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第16話 仕事より縄文

神界に案内神の叫びが響く。その声を聞きつけて創造神と管理神が現れる。

「呼んだ〜?」


「呼んだじゃありません!」


「なんて事をしてくれたんですか!?」


「え〜・・・面白そうだから良いじゃない♪」


「はぁ・・・してしまったものはもうしょうがないです」

案内神は深いため息をついて俺の方を向いた。


「神になった以上、仕事はしてもらうぞ。」


「わかった」


俺は素直に頷く。主人公の素直な反応に少しホッとした表情を見せた。


「まず神の役目だが・・・」


「そういえば・・・縄文時代行くの忘れてたわ」


「・・・は?」

シュッ

俺は案内神の話の途中で、さっさと縄文時代へ向かった。


「待てぇぇぇぇぇ!!」


俺の姿がその場から消えた。

管理神が静かに呟く。


「行ったな」

創造神が楽しそうに笑った。


「行ったねぇ♪」

案内神は頭を抱えて叫んだ。


「笑ってる場合じゃありません!!」


「神の仕事はどうなるんですか!?」


創造神は笑いながら答える。


「まぁ良いんじゃない?帰ってからで」


「あいつが帰って来てから話を聞くと思いますか?」


「思わない♪」


案内神は『こいつら・・・』と言った表情で天を仰ぐ。


その頃。縄文時代。


景色が一瞬で変わる。森の匂い、土の匂い、鳥のさえずりが一気に俺を包んだ。


「これが縄文時代か」


俺は思わず深呼吸した。


「こんにちは」


縄文時代に着いた俺は、当時の人と話していた。怪しまれないように、姿を縄文人に変えて。


「こんにちは、どなたですか?」


「俺は違う集落から来たんだけど、うちの集落ではやってない事をやってたから声をかけちゃった」


「なにしてるの?」


「土器を作ってます。」


「へぇ〜、俺もやらせてもらって良い?」


「良いですよ。まずこの土で土台を作ります。」


「こんな感じ?」


「そうです。次にこの土を重ねていきます。その時に隙間を埋めるように指で整えてください。」


「わかった〜」


数十分後

「結構難しかったけど、なんとか形になった。」


「すごいですね。初めてでこんなに綺麗に出来る人はいませんよ。」


「そうかな?ありがとう。」


「子供の頃に図鑑やインターネットで見て、見よう見真似で作ってたからかなぁ」


「いんた〜・・・なんですかそれ?」


「なんでもないよ。こっちの話。」


「次はどうしたら良いの?」


「次はこの貝殻や縄で模様を付けていきます。」


「キタ〜!!」


「どうされました?」


「ごめん、なんでもない。」


「?」


夢中で模様を付けているうちに、陽が傾いていた。

「できた〜!」


「お疲れ様です。」


「次はどうするの?」


「この後は一月ほど乾燥させます。」


「じゃあ一月後にまた来ても良いかな?」


「わかりました」


その後、自分の集落に帰るふりをして一月の時間を飛ばした。


「こんにちは、来たよ〜」


「こんにちは、しっかり乾燥できてますよ。」


「なんか小さくなった?」


「乾燥させるとこうなるんです。」


「へぇ〜、そうなんだ」


「これから1時間ほどこれを焼きます。」


「1時間かぁ。この集落の周りを歩いて来ても良い?」


「良いですよ。」


「ありがとう。」


そう言うと俺は、集落を始め辺りを歩き始めた。

森や川、興味の惹かれるものはたくさんあった。


「この時代の魚って俺が生きてた時代の魚と同じなんだろうか?」


「今度釣りに来ても良いな」


そうしてるうちに1時間経った。

「どうかな?」


「出来てますよ。」


焼き上がった土器はいつか見た図鑑と同じようになっていた。


「すげぇ!」


「あとはこれを冷まして完成です。」


冷めるまでこの人と話していた。ここでの暮らし、狩猟は男の役目、女は家事、育児など現代と変わらなかった。食べてる物を聞いて、食べたいものが増えた。

そうしてるうちに土器が冷めた。


「これで出来上がりです。」


「おぉ〜、俺が作った土器だぁ〜」


「これ持って帰って良いの?」


「良いですよ。」


「ありがとう!」


「じゃあ俺は自分の集落に帰るね」


「気を付けてくださいね」


「じゃあね。」


そう言うとその人の目の前から消えた。


・・・


「え!?」


縄文人は目を擦った」


「消えた・・・?」


「あの人は一体何者なんでしょうか?」


神界ーー


「ただいま〜」


俺が戻ると案内神、管理神、創造神が待っていた。案内神が口を開く。


「ようやく戻って来たか。なにを持っている。」


「これ俺が作った縄文土器!」


「作って来たのか?」


管理神が微笑みながら聞いて来た。


「作ったよ。楽しかった!」


「いいなぁ〜、私も着いていけば良かった。」


「おやめください。創造主様。」


「はい!」


俺は自分の作った土器を案内神に渡した。


「どう言うつもりだ?お前が作ったものなのだろう?」


「俺が死んでから色々してくれたお礼」


「・・・そうか」


表情は変わらないが受け取ってくれた。


「では、仕事の話を・・・」


「次はどこ行こうかなぁ」


「おい、俺の話を聞け!」


「恐竜の肉を食べに行くか、偉人の前に突然現れるか」


「俺の話を聞けぇぇぇぇ!」


「次は私も連れてってね♪」


「創造主様も便乗しないでください!」


まだまだ行きたいところはある。やりたいこともある。次はどこに行こうか考えるだけでも楽しい。

さぁまだ始まったばかりだ。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第17話 恐竜肉と空中散歩


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