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第35話 第1回好奇神主催!魔族と行く人間界ツアー

俺の個有の力は、自分で開花させる。そう聞いた俺は妙に納得していた。

「まぁ、考えても仕方ないし、その内ポッと力が出てくるでしょ」

俺は軽く考えていた。

「それでいい」

案内神は静かに頷き、続けた。

「個有の力は本人次第では良くも悪くもなる。難しく考えない方が無難だ」

「お前の場合、悪い方にはいかないと思うがな」

管理神が静かに呟いた。

「さて!今日は魔界に行こうかな!」

「また魔界に行くのか?」

「創造神との仲の為にも、交流しなきゃね!」

「今度は何をする気だ?」

「ん〜、ツアーかなぁ」

「ツアーだと?」

案内神は顔を顰めた。

「そ!ツアー!前に魔王さんと人間界へ行く話をしたからね。行くなら大勢で行った方が楽しいし!」

「じゃあ行ってくるね」

シュッ!

そういうと俺は魔界へ向かった。

魔界ーー

俺は魔王の返事をもらいに魔界へ来た。

「魔王さん、いる〜?」

返事は無かった。魔族兵がこちらに気付いた。

「好奇神様!今日はどうされました?」

「魔王さんに返事をもらいに来たけど居ないみたいだね」

「魔王様は、町へ赴き魔族の困り事や要望を聞いて回ってます。もうじき帰ってくるかと」

「じゃあ待っていようかな」

『魔王さん、家族思いだな。というか魔王直々に聞きに行くのか・・・、変わった王だな』

そう思っていると魔王が帰ってきた。

「帰ったぞ」

「やほ〜♪」

「来ていたのか、好奇神よ」

「今日は何用だ?」

「この前話していた人間界の話の返事を聞きに来たんだ〜」

「その話か。今回、町の者の話を聞いてしばらくは動けぬが、それが終われば時間は取れる」

「じゃあ、はい!」

俺は予め作っていた紙を魔王に渡した。

「なんだこれは?」

"第1回好奇神主催!魔族と行く人間界ツアー"

好奇神案内のもと、人間界を満喫しよう!

旅の費用は全て、好奇神が負担!旅の荷物は体だけ!

参加人数:10名

注意事項

人間界なので人間に扮していただきます。

服装は事前に送った資料からお選びください。

なるべく特殊な力は使わず、人間に成り切りましょう。

全力で楽しみましょう。

店主は強制参加です。

「・・・」

「集めといてね!」

「また、妙なことを思いついたものだ」

「影宰、頼む」

「承知しました」

そう言うと、魔王は企画書を影宰に渡した。

「こちらの参加が決まり次第連絡しよう」

「わかった〜。あと今回も創造神を参加させてもいい?条件はつけるから!」

「・・・よかろう」

「よかった!連絡待ってるね!」

そういうと俺は、神界へ戻った。

神界ーー

「ただいま〜」

「おかえり♪」

創造神が出迎えてくれた。

管理神と案内神もそこにいた。

「今度は何を企んでいるんだ」

管理神は少し笑いながら聞いてきた。

「これだよ!」

俺は魔王に渡した紙を見せた。

管理神は驚き、案内神は呆れ、創造神は目を輝かせた。

「いいな〜!私も行きたいな〜!」

「創造神も行くよ?」

「え?」

創造神は驚いた顔をしていた。

「ちゃんと魔王さんにも許可をとったよ♪」

「やったぁ〜♪」

創造神は飛び跳ねていた。

「おい、大丈夫なのか?」

案内神が心配そうに聞いてきた。

「この前が大丈夫だったから多分大丈夫だよ〜」

「・・・本当の目的はなんだ?」

俺は創造神に聞こえないよう、小さい声で話した。

「このツアーで創造神と魔王で話をさせたいんだ」

「それですでに許可も取ったのか」

「そうそう、旅気分だったら話しやすいかと思ってさ」

こそこそ話してる2人に気付いた創造神が話しかけてきた。

「なになに〜?なんの話?」

「服装はどうしようかって話だよ〜。人間界にそのままの格好は目立つからね」

「可愛いの着たい!」

「じゃあちょっと見に行こうか」

「うん♪」

そういうと2人で人間界へ出かけた。

「あいつ、なんだかんだ仕事をしてるじゃないか」

管理神は小さく呟いた。

「本人はそう思っていないがな。だが、確実に神界と魔界の仲を戻そうとしている」

「そうだな」

管理神と案内神は静かに笑った。

そして、日時、参加者、服装が決まり、ツアー当日となった。

「じゃあ行ってくるね」

「行ってきま〜す♪」

2人は魔界へ向かった。

魔界ーー

すでに魔界側は準備ができていた。

魔王は全身黒を基調としたシンプルな服装だった。落ち着いた雰囲気はそのままだが、人間の青年と言われても違和感はない。

「・・・これでいいのか?」

「うん!ただ、その威圧感は隠してね!」

影宰はジャケットにシャツ、細身のパンツという知的な装いだった。伊達眼鏡も相まって、どこか教師のような雰囲気を漂わせている。

「おぉ〜、シンプルだけどかっこいいね!」

「似合いますか?」

「めっちゃ似合う!」

影刃は黒いパーカーにダメージジーンズ。腕を組んだまま立つ姿は、近寄り難いが妙に様になっていた。

「・・・うん、イメージ通り!」

「・・・」

校長は落ち着いたスーツ姿。誰が見ても穏やかな学校の先生といった印象だった。

「先生じゃん!」

「先生ですよ?」

店主はポロシャツにチノパンという、ごく普通の中年男性の格好。

「なんで俺だけ強制参加なんだ!?」

「人間界の食材に直に触れて欲しくて?」

「なんで疑問系なんだよ!」

「まぁまぁ、・・・というかなんで店主だけ普段から人間界にいそうなの?」

「知らねぇよ!適当に選んだらこうなったんだ!」

「似合いすぎでしょ!」

そして創造神は、白を基調とした可愛らしいワンピースに、小さなショルダーバッグ。普段の神々しい装いとは違い、どこにでもいるおしゃれな女の子のようだった。

「どう?どう?」

「可愛いし似合ってるよ〜♪」

「♪」

創造神は嬉しそうだった。

「これで全員?」

「うむ、今回は我、影宰、影刃、校長、店主の5人だ」

「皆忙しくてな。10人は集まらなかった」

「全然いいよ!」

「それじゃあ皆さん!第1回好奇神主催!魔族と行く人間界ツアー!」

「しゅっぱ〜つ!」

「「「お〜!」」」

こうして"第1回好奇神主催!魔族と行く人間界ツアー"が始まった。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第36話 ようこそ、人間界へ


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