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第2章(後編) 最初の観光地

老人は人生の終わりを迎えていた。だが恐れていたのは死ではない。「死後の世界ってどんな所なんだろうな」そんな好奇心を抱いたまま死んだ男の物語。

2章後編


「お前は昔からそうなのか」


「そうだね」


「何がそこまで気になる」


俺は少し考えた。


そして答えた。


「全部かな」


神は黙った。


「全部?」


「うん」


「世界も?」


「見たい」


「宇宙も?」


「見たい」


「死後の世界も?」


「見たい」


「神界も?」


「もちろん」


神は少し驚いた顔をした。


「即答か」


「見たことないし」


神は額を押さえた。


「お前は何故そこまで見たがる」


俺は首を傾げた。


逆に不思議だった。


「だって気にならない?」


神は答えられなかった。


数兆年生きている。


知識は山ほどある。


だが。


いつからだろう。


何かを見たいと思わなくなったのは。


「神様」


「なんだ」


「神様は全部見たの?」


神は固まった。


「いや」


「じゃあ見たいと思わない?」


神は黙った。


考えたこともなかった。


「必要ないからな」


しばらく沈黙が続く。


俺は少し考えた。


そして。


「もったいないなぁ」


神は固まった。


数兆年ぶりだった。


ただの人間に価値観を揺さぶられたのは。


だが。


不思議と腹は立たなかった。


むしろ。


少しだけ面白かった。


「面白いやつだな」


神は小さく呟いた。


「ん?」


「いや」


神は少し笑った。


本当に少しだけ。

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