言うの〜!?」
「創造神、創り直して」
「ぶ〜!」
不貞腐れながら創り直す創造神。乗り物は魔海竜をモチーフにした物、荷車を少し豪華にした物、そしてなぜか神々しい椅子が一つあった。
「・・・あれなに?」
「魔王専用の椅子!」
「また変なもの作り出して・・・」
校長先生はそれを見て考えていた。
「まさか・・・採用する気じゃないよね?」
校長先生はこちらを振り向き笑った。
「素晴らしいです!まさに魔王様に相応しい椅子ですよ」
「やった〜♪」
「採用しちゃったよこの人・・・」
俺は反論を諦めてなにも言わなかった。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第58話 着せられる神、吹き飛ばされる神
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