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第18話 追いかけっこ

珍しく管理神の顔色まで変わっていた。

「どうしたの?」

俺は2神に聞いた。

「偉人はやめておけ」

案内神が真面目なトーンで言った。

「なんで?」

管理神は答える。

「偉人に会うとなると、過去改変が起きる可能性がある。」

「そんな大事になるの?」

「初めは小さな変化だが、時代の流れによってその変化は大きくなる。最悪、お前そのものが消える可能性だってあるんだ。」

「俺が・・・消える!?」

俺は黙った。それだけは嫌だ。まだ見たいものが山ほどある、行きたい場所もある。

「せっかく楽しいこと出来るのに消えるのは勿体無い。」

「諦めるしかないかなぁ。」

珍しく納得した俺に案内神と管理神は安心した表情を見せた。

だが・・・

「記憶を消しちゃえば過去改変は起きないよ〜♪」

創造神の一言が2神の安心を吹き飛ばした。

「ふぁぁぁぁぁぁぁ!?」

あまりの衝撃に、案内神は自分でも聞いたことのない声を上げた。

「創造主様!なんて事を言うんですか!?」

管理神も珍しく声を荒げる。

「だって、できるじゃない。」

「そうなの?」

「できるよ〜、たまにやってるの見かけるし」

「そうなんだ〜・・・」

管理神は恐る恐る聞いた。

「おい、誰に会いに行こうとか考えているんじゃなかろうな?」

俺はその質問に笑顔で答えた。

そして・・・

シュッ!

「ヤツを止めろぉぉぉぉぉ!!」

管理神が叫ぶがもう遅かった。

「創造主様!どうしてくれるんですか!?」

「また記憶消去したらいいよ〜♪」

「そんな簡単に言わないでください!その作業、すごくめんどくさいんですよ!?」

「私しらな〜い♪様子見てくるね」

そう言うと、創造神も消えた。

残された精神的に限界が来て壊れ始めた案内神、めんどくさい作業がこのあと待っている事に絶望している管理神、2神は暫く動けなかった。


西暦1868年頃ーー

あたりの景色が徐々に鮮明に映り出す。

現代とは全く違う景色、匂い。

「ここがあの人のいる時代かぁ。どの人かわかるかな?」

来てみたはいいが、目的の人を見つけれるかどうかはわからなかった。

シュッ!

「着いてきちゃった。なにしてるの〜?」

創造神も来たようだ。

「いや、目的の人に会えるかどうかわからないまま来ちゃったからどうしようかと思って。」

「そんなの簡単だよ♪その人の事思い浮かべて移動すればいいんだよ♪」

「そんな簡単にできるの?」

「だって君は今まで、恐竜時代も、縄文時代もその風景を思い浮かべて行ってたでしょ?」

「たしかにそうだ。行きたい場所を思い浮かべて移動してた。」

俺はとある人物の事を思い浮かべながら移動する。

シュッ!

目の前には男がいた。教科書で見たような格好と顔をしている。この人だ。

「貴様、妙ななりをしとるが……何者じゃ??」

俺はやりたい衝動に駆られた。

「さつま揚げぇぇぇぇぇ!!」

「!?」

「じゃあね!」

シュッ!

「なんだったんじゃ、今のは」

突然西郷隆盛の目の前に現れた男は、訳の分からない事を言い放ち、突然消えた。

そして・・・

シュッ!

「さつま揚げぇぇぇぇぇ!!」

「じゃあね〜♪」

シュッ!

今度は女が西郷隆盛の前に現れると、先ほどの男と同じ事を言って消えていった。

「・・・今日はなんなんだ。」


時の狭間ーー

「会えた、会えた〜」

「面白かったね〜♪」

「次は誰に会いに行こうかなぁ」

「いっぱいいるよ〜♪」

「よし!ニュートンに会いに行こう!」

「いこ〜♪」

シュシュッ!


1726年某所ーー

アイザック・ニュートンは友人のステュークリとりんごの木の木陰でお茶を飲んでいた。

そこへ突然

シュシュッ!

2人の男女が姿を現した。

「なんだね?君たちは?」

男は叫んだ。

「りんごぉぉぉぉぉ!」

次いで女が叫ぶ。

「リンゴォォォォォ!」

シュシュ!

そう言うと2人は姿を消した。

「なんだったんだ今のは?」

そう呟いた直後、りんごの木から1つのりんごが落ちた。

「・・・ほう」

彼は静かにりんごを見つめた。


時の狭間ーー

「あ〜楽しかった!」

「楽しかったね〜♪」


その時、どこからか声がした。

「見つけたぞぉぉぉぉ!」

「逃すなぁぁぁぁ!」

案内神と管理神が必死の形相で追いかけてきた。

「やばっ!見つかった!」

「逃げろ〜♪」

シュシュ!!


「おい!また逃げたぞ!次は誰だ!?」

「焦るな、案内神よ。どうせまたこの時の狭間に戻ってくる。そこで捕まえればいい。」

「それもそうだな。ここで待つとしよう」

2神は捕まえるべく時の狭間で待つのであった。


その頃、神界ーー

「やばかったぁ!捕まるかと思った。」

「スリルあって楽しかったねぇ〜♪」

2人は神界に戻っていた。

そして2人で次はどこでなにをするか話し合っていたのだった。

「次は誰に会いに行こうかなぁ。」

「まだまだいるよ〜♪」


俺たちはまだまだ2神の心力を削ろうとしていた。


時の狭間ーー

「・・・」

「・・・」

2神は無言だった。この先、自分たちの仕事がどれだけ増えるのか、考えたくもなかった。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第19話 創造神、爆弾発言


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