第54話 創造神の遊び方
翌日ーー
創造神から魔界の案内を頼まれた俺は、どこを案内するか考えていた。
「案内かぁ、どこを案内したらいいと思う?猫神様」
頭の上に乗っている怪猫神に聞いてみた。
「魔界のことは知らないにゃ」
「だよね〜」
「でも創造神のことだから、どこでも面白いっていうと思うにゃ」
「そうかなぁ」
怪猫神と話し合っていると、合流場所に到着した。創造神はまだ来ていないようだった。
「とりあえず魔界の入り口から始めようかな」
「何があるにゃ?」
「何もないよ?」
「にゃ・・・」
怪猫神は呆れていた。
その時、創造神が集合場所に到着した。
「待った〜?」
「猫神様と案内ルートを考えていたから大丈夫だよ〜」
「それで、どこに連れて行ってくれるの?」
「まずは入口かなって」
「何があるの?」
「何もないよ。ただ、ちょっとやってみたいことがあってね♪」
「なになに〜?」
俺は、以前管理神からこっそり教えてもらった呪文を唱え出した。すると目の前が光り、門が形成された。
「おぉ・・・本当にできた」
「すご〜い♪いつの間にできるようになったの?」
「今だよ?」
「え・・・」
まさか俺も、ぶっつけ本番で出来るとは思っていなかった。
「じゃあ行こうか♪」
「うん♪」
こうして俺たちは魔界への門を潜った。
魔界ーー
「わぁ〜♪入口ってこんなんだったんだぁ」
創造神が目を輝かせていた。
怪猫神が尻尾で俺の頬を叩く。『ほらね』と言っているように思えた。
「好奇神様!」
見回りの魔族兵が声をかけて来た。
「今日は何用ですか!?」
「今日は創造神の案内だよ〜」
「創造神!?」
魔族兵は創造神と聞いて一定の距離を取り、構えた。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ」
「しかし・・・」
警戒している魔族兵に向かって、創造神が口を開いた。
「お邪魔します。遊びに来ました♪」
魔族兵に向かってお辞儀をする創造神。それを見た魔族兵は驚いていた。
「ほら、大丈夫でしょ?」
「好奇神様がそうおっしゃるなら・・・」
魔族兵はそう言いながら警戒を解いた。
「ところで、ちょっと聞きたいんだけど。案内するのにおすすめってどこかない?」
「そうですね、やはり賑わっている街でしょうか」
「街か〜、まだ創造神を見慣れてない人も多いだろうし、いきなり街に行くのはハードルが高いかなぁ」
「お役に立てず申し訳ありません」
「大丈夫だよ、ありがとうね」
魔族兵は敬礼をして、見回りに戻って行った。
「それじゃあ行こうか♪」
「行く〜♪」
俺たちは歩き出した。
入口から見える景色のわかる範囲で俺が話しているのを創造神は、まるで子供が初めて聞くような反応で聞いていた。
しばらく歩くと荷車が壊れて困っている子連れの親子がいた。子供は俺たちの姿を見かけると走り寄って来た。
「好奇神のお兄ちゃんと創造神のお姉ちゃんと猫様だ〜♪」
この子は以前食事会で創造神が遊んでいた子供の一人だ。
「こんにちは〜」
「こんにちは♪どうしたの〜?」
「お父さんとお母さんとお出かけしてたんだけど、荷車が壊れちゃって・・・」
「ありゃ、それは困ったね」
俺たちは子供と手を繋ぎながら荷車へ向かう。
「こんにちは、荷車が壊れたそうですね」
「これは好奇神様。子供がお世話になってます。ええ、車輪が外れてどうしようかと思ってまして・・・」
子供は母親の元へ走る。
「こんにちは、好奇神様。そちらの方は?」
母親が創造神を見ていた。
俺は『どうやって答えたら良いかなぁ』と思っていると・・・
「初めまして。創造神です♪」
あっさりと自分から"創造神"と言っていた。
創造神と聞いて、顔が曇る両親。
「大丈夫だよ!創造神のお姉ちゃんは一緒に遊んでくれたんだ!」
「楽しかったね〜♪」
「うん!」
子供が懐いているのを見た両親は、少しだけ安心したのか顔の曇りも少し晴れていた。
「荷車、直しましょうか?」
創造神はそういうと荷車に近付き、掌を荷車に向けた。
両親が驚いていると荷車が光り出し、外れた車輪が直っていた。
「あのさ、創造神・・・」
俺はそう言いながら荷車を見る。
直った荷車は何故かキラキラと煌めきを放ち、元の荷車とは別物になっていた。
「普通に直そうよ・・・」
「え〜!こっちの方が可愛いじゃん♪」
「あの・・・普通の荷車でお願いします」
父親が創造神へ言うと、ぶーぶー言いながら普通の荷車へ戻していた。
「ありがとうございます。創造神様」
「ありがとうございます」
両親は創造神にお礼を言い頭を下げていた。
「どういたしまして〜♪」
「お姉ちゃん凄い!どうしてそんなことが出来るの!?」
「創造神だからだよ〜♪」
そういうと創造神は手を重ね、何かを作り出していた。
「出来た!」
創造神は自分で作った物を子供に渡していた。
「なにこれ〜?」
「魔王さんの人形♪」
それは仮の姿の魔王の小さな人形だった。
「わぁ〜!魔王様だ〜♪」
「ありがとう!お姉ちゃん!」
「わざわざ子供にまでありがとうございます」
再び両親は頭を下げ始めた。
「いいよいいよ〜♪」
その後、直った荷車を引いて帰って行く親子に手を振りながら笑っている創造神を見て怪猫神が呟いた。
「創造神は自分でも相手でも面白いって思うことが最優先にゃ。だからああやって荷車も可愛くしたにゃ」
「わかってるよ♪」
俺は怪猫神を撫でながら答えた。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第55話 魔界の観光スポット?
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