第11話 創造神
世界の記録が終わった。ずっと見たかった世界、生物も見た。知らなかった世界の一部を見た。
だが、問題があった。
「行きたい」
案内神は無言だった。返事をするのが億劫だった。
「行きたい!」
「ダメだ」
「何回このやりとりをやるんだ」
俺は少し考えた。
「・・・百回くらい?」
「二百七十三回だ」
管理神が答えた。俺は驚いた。
「数えてたの?」
「途中から面白くなってな」
案内神は頭を抱えた。管理神まで壊れ始めている。
「だって気になるじゃん」
俺は続ける。
「実際に見たくない?」
「見た」
案内神は即答した。
「遥か昔に見た」
「触りたくない?」
「触った」
「縄文土器作りたくない?」
「作った」
俺は固まった。そして。
「ずるくない!?」
案内神は天を仰いだ。
『そんなことは知らん』
「管理神は?」
「何がだ」
「縄文土器!」
「作った」
「どうだった?」
「まぁ楽しかったな」
「ほらぁ!」
案内神は思った。何がほらなのか。
「俺も作りたいから連れて行って!」
「ダメだ」
「なんで!?」
案内神は『こいつ、めんどくさいな』と思っていた、その時。
「何をしているの」
後ろから声が聞こえた。
俺たちは振り返る。
そこには一人の女性が立っていた。
長い金髪、白と金の衣、柔らかな笑み。
だが、どこか不思議な雰囲気を持っていた。
見たことのない神だった。
「この綺麗な神様は誰?」
俺は聞いた。女性は驚いた顔をしていた。
「私を知らないの?」
「知らない、初めて見た」
女性は少し考え、楽しそうに笑った。
「それもそうね♪」
案内神は固まっていた。管理神も珍しく驚いていた。
「案内神、この神様は誰?」
俺は聞いた。案内神はしばらく黙った。
そして、嫌そうに答えた。
「世界を作ったお方だ」
沈黙が続く。俺は女性を見る。女性も俺を見る。
「世界作ったの?」
「作ったよ〜」
俺は目を見開いた。
「マジで?」
「マジで」
「神界も?」
「作った」
「人間界も?」
「作った」
「創造神じゃん!」
「そうだよ〜♪」
俺は思わず立ち上がった。
「すげぇ!」
創造神は少し笑った。
「でしょ〜♪」
案内神は頭を抱えた。嫌な予感しかしなかった。
「何を話していたの?」
創造神が聞く。
俺は即答した。
「行きたい!」
創造神は首を傾げた。
「どこに?」
「全部!」
創造神は少し考え、笑った。
「面白そうね」
案内神は固まり、管理神は少し笑った。
やはりそうなると思っていた。
案内神が言う。
「創造主様、興味を持たないでください」
「なんで?面白そうじゃない」
創造神は不思議そうに答えた。案内神は何も言わなかった。
言っても無駄だと理解し始めていた。
読んでいただきありがとうございました!
次回 第12話 判決
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