第12話 判決
世界管理庫を出た後も、俺は相変わらずだった。
「行きたい」
「……」
案内神はもう反論する気力すら残っていない様子だった。
管理神は面白そうに、創造神は楽しそうに俺を眺めている。
「仲良いのね〜」
「良くありません!」
案内神が即答する。
創造神がくすくす笑うと、管理神も小さく笑った。
そんな時、俺はふと思いついた。
「あれ?」
案内神の顔が一瞬で曇った。
最近、この反応を見るだけで嫌な予感しかしない。
「今度はなんだ」
俺は首を傾げた。
「そういえば……俺の判決ってどうなったんだっけ?」
一瞬の沈黙。
案内神、管理神、創造神——三人が揃って目を逸らした。
「まさか……」
「忘れてた」
案内神が小さく呟いた。
俺は固まった。
「忘れることある!?」
「その予定だったんだが……色々あった」
案内神の言い訳に、俺は思わず声を上げた。
「三葉虫にアノマロカリス、アンモナイト、恐竜、縄文時代……確かに色々あったけど!」
俺は三人を交互に見た。
「じゃあ今から決めるの?」
「その予定だ」
創造神が元気よく手を挙げた。
「は〜い! 神にしちゃえば?」
「却下です」
案内神が即座に却下する。
創造神が頰を膨らませた。
「なんで〜」
「ただの人間です」
「元人間ね」
「どちらでも同じです!」
創造神は俺の方を向いて笑顔で聞いた。
「神になる?」
「嫌」
即答だった。
創造神が目を丸くする。
「え? なんで? 神だよ? 色々できるんだよ?」
「うん」
「色々見れるんだよ?」
「うん」
創造神が勝ち誇ったように笑った瞬間、俺は続けた。
「でも仕事あるんでしょ?」
「……あるよ〜」
「面倒だから嫌」
沈黙。
今度は創造神が固まった。
案内神が小さく息を吐く。
「ほら、本人も嫌がっています」
創造神はまだ納得いかない顔で俺を見ていた。
「面白そうなのに……」
俺は気になって聞いてしまった。
「俺が神になったら、何がそんなに面白いの?」
創造神はにっこり笑って答えた。
「だってあなた、私と同じタイプだもん」
「……?」
案内神が頭を抱えた。
主人公はまだ知らなかった。
創造神が諦めていないことを。
そして、神々の会議で、もっと大きな騒動が起きることを。
(第十二章 終)
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次回 第13話 神々の会議
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