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第120話 巻き込まれた怪猫神

準々決勝の第一試合が終わり、次は怪猫神対魔海竜の試合だ。

「猫神様、大丈夫?」

「なに言ってるにゃ、さっきも余裕で勝ったにゃ」

しかし冥界、魔界の相手を二連戦することに俺は少し心配していた。

「無理だけはしないでね」

「いらぬ心配にゃ」

いつもの調子とは違い、真面目な怪猫神。

それほどまでに強力な相手なのだろう。

そして臭撃神より試合の案内が行われる。

「準々決勝第二試合!怪猫神対魔海竜!冥界のケルたんを倒した先にはまたしても異界の生物!連戦は厳しいか!対する魔海竜はやる気のない怠動神を相手にしたが攻撃が一切当たらず!まだ本領がわからない未知の選手です!それでは準々決勝第二試合!スタート!」

怪猫神が様子見で距離を詰める。

シュッ!

「にゃ!」

ガッ!

引っ掻きを繰り出すが人型の魔海竜は簡単に防御する。

先ほどより少し早く動き、魔海竜の背後を狙うが常に魔海竜の正面に立たされる。

「見られてるにゃあ・・・」

「どうした?先ほどの試合はこんなものじゃなかっただろう?」

魔海竜が怪猫神を挑発する。

「わかった・・・にゃ!」

シュッ!

高速で動き始める怪猫神。

魔海竜の目は怪猫神を追いかける。

残像の中から次々と本体が現れ攻撃を繰り出す。

バキィッ!

ガッ!

確実に防御する魔海竜。

「よく見てるにゃ!」

ボボボボボ!

怪猫神の周りに火の玉が現れ、魔海竜に向かって一斉に放つ。

それと同時に自身も残像を残しつつ、高速で魔海竜に近づく。

シャシャシャシャシャ!

「うむ!素晴らしいな!」

余裕を見せる魔海竜は手を振り上げ、赤い水を纏い始める。

「にゃ!?」

纏った水が火の玉を飲み込み消していく。

ズザァーッ!

火の玉を消され止まる怪猫神。

「なんにゃ・・・それ?」

驚いた表情をしている怪猫神に向かい、魔海竜が口を開く。

「魔界の海だ。我は魔海を守る者、操ることなど造作もない」

魔海竜は手を怪猫神に向けると、纏っていた水が一斉に怪猫神を襲う。

ザバァ!

「くっ!」

怪猫神が更に速度を上げ、水を避ける。

シャシャシャシャシャ!

「逃げてばかりでは勝てんぞ?」

「うるさいにゃ!」

『でもこのままじゃ勝てないにゃ・・・試してみるにゃ』

怪猫神は高速で逃げつつ、片手をクイっと動かす。

ボボボボボ

突然、魔海竜の足元から火の玉が大量に現れ魔海竜を襲う。

「むぅ!」

バババババ!

更に追い討ちをかけるようにもう一度片手を動かすと、魔海竜の足元の土を盛り上がらせ態勢を崩し、怪猫神が突っ込む。

スパパパパ!

連続の引っ掻きが魔海竜に当たり切り刻まれる。

「やってみるもんにゃね」

煙が晴れると、引っ掛かれた魔海竜が立っている。

「どういうことだ?」

魔海竜が怪猫神に問うた。

「・・・前から違和感があったにゃ。私はいつもあいつの頭にいたからいつの間にか巻き込まれていたみたいにゃ」

ボボボボボ

そういうと再び火の玉を複数出現させ、形状を鎌のように変化させた。

「ほんと迷惑な話にゃ、あいつらの能力が私の中に流れ込んで融合したにゃ・・・まぁ今はありがたいけどにゃ!」

シャッ!

炎の鎌が回転しながら魔海竜を襲うと同時に怪猫神が地面に手を当て土を変化させ猫の手を作り、魔海竜に飛ばす。

「素晴らしいぞ!」

魔海竜も水を操り炎の鎌に向かわせるが、鎌がそれを避け、魔海竜に直撃する。

ズバババ!

「ぐっ・・・」

飛ばした猫の手と同時に怪猫神が背後に回り雄叫びを上げる。

「んにゃー!」

音圧で吹き飛ばされた魔海竜が猫の手に直撃。

バゴォーン!

「はぁ・・・こんな能力、本当は要らないにゃ」

怪猫神は呟きながら最高神の方を見ていた。

その瞬間怪猫神が吹き飛ぶ。

「んにゃ!?」

バゴォーン!

壁に激突し瓦礫に埋もれる。

「貴様・・・我の大切な物を傷つけたな」

魔海竜のチャームポイントであるピンクのリボンが破れていた。

ガラッ

「なにが起こったにゃ?」

瓦礫から這い出る怪猫神の目の前に魔海竜が現れ、蹴り飛ばす。

バキィッ!

「にゃっ!」

ドゴォーン!

またもや壁に激突する怪猫神。

「このリボンは子供たちを守ってくれた恩人が授けてくれた物だ。傷つけることは許さん」

「そんなこと知らないにゃ!」

猫の姿となった怪猫神が更に速度を上げ、鎌状の炎を纏いながら動き回る。

シャシャシャシャシャ!

魔海竜がピッタリとくっつき、確実にダメージを与える。

バキッ!ドゴッ!

「ぐぅ・・・!」

怪猫神が負けじと鎌で魔海竜を切り付け、炎の鎌による熱風を纏い、魔海竜を襲う。

ズバッ!ザッ!

「・・・っ!」

お互いに負けず劣らずの攻防を繰り広げるが、怪猫神が纏っていた熱風を自身に変化させ一斉に魔海竜に向かって雄叫びを上げる。

「「んにゃー!」」

複数方向からの音圧に押し潰され、動けない魔海竜。

「・・・むう!」

そして炎の鎌を巨大な猫の手に変化させ魔海竜に向かって振り下ろす。

「にゃああああ!」

バゴォーン!

大量の土煙が舞い、怪猫神が着地する。

「ハァ・・・ハァ・・・」

肩で息をする怪猫神。

土煙が晴れるとそこには傷を負いつつも立っている魔海竜の姿があった。

「ハァ・・・ハァ・・・バケモノにゃ」

笑いながら呟く怪猫神。

「これで終わりか?」

魔海竜が言い終わるのと同時に怪猫神が吹き飛ぶ。

バゴォーン!

蹴りの姿勢でさっきまで怪猫神がいた場所にいる魔海竜。

崩れた瓦礫の中に気絶した怪猫神が横たわっている。

そして試合終了となる。


読んでいただきありがとうございました!


次回 第121話 狼対豹


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