表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/108

第30話 珍味

厨房ではオーナーがアノマロカリスを捌くのに苦労していた。

「なぜアノマロカリスまで取ってきたんだ」

案内神が尋ねた。

「アンモナイトだけでも良かったんだけど、それだけじゃインパクトに欠けると思って」

「確かにインパクトはあったが・・・」

管理神は呟く。

「でも美味しいかもしれないよ?エビみたいだし」

「そこはオーナーの腕次第だな」

しばらくすると、オーナーがアンモナイトの調理が終わったのか、料理を運んできた。

「一応人間界のものですので、人間界の料理を作ってみました」

イカ焼きならぬアンモナイト焼き、アンモナイトの殻を使った壺焼き、シンプルなゲソの唐揚げ。

どれも見た目は美味しそうだった。

「おいしそ〜♪」

創造神が料理に手を伸ばしていた。

「落ち着いてください、創造主様」

案内神が創造神を抑えている。

「おい好奇神、お前から食べろ」

「なんで?」

「毒見だ。お前が始めた事だからな」

「毒見って・・・、もう少し言い方なかったの?」

俺はそうぼやきながら一口、料理を口に運んだ。

「・・・」

「いかがでしょうか?」

「・・・美味いね」

「本当ですか!?」

「やっぱり調理した方が、アンモナイトは美味くなるね〜」

そういうと他の3人も料理を口に運んだ。

「おいし〜♪」

「悪くない」

「こういう調理法もあるのか」

皆それぞれに感想を述べていた。俺はアンモナイト焼きを食べながら思い出していた。生前、妻と娘と行った祭りの屋台。イカ焼きが好きでよく食べていた。あの味と同じ。俺は少し涙を浮かべていた。

案内神は、それを見て何か言いかけたようだが、何も言わずに料理を食べていた。

「なんで泣いてるの〜?美味しかったから?」

創造神がぶっ込んできた。

「そうだね・・・」

俺は、全ては答えなかった。

全員が食べ終わる頃、オーナーがアノマロカリス料理を運んできた。

「こちらも人間界のエビに見立てて料理してみました」

「これも俺が先なんでしょ?」

「当然だ。お前が持ってきた食材だからな」

料理を口に運んだ。見た目からは想像できないほど身がプリッとしており、捕食者の頂点だったからなのか、旨みが凄かった。

「これも美味いねぇ」

「私も〜♪」

創造神が食べ始めると、案内神、管理神も食べ始めた。みんながアノマロカリスを食べながら『これはこのままで・・・』、『この料理の味付けが・・・』と話しているのをオーナーは真面目に聞いていた。

そして、アンモナイトとアノマロカリスを食べ終えた俺たちに、オーナーは言った。

「今日はありがとうございました。使い切れていない部分もあるので、自分なりに考えて調理してみます」

「オーナーなら大丈夫!全部美味しかったよ!」

「楽しみにしてるね!」

俺は、あの思い出に帰る為、定期的に通おうと思った。

「もし必要だったら、材料は俺と創造神で獲ってくるからいつでも言ってね!」

「ありがとうございます!」

こうして、俺たちは店を後にした。

その後、珍しい食材が食べられる店として繁盛し、オーナーはうれしい悲鳴を上げているが、それはまた別の話。

「この後はどうする。今日はあと一箇所くらいしか回れんぞ」

案内神が尋ねた。

「どうしようね」

俺は何も考えていなかった。

「狭間に行くか」

管理神が呟いた。

「なんで?」

「今、他の神が対応にあたっている。仕事を見学するのもいいだろう」

「そうだな、好奇神も判決をする側になったんだ。見ていて損はないだろう」

「あそこつまんないからやだ〜」

「創造主様、今日一日まともに案内してないのですから、一箇所くらい真面目にしますよ!」

「え〜」

俺たちは創造神の文句を聞きながら狭間へ向かった。

生と死の狭間ーー

「相変わらず何もないねぇ」

「判決を下す場所だからな」

死んだ後、俺が最初に来た場所。まさかまた来ることになるとは思ってなかった。

「貴様の判決は・・・」

ちょうど神が死者に対し判決を行っているところだった。

「冥界行きだ!」

死者は判決を受け、冥界へ飛ばされた。

「・・・冥界?」

案内神と管理神は『あっ・・・』といった表情になっていた。

「冥界もあるの?」

案内神は嫌々説明を始めた。

「貴様も神だからな、知っておいた方がいいだろう。本来、死者はここで判決を受ける。基本的に転生か冥界かの2択だ。転生は生前、悪行をほとんどしなかった者、冥界は悪行を行った者が行く場所だ」

「なんか閻魔様みたいだね」

「少し違う。我々は判決しかしない。転生と判決された者は閻魔の元へ送られる。人間界でいう地獄だな。そこで閻魔に転生先を決められる」

「そういう仕組みだったんだ〜」

「そうだ。そして冥界へ送られた者は、冥王の管理のもと、更生のため様々な仕事を行う。といっても普通に生活はできる。まぁ、更生施設のようなものだ」

「へぇ〜・・・、それって神も冥界へ行けるの?」

「・・・お前、行く気か?」

「まぁ、あるなら行くよね、気になるし」

「やはりそうなるのか」

「行く時は誘ってね♪」

「創造主様も乗らないでください」

「でもまだ行かないかな。神界でも魔界でもまだまだやりたいことはあるし」

「お前の好奇心は終わりがあるのか?」

管理神が静かに聞いてきた。

「終わりなんてないよ」

「だろうな」

管理神は静かに笑い、案内神はため息をつき、創

読んでいただきありがとうございました!


次回 第31話 祝われる神、巻き込まれる店主


感想・誤字報告などいただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ