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第119話 影縫

激しい戦闘に会場が静まり返っていた。

「えっと・・・激しい戦いを制したのは魔王&影刃!」

臭撃神のコールで静まり返った会場が一気に騒ぎ始める。

「いたた・・・ちょっと動きすぎたかなぁ」

「まだまだ甘いな」

魔王が普段の様子に戻り手を差し伸べる。

俺は魔王の手を取り立ち上がる。

向こうでは影刃が創造神を立ち上がらせていた。

「魔王さんも影刃も強すぎでしょ〜」

「武力ではまだ我らが上のようだな」

「悔しいなぁ」

俺と魔王は笑っていた。

そこへ創造神に肩を貸している影刃が歩いてきた。

「影刃〜あれなに〜?模様が浮き上がってたよ〜?」

創造神が影刃に聞いていた。

「それ!俺も気になる!」

「あれは俺本来の力の解放だ」

「カッコいい!」

そこに魔王も答える。

「影刃には普段力を押さえるよう言ってあるのだ」

「なんで?」

俺は気になって魔王に聞いていた。

「影刃は解放すると我が止めるまで止まらんからな」

「「あ〜」」

妙に納得した俺と創造神だった。

疲弊した創造神を休ませ、破損した会場を独創神が修復していく。

俺は吾亦紅神も分離させ創造神をおぶり、金毛神の元へ向かった。

「金毛神〜もふもふ〜」

「はいはい」

俺は金毛神の尻尾に埋もれていく。

吾亦紅神がそれを羨ましそうに見ていた。

「・・・あなたもいいわよ?」

吾「いいの!?」

「頑張ってたから今日だけね」

吾「もふもふ〜」

そこへ修復を終えた独創神が戻ってくる。

独「ふぃ〜終わった〜・・・お前らなにしてんだぁ!」

金毛神の尻尾に埋もれる俺と吾亦紅神を見た独創神が発狂していた。

「あなたも来なさいな」

独「マジでぇ!?」

「今日だけね」

独「もふもふ〜」

そして三人が埋もれていった。

「さぁ!破損した会場の修復も終わり、準々決勝を始めます!準々決勝第一試合はこの組み合わせだ!」

臭撃神の進行により、スクリーンに二人の名前が表示される。

針影神対刃鮫神

「見事遊獺神の誘いに乗らず、勝利を収めた針影神!次の相手は鮫だが大丈夫か!?対する刃鮫神は一撃一殺の剛力神を制したが次の相手は真反対の素早いやつ!捉えることができるのか!?それでは準々決勝第一試合!スタート!」

バァーン!

銅鑼が鳴り響くと同時に二人が動き出す。

シュシュシュシュシュシュ!

針影神の飛ばした無数の針を刃鮫神は紙一重で避けている。

対する刃鮫神は剛力神の時とは違い、小さい顎を無数に創り出し、針影神に向け飛ばす。

ババババババ!

針影神の針が小さな顎を突き刺し、払い落としていく。

その隙に針影神の背後に回っていた刃鮫神が巨大な顎を創り出し、針影神を襲う。

ボンッ!

ハリネズミの姿となった針影神はうつ伏せになり、背中の針を思い切り伸ばす。

ブシュッ!ザシュッ!

お互いに一撃を喰らわせ、距離をとる二人。

「強いね〜刃鮫神!」

「あなたも強いですよ針影神」

お互いが笑い合い、再び同時に動き出す。

人型に戻った針影神は自身の服を破り、刃鮫神に投げつける。

「目眩しですか!?」

刃鮫神が手で払いのける瞬間、服から大量の針が飛び出し、刃鮫神を襲う。

ブシュッ!

「くっ・・・」

その隙を見逃さず、距離を詰める針影神。

刃鮫神が防御の態勢を取ろうとするが体が動かなかった。

「なん・・・ですか・・・これは?」

「僕の名前は針影神だよ。君の影に僕の針が刺さっているのがわかるかい?僕の針は相手の影を縫って動きを止めることが出来るんだ。このまま降参してくれたら痛い目に遭わずに済むよ?」

針影神の能力を聞き、笑った刃鮫神。

「なるほど」

ボンッ!

鮫の姿になった刃鮫神の影が変わり、動けるようになる刃鮫神。

「くそ!正解だよ!影を変えられたら僕の能力は解除されるんだ・・・でも、大きな影になってくれてありがたい!」

針影神が刃鮫神の影に向かい針を飛ばす。

しかし、空中でも海中と同じ速度で泳げる刃鮫神は簡単には捕まらない。

「鮫のくせに速いっての!」

影と刃鮫神の両方に針を飛ばすが当たらない。

「当たりませんよ。あなたの能力は理解できましたから!」

威嚇のような刃鮫神の一瞬の圧にたじろぎ、勝てないと悟ったのか攻撃をやめた。

「参った!」

針影神の降参に、刃鮫神が少し驚いていた。

「降参ですか?これから面白くなりそうでしたのに」

「あの手この手を考えたけど通用する未来が見えなかったし、あと普通に怖いよ?」

「私はそんなつもりはなかったのですが・・・」

ボンッ!

人型に戻る刃鮫神。

「あなたの技は面白かったのでもう少しやりたかったのですが、仕方ありませんね」

「影縫を封じられた時点で負けだと思ったよ・・・初見で破られるとは思わなかったけどね」

「たまたまですよ。また機会があれば是非戦ってみたいものです」

針影神が笑いながら口を開く。

「怖いからやだ」

準々決勝第一試合、勝者刃鮫神。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第120話 巻き込まれた怪猫神


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