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第116話 やる気と実力

第三試合が終わり、会場の損傷も少なかったため、修復はすぐに終わった。

「さぁ!続いて第四試合の組み合わせの発表です!」

臭撃神のアナウンスにより、会場の盛り上がりも大きくなる。

そしてスクリーンに組み合わせが表示される。

「第四試合!怠動神対魔海竜の対決だぁ!あまり動いてるところを見たことないが大丈夫か怠動神!対する魔海竜は見た目は怖いが子供たちを守る魔竜!ピンクのリボンは創造神に着けてもらったそうです!すぐに終わりそうですが第四試合のスタートです!」

バァーン!

「はぁ・・・だるぅ」

ノソノソとゆっくり動き始める怠動神。

警戒し、構え始める魔海竜。

すると突然、怠動神が動きを止め座り始める。

その行動に困惑している魔海竜がこちらを見てきた。

「大丈夫だからやっちゃって〜♪」

創造神の声に頷き、一気に間合いを詰める魔海竜。

シュッ!

その勢いのまま、怠動神めがけて蹴りを入れる。

『捉えた!』と思ったが、蹴りが怠動神をすり抜ける。

ブォン!

魔海竜は何が起きたのかわからず、会場中の全員が目を丸くしていた。

『避けた?』『怠動神は動いてないぞ?』

そこへ怪猫神が頭の上にやってきた。

「みんなあいつのこと舐めすぎにゃ」

「猫神様お疲れ様〜、どういうこと?」

「よく見るにゃ」

怪猫神に言われ、ジッと怠動神を見る俺たち。

魔海竜は連続で蹴りを繰り出すが、当たらない。

「どうなっておる・・・」

よく見ると怠動神は必要最小限の動きだけで魔海竜の蹴りを避けていた。

その後も魔海竜はあの手この手で攻撃を繰り出すが全て避けられる。

そして、疲弊から手が止まる魔海竜を見た怠動神はゆっくりと動き始める。

「疲れた?じゃあそろそろ決めるね」

「・・・くそ」

怠動神が手をあげ魔海竜へ攻撃するかと思いきや。

「降参します」

「・・・は?」

会場の全員が驚いていた。

「めんどくさくなったからもういいや」

「え〜・・・第四試合、怠動神の降参により魔海竜の勝利です・・・」

「「はぁぁぁぁぁ!?」」

「じゃあ帰って寝るね」

シュッ!

怠動神は避けるだけ避けて帰っていった。

魔海竜は何が起きたのかわからないという表情で会場を後にした。

「ははは!あいつらしいにゃ!」

「怠動神ってすごかったんだねぇ」

「あいつはやる気はないが戦闘能力はずば抜けて強いにゃ」

本気で戦う怠動神を見てみたいと思った俺だった。

「・・・では第五試合に参ります」

スクリーンに組み合わせが表示される。

「第五試合!霊牙神対白犬神!その昔、人々を厄災から守ったと言われる狼の祖!霊牙神!対するは桃太郎と共に鬼を退治した伝説の白い犬!白犬神!同じ犬科対決だが戦闘能力はお互いに高い!どんな試合になるのか!それでは第五試合スタート!」

バァーン!

試合が始まると同時に選手控え室で霊豹神が騒いでいた。

「なんで私の相手がこんなゴリラなんだよ!」

「まぁまぁ、猫ちゃん落ち着いてください」

「私は猫じゃなくて豹だ!」

「かわいい猫ちゃんですねぇ」

満面の笑みの亡鎧とは違い、悔しそうな表情をしている霊豹神だった。

その頃試合会場では、真面目な顔の霊牙神と笑いながら楽しそうな白犬神が対峙し、動いていなかった。

「来ないの〜?」

「あんたこそ八本の剣は出さないのかい?」

「う〜ん、まだ出さなくていいかなぁ」

「そうかい!」

一瞬で間合いを詰め、水面蹴りで白犬神の足元を狙う霊牙神。

「わぁ!速い♪」

白犬神は余裕の表情で飛び、浮く。

「ハァ!」

霊牙神が地面を押し、白犬神に向かって蹴りを繰り出す。

バキッ!

「いた〜い!もうちょっと遊ぼうよ〜」

片手で受け止める白犬神。

「あんたは強いからね!本気でやらなきゃこっちがやられるんだ!」

「も〜しょうがないなぁ」

八本の剣を出し、白犬神の雰囲気が狂気に満ちた戦闘狂に変わる。

「ほっ!」

白犬神が手を動かし、八本の剣を霊牙神に向かわせる。

シュシュシュシュ!

霊牙神の動体視力は八本の剣が見えており、次々に来る剣を避けるが、一本霊牙神を掠める。

スパッ!

「くぅ・・・強いなぁ!」

「まだまだ行くよ〜」

さらに速くなった八本の剣を見た霊牙神は狼の姿となり、避け始める。

「わぁ避けるね〜」

「無駄口叩くと舌を噛むよ!」

ズドン!

白犬神の背中に衝撃が走る。

「いった・・・何?」

振り返ると別個体の狼のような塊が浮いていた。

「ねぇなにこれ?」

「私の分身のようなものさ!」

霊牙神の周りに同じような塊がゆらりと生成されていく。

「さぁ!勝負はこれからだよ!」

霊牙神が動くのと同時に分身も動き出す。

統率の取れた動きに白犬神は翻弄されていく。

ズドン!

「きゃっ!」

「痛いな〜もう!」

白犬神は八本の剣を操り分身を斬り、自身は霊牙神に向かって打撃を与えようとしていた。

「いらっしゃい!」

人型に変わった、霊牙神が迎え撃つ。

バキッ!ドガッ!

「ねぇ!あれなんなの!?」

乱打戦の最中、白犬神が問う。

「あれはその昔喰らった厄災さ!」

霊牙神の周りに新たに生み出される分身が白犬神を襲う。

「まだ増えるの!?」

「私がどれだけの厄災を喰らったと思ってるんだい!?」

八本の剣を分身が封じ、霊牙神が白犬神を押し始める。

「このままじゃ負けちゃうなぁ」

その瞬間、白犬神の目の前に白い盾が現れ霊牙神の打撃を防ぎ始める。

「ちょっ!盾も使えるの!?」

「たまにしか使わないけどね〜!私の名前は白堅神でもあるんだよ!」

自動で白犬神を守る盾に対し、霊牙神も手数を増やすため厄災の塊を作り出す。

しかし、盾のおかげで白犬神に届かない。

「ほらほら〜さっきまでの勢いはどうしたの〜?」

「くぅっ!・・・」

その時会場から声が聞こえた。

「犬〜がんばれ〜!」

「負けたら承知しないわよ!犬!」

声の方を見ると、かつての戦友だった猿と雉が白犬神を応援していた。

「わぁ♪二人とも応援に来てくれたの〜!?」

白犬神が二人を見た一瞬を突き、霊牙神が一撃を入れる。

ボコッ!

「いっ・・・」

「バカ犬!相手を見ろ!」

怯んだ白犬神を見逃さず、次々に霊牙神と分身が白犬神を襲い、吹き飛ばされる白犬神。

「ハァッ!」

バゴォーン!

会場の壁に激突した白犬神は横たわり、目を回していた。

「白犬神戦闘不能!霊牙神の勝利です!」

読んでいただきありがとうございました!


次回 第117話 泣きの亡鎧とエクストララウンド


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